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2016/9/10 Billboard Chart

time 2016/09/10

9/10付

★「Closer」に新たなソングライター。今なぜ?過去には?

★トゥエンティ・ワン・パイロッツ、2つの史上3組目の記録とは?

★第1位フランク・オーシャンのアルバムの売り方

★91年以降インディ・レーベルでNo.1一覧

★今回もクラシック、クロスオーヴァー、ダンスで全部1位

 

 

9/10付。今週のビルボード・シングル・チャートから。

 

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今週の第1位は先週に引き続いてチェインスモーカーズ・フィーチャリング・ホールジーの「Closer」です。143,000ダウンロードでデジタル・セールス3週目の1位。ストリーミングも1位で、ラジオ・ソングスでは19位から15位にアップしてきました。この曲、ソングライターに2人の名前が新たに加わっています。アイザック・スレイドとジョー・キング。この2人の名前でピンと来た人、鋭い!ロック・バンド、ザ・フレイのリード・シンガー、アイザック・スレイドとギタリストのジョー・キングです。「Closer」はリリース当初からある曲に似ているという指摘が相次いでいました。その曲は2005年にリリースされ2006年最高位8位を記録したザ・フレイの「Over My Head (Cable Car)」なんです。この曲のソングライターが先の2人。つまり、盗作騒ぎで長い間の裁判になるより、ソングライターにクレジットして印税を払った方がいいという選択だったようです。

 

最近もありました。サム・スミスの「Stay With Me」(14年2位)。トム・ペティの「I Won’t Back Down」(89年12位)、バック・ヴォーカルにジョージ・ハリスンが参加していましたが、この曲に似ているとのことで、「Stay With Me」のソングライターに「I Won’t Back Down」のソングライターのトム・ペティとジェフ・リンが加わっています。

 

もうひとつ、マーク・ロンソン・フィーチャリング・ブルーノ・マーズの「Uptown Funk!」(15年1位)。ギャップ・バンドの「I Don’t Believe You Want To Get Up And Dance (Oops Upside Your Head)」(HOT100入りせず、R&Bで80年最高位4位)に似ているとのことで、ソングライターに後からこの曲のソングライターの5人が加わっています。彼らにとってはものすごいボーナスですね。

 
裁判になったのが「Blurred Lines」(ロビン・シック・フィーチャリング・T.I.+ファレル、13年1位)。マーヴィン・ゲイの「Got To Give It Up (Pt. 1)」(77年1位)に似ているとしてマーヴィン・ゲイの遺族が訴えました。裁判の結果、「Blurred Lines」のソングライターの、ロビン・シック、T.I.(クリフォード・ハリス)、ファレル・ウィリアムスは740万ドルを遺族側に支払うことになり、その後の印税も50%を支払うように命じられました。

 

ついでに過去の有名なものを3つほど。

 

ビーチ・ボーイズの「Surfin’ U.S.A.」(63年3位)。ソングライターは、ブライアン・ウィルソン。この曲がチャック・ベリーの「Sweet Little Sixteen」(58年2位)に似ていると訴えられ、「Surfin’ U.S.A.」のソングライターは、ブライアン・ウィルソンとチャック・ベリーになり、印税の半分が支払われました。

 

サイモン&ガーファンクルの「El Condor Pasa (If I Could)」(「コンドルは飛んでいく」、70年18位)。当時のソング・ライターはポール・サイモンだけでしたが、この曲はダニエル・アロミア=ロブレス(ペルー)がアンデス民謡からメロディを作ったとのことで、その後彼もソングライターにクレジットされました。

 

そして10年もの長い時間をかけて裁判で争われた曲がジョージ・ハリスンの「My Sweet Lord」(70年1位)。ロナルド・マックがソングライターで、シフォンズの「He’s So Fine」(63年1位)に似ているとのことで、この曲を管理していた音楽出版社ブライト・チューンズがジョージ・ハリスンを訴えました。結果、ジョージ・ハリスンに、ブライト・チューンズ社に対しておよそ60万ドルの賠償金の支払い命令が下りました。

 

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今週のチャートに戻りましょう。第2位は初登場2位から5位、2位、3位ときて、今週3週目の最高位2位となった、メジャー・レイザー・フィーチャリング・ジャスティン・ビーバー&ムーの「Cold Water」です。デジタル・セールス3位から4位、ストリーミングは2位から3位、ラジオ・ソングスは10位から8位でした。今週のHOT100の1位と2位のランキングは、ダンス/エレクトロニック・ソングス・チャートの1位と2位と同じで、初の出来事とのことです。

 

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http://item.rakuten.co.jp/americanpie/atl555746

4位には3週連続でトゥエンティ・ワン・パイロッツの「Heatherns」が入っています。さらに5位には6位からトゥエンティ・ワン・パイロッツの「Ride」が最高位を更新してきました。TOP5に2曲!ビルボードによれば、ロック・アーティストがHOT100のTOP5に2曲同時にチャートインしたのは、エルヴィス・プレスリー(1959/4/20付)とビートルズ(1964、65、66、69年の合計18週間)のみとのこと。また、デュオでのTOP5同時2曲も3組目とのことで、アウトキャスト(2003-4年、14週間)とマックルモア&ライアン・ルイス(2013年、3週間)に次ぐ記録だそうです。

