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新旧お宝アルバム!#136〜2018年年末企画〜My Best 10 Albums of 2018【Part 2 完結編ー5位〜1位】

time 2018/12/24

さてこの年末特別企画も完結編。2018年自分が最もよく聴いて今年を代表するなあ、と思ったそんなアルバムたちです。

5位:『Indigo』Kandace Springs (Blue Note / Capitol)

ブラック・アーティストのアルバムが続きます。5位はついこの間東京国際フォーラムでの素敵なライヴを観てきたばかりの、キャンディス・スプリングスブルー・ノートからの2枚目、『Indigo』。デビュー・アルバムの『Soul Eyes』はややメインストリームR&Bっぽいポップ寄りの王道派のジャズ・ボーカル・アルバムという感じで、あのプリンスYouTubeにアップされていたキャンディスのパフォーマンスを見て気にいって、自分のペイズリー・パークでの『Purple Rain』30周年記念ライヴに特別に招待した、というエピソードで想定されるような凄さはあまり感じなかったもんだ。歌は巧いし、声は魅力的なんだけど。

で、今回のアルバムを聴いてその印象がガラッと変わっていたのにまずおっ、と思った。今回も基本はジャズ・ボーカル・アルバムなんだけど、寄り添っているのがメインストリーム・ポップではなく、かなりヒップホップの気配を感じさせたり、「Piece Of Me」などはシャーデーあたりも想起させるスタイルになっている一方、先頃惜しくも他界したジャズ・サックス奏者ロイ・ハーグローヴをフィーチャーした「Unsophisticated」などは前作を上回るレベルの王道ジャズ・チューンだったりする。チェックしてみると、まず前作はジョニ・ミッチェルの80年代の旦那さんで、彼女の当時の一連作品のプロデュースで知られるメインストリーム系のプロデューサー、ラリー・クラインだったのに対し、今回のアルバムは、あの伝説のヒップホップ・サウンドメイカー、J・ディラの影響を公言して憚らず、同じく90年代以降のヒップホップ・アイコンであるコモンのアルバムに必ずプロデュースで毎回参加している、それでいて本職はジャズ・ドラマーのカリエム・リギンズ。自ずから楽曲やサウンド、アレンジメントへのアプローチが全く違うのも納得だ。

そして、よりジャズのプレイヤーの視点やヒップホップ風ソウル的なグルーヴを重視したカリエムの今回のプロデュース・アプローチの方が、キャンディスのボーカルスタイルの良さをより効果的に引き出していると思う。

そうしたジャズとヒップヒップ風味のグルーヴを作り出しているカリエムの仕事に加えて、このアルバムにアーシーなR&Bの風合いをうまく加えているのが、4曲を作曲、2曲のプロデュースを担当している、NYベースのソングライティング・デュオ、カール・スターケンイヴァン・ロジャーズ。全米トップ40ファンには1991年の全米No.2ヒット「P.A.S.S.I.O.N.」を放ったリズム・シンディケイトの中心メンバーとして知られる彼らは、その後ソングライティング・プロデュース・チームとしてアギレラケリクラのデビュー作に曲を提供したり、あのリアーナを見つけてきたりして数々の新しいアーティストを育ててきたのだけど、ナッシュヴィル出身のキャンディスを見つけてきてドン・ワズブルー・ノートと契約させたのも彼ら。前述の「Piece Of Me」や「Unsophisticated」、そしてピアノ弾き語りでジャジーなボーカルを聴かせる「Fix Me」など彼らのペンによる曲が、カリエムのプロデュースとうまく調和してキャンディスのパフォーマンスを更に引き立てていると思う。

先日のライヴでキャンディスは基本的にピアノを弾いて歌うのが大好きな一方、その彼女に影響を与えたのはアート・テイタムオスカー・ピーターソンといったジャズの偉大なアーティストだ、というのが判り、改めてこのアルバムを聴くとその彼女の歌への、ピアノへの思いがしっかりプロダクションに反映され、彼女を最大限に表現しているのがわかる。そしてその究極が、ライヴでもアンコールで演って、このアルバムの終盤を飾るロバータ・フラックの「The First Time Ever I Saw Your Face」のカバー。プリンスが彼女をペイズリー・パークに呼んだ時に、彼女をピアノに座らせてリクエストしたというこの曲、多分その時と同様、この歌の静かなパワーが乗り移ったようなパフォーマンスが素晴らしい。引き続き、その動向から目が離せない、そんなアーティストです。

https://youtu.be/yuMkMu8keXE

4位:『Heaven And Earth』Kamasi Washington (Shoto Mas / Young Turks)