 

さて、連続TOP10入りの記録で歴代2位となっているドレイクですが、今週も「One Dance」は8位にあってこれで連続50週TOP10入りとなりました。R&Bヒップ・ホップ・ソングス・チャートでは17週連続第1位です。ここでドレイクのこれまでの作品のセールス上位をご紹介します。

 

Albums
枚数
2,338,000 Take Care (2011)
1,830,000 Thank Me Later (2010)
1,783,000  Nothing Was the Same (2013)
1,441,000  Views (2016)
1,233,000  If You’re Reading This It’s Too Late (2015)
785,000  So Far Gone (EP; 2009)
564,000  What a Time to Be Alive (with Future; 2016)

 

『So Far Gone』(2009年)以降の6枚のアルバムはすべて初登場1位です。合計で997万枚と全米でのセールス1000万枚超は今月中の達成が確実です。
Singles (Download) (年/最高位)
3,740,000  Forever (with Kanye West, Lil Wayne & Eminem) (09/8)
3,487,000  The Motto (feat. Lil Wayne) (12/14)
3,095,000  What’s My Name? (Rihanna feat. Drake) (10/1)
2,766,000  Best I Ever Had (09/2)
2,718,000  Hold On, We’re Going Home (feat. Majid Jordan) (13/4)
2,696,000  Right Above It (Lil Wayne feat. Drake) (10/6)
2,569,000  Take Care (feat. Rihanna) (12/7)
2,535,000  Started From the Bottom (13/6)
2,480,000  F**kin Problems (A$AP Rocky feat. Drake, 2 Chainz & Kendrick Lamar) (13/8)
2,350,000  Headlines (11/13)
2,218,000  Hotline Bling (15/2)
2,130,000  Love Me (Lil Wayne feat. Drake) (13/9)
2,045,000  Moment 4 Life (Nicki Minaj feat. Drake) (11/13)

 

「One Dance」(featuring WizKid and Kyla) はこれまでのところ181万3000ダウンロードです。またこれまでHOT100に126曲がエントリーしました。ソロ・アーティストでは歴代1位のリル・ウェインの132曲まであと6曲に迫っています。(オール・アーティストのHOT100エントリー記録はグリーの207曲です。)

 

登場5週目で今週35位とコンスタントに上がってきたのがコングスVSクッキン・オン・スリー・バナーズの「This Girl」。すでにフランス、ドイツ、ハンガリー、ラトヴィア、スコットランドで1位。アルゼンチン、オーストリア、イスラエル、メキシコ、ロシア、UKでは最高位2位を記録している大ヒット曲です。オリジナルはクッキン・オン・スリー・バナーズ・フィーチャリング・カイリー・オルディストのバージョンで2009年にヒットしました。オリジナルをDJコングスがリミックスしたわけです。

 
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9/10付。今週のビルボード・アルバム・チャートから。

 

 

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今週の第1位は初登場で、フランク・オーシャンの『Blonde』です。276,000EAU、実売は232,000枚です。このアルバムは1曲1曲のデジタル・セールスがありません。アルバムそのもののダウンロード枚数と6540万にも及ぶストリーミングで換算枚数で276,000EAUとなりました。発売第1週目のセールスではドレイク『Views』(104万EAU)、ビヨンセ『Lemonade』(653,000EAU)に次ぎ、ストリーミング数ではドレイクの『Views』の6750万に次ぐ記録だそうです。

 
今回のアルバム・リリースはちょっと特殊でした。8/19に所属レーベルのデフ・ジャムから45分のビデオ作品となる『Endless』をアップル・ミュージックでのみリリースしました。そしてその翌日の8/20にこの『Blonde』を自らのレーベルからiTUNESとアップル・ミュージックからリリースしたのです。デフ・ジャムとは契約終了。『Blonde』にはビヨンセ、アンドレ3000、ケンドリック・ラマー、ファレル、タイラー・・ザ・クリエーター、カニエ・ウェストなどそうそうたるメンバーが参加しています。デフ・ジャムは面白くないでしょうね。自費出版の雑誌「Boys Don’t Cry」を発行して、ロス・アンゼルス、ニュー・ヨーク、シカゴ、ロンドンで無料配布しました。その中に『Blonde』のCDが入っているそうです。なんとお得な。さらにこのCDでは2曲がデジタル・アルバムには入っていない曲だとか。そしてCDバージョンの「Nikes」には日本人ラッパーのKOHHが参加しているのです。

 
今週のHOT100にはこのアルバムから5曲がチャートイン、R&Bソングス・チャートには最多タイとなる12曲が同時チャートインしました。それぞれの曲を単独でダウンロードできませんので、これらの曲はほとんどストリーミングでのポイントでチャートインしたようです。R&Bソングス・チャートでの12曲チャートインは、今年の5/14、5/21のビヨンセ、昨年の9/19から10/3までの3週連続でのザ・ウィークエンドがあります。

 
BILLBOARD200アルバム・チャートでインディ・レーベルでの1位アルバム、いろいろあります。サウンドスキャンが集計を始めた91年以降でこんなアルバムがありました。

 

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* N.W.A. / Efil4zaggin (1991) Ruthless Records (N.W,A.のメンバー、イージーEが所有)
* Ice Cube / The Predator (1992) Priority
* Soundtrack / The Lion King (1994) Walt Disney Records
* Soundtrack / Friday (1995) Priority
* Soundtrack / Pocahontas (1995) Walt Disney Records
* Bone Thugs-N-Harmony / E. 1999 Eternal (1995) Ruthless Records
* Tha Dogg Pound / Dogg Food (1995) Death Row/Interscope
* Bone Thugs-N-Harmony / The Art of War (1997) Ruthless Records
* Eagles / Long Road Out Of Eden (2007) Eagles Recording Company(イーグルスが所有)
* Radiohead / In Rainbows (2008) TBD Records
* Pearl Jam / Backspacer (2009) Monkeywrench(パール・ジャムが所有)
* Vampire Weekend / Contra (2010) XL Recordings
* Various Artists / Hope For Haiti Now (2010) MTV Networks
* Arcade Fire / The Suburbs (2010) Merge Records
* Cake / Showroom of Compassion (2011) Upbeat Records(ケイクが所有)
* Mac Miller / Blue Slide Park (2011) Rostrum Records
* Mumford & Sons / Babel (2012) Glassnote
* Jason Aldean / Night Train (2012) Broken Bow
* Vampire Weekend / Modern Vampires of the City (2013) XL Recordings
* Queens of the Stone Age / Like Clockwork (2013) Matador
* Garth Brooks / Blame It All On My Roots: Five Decades of Influences (2013) Pearl Records(ガース・ブルックスが所有)
* Lecrae / Anomaly (2014) Reach Records(ルクレイも資本参加)
* Jason Aldean / Old Boots, New Dirt (2014) Broken Brow Records
* Alabama Shakes / Sound & Color (2015)  ATO Records
* Tyrese / Black Rose (2015) Voltron Recordz(タイリースが所有)
* Janet Jackson / Unbreakable (2015) Rhythm Nation Records(ジャネットが所有)
* The Lumineers / Cleopatra (2016) Dualtone
* Blink-182 / California (2016) Viking Wizard Eyes LLC(ブリンク182が所有)

 

 

アルバムチャートは実売のセールスに加えて収録曲のダウンロードやストリーミング回数も加味してランキングされています。EAUは換算枚数をあらわしています。

 

 

今週のTOP10内初登場はあと2枚です。

 

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第4位に初登場したのが、R&Bシンガー、トーリー・レインズの『I Told You』です。1992年7月27日カナダ、オンタリオ州トロント生まれの24歳です。2009年にミックステープを発表した後、ショーン・キングストンのレーベルと契約します。このレーベルを離れてからも精力的に活動を続けて、2014年にYGのデビュー・アルバム『My Krazy Life』に参加。そして昨年8月に Mad Love/Interscope とのメジャー契約を結び、ブラウンストーンの「If You Love Me」(95年8位)をサンプリングしたデビュー・シングル「Say It」をリリース。このアルバムにも収録されていますが、この曲はHOT100では最高位23位、R&Bヒップホップ・エアプレイ・チャートでは第1位となりました。

 

 

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http://item.rakuten.co.jp/americanpie/lsm9
第5位にはデビュー・アルバム、前作と、ダンスとクラシックのチャートで1位を獲得してきたリンジー・スターリングのサード・アルバム『Brave Enough』が初登場しました。“クラシカル・ミーツ・EDM”。日本でも人気上昇中です。1986年9月21日カリフォルニア州オレンジ・カウンティのサンタ・アナ生まれ。ヴァイオリニストとしてメジャー・レコードとの契約を目指しましたが、なかなか契約に至らない中、2007年にYouTubeに動画を投稿。踊るヴァイオリニストとして有名になり、その後CDデビューを果たしました。2012年のデビュー・アルバム『Lindsey Stirling』はビルボードのクラシカル・アルバム・チャートで27週、クラシカル・クロスオーヴァー・アルバム・チャートでは37週間1位を記録。さらにダンス/エレクトロニック・アルバム・チャートでも2週間1位を記録しました。セカンド・アルバム『Shatter Me』は2014年にリリース。前作同様それぞれのチャートで50週、46週、19週間の1位を記録しました。昨年は来日コンサートも行い、昨年のユーチューバーとしての収入は600万ドルを超えたとか。そしてこのアルバム『Brave Enough』がリリース。こちらも3つのチャートでそれぞれ1位となっています。

 

 

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http://item.rakuten.co.jp/americanpie/sny8535123

 

11位にはカントリーのスーパー・スター、ドリー・パートンの43枚目のスタジオ・アルバム『Pure & Simple』が初登場しました。カントリー・アルバム・チャートでは25年ぶり、7枚目の第1位です。

 

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