このアルバムを最初聴いた時の圧倒的な迫り来るような楽曲と演奏のテンション、そしてそれらの楽曲やパフォーマンスの完成度から、「これはジャンル関係なしに今年を代表するアルバムだし、絶対グラミーのアルバム部門ノミネートは間違いないな」と思ったものだけど、蓋を開けるとアルバム部門どころか、ジャズ部門でもまったくの蚊帳の外だったのはとても意外だった。同じケンドリック・ラマー人脈のロスのコンテンポラリー・ジャズ・シーンのアーティストで、このカマシのアルバムでも1曲「Agents Of Multiverse」を共作しているクリス・デイヴの『Chris Dave & The Drumhedz』なんかは最優秀アーバン・コンテンポラリー・アルバム部門にノミネートされてるのに、同じ人脈・シーンでよりハイ・プロファイルで評価も高いカマシが蚊帳の外、というのも腑に落ちない。ヴァイナルだと長尺5枚組、CDで3枚組(うち1枚はカッターでジャケを切り開かないと出てこないという隠し盤w)という大層さが嫌がられたのか、それともジャズの最先端シーンであるNYから距離を置いてロスでの活動にこだわるカマシに対する一部の批判層のなせる業なのか。

自分は正直ジャズは門外漢に近い。いろいろな洋楽ジャンルは聴き倒してきたが、ジャズについては奥深い森過ぎて下手に足を踏み込むとずるずるになってしまうのでは、という懸念からフュージョンとかを中心に表面的にしか関わってこなかった。その考えを変えたのは13年前、自分が最初に転職する時に部下から贈られたマイルスの『Milestone』で、理屈なしにすっと胸に入ってくる感じが思わぬ快感だった。以来、機会あるごとにジャズの名盤なるものには触れるようにしている。

そんなまだまだジャズ初心者の自分が、今特に同時代性を感じることができるのがこのカマシであり、ロバート・グラスパーでありサンダーキャットといった連中。彼らはケンドリック・ラマー人脈ということでヒップホップ好きの自分に取って何となくシンパシーを感じるところも多い。

そんなカマシの今度のアルバムのオープニング「Fists Of Fury」を聴いて驚いたのが、もはやこれはジャズの範疇を超えて、ビッグバンドによる壮大なエピックの映画スコアのようにこみ上げてくる怒りや哀しみなど様々な感情を表現した圧倒的なトラックであったこと。そして後にこれがあのブルース・リーの映画『ドラゴン怒りの鉄拳』のテーマ曲のリメイクだ、という話を聞いて妙に納得したものだ。

ヴァイナルでは最初2枚、CDでは最初のディスクが「Heaven」、次のヴァイナル2枚、ディスクが「Earth」、そして最後の隠しディスクが「The Choice」と名付けられたこの大作、冒頭の「Fists Of Fury」以降はジャムセッション的スタイルの正統派コンテンポラリージャズ、といった楽曲が次から次に抑えたクールネスを持って登場する。Heavenディスクは、途中スロウな「Connection」やバンドが縦横無尽にジャムってオーセンティックなグルーヴを醸し出す「Tiffakonkae」など、50年代スタイルのジャズ・トラックで気持ち良くしてくれるかと思うと、不協和音や複雑なコードを駆使したノイズ的なカマシのソロからメロウな本編になだれ込む「The Invincible Youth」など、いろんなアプローチでカマシ自作の楽曲群が聴く耳を楽しませてくれる。

https://youtu.be/u-e6mOTK__Y

Earthディスクのスタートは、冒頭の「Fists Of Fury」ほどのインパクトはないものの、またまた大人数のコーラスをバックに壮大な映画スコアのような「The Space Travelers Lullaby」で始まり、Heavenディスクがインストのみだったのに対し、電子処理したボーカルをフィーチャーしたうねる波のような「Vi Lua Vi Sol」、夜のイメージのカマシのソロとピアノでスタートしてパトリス・クインの神に懇願するようなボーカルが入る「Journey」などボーカル入りのジャズ・トラックが4曲フィーチャーされている。そうした王道ジャズ・トラックの中でやや異彩を放っているのが、エレクトロなリズムリフをベースにまたまた映画スコアのようなコーラスをバックにタイトなグルーヴを聴かせる「Street Fighter Mas」。

そして最後の5曲入りThe Choiceディスクは、やはり大コーラスをバックにした「The Secret Of Jinsinson」に始まり、キング/ゴーフィン作で有名な「Will You Still Love Me Tomorrow」とファイヴ・ステアステップスの「Ooh Child」のカバーを含むが、全社は極端にテンポを落としたトーチ・ソング風(ボーカルはパトリス)、後者はサビのフレーズのコーラスループ以外はまったく原曲をとどめず、延々続くジャズのジャムセッション、といった内容。

全体はいわゆるオーセンティックなスタイルのコンテンポラリージャズだし、いくつかのカバーへのユニークなアプローチ以外は、カマシがこのアルバムで取り立てて何か新しいことをしているわけではない。ただこれだけの大作の楽曲のほとんど(21曲中15曲)を一人で書き、アレンジしてこれだけの全体感、楽曲の存在感を実現しているというのは並大抵ではないことはジャズ門外漢の自分でもよく判る。

このジャズアルバムは、小洒落た青山の焼き鳥屋とか代官山のイタリアンとかでBGMで流れるような類のジャズではなく、しっかりと向き合って聴くことを求めるタイプの作品なので、重たいといえば重たいのだけど、ある意味今年の重大なミュージカル・イベントの一つであり、今年の重要作品の一つだと思うのです。

https://youtu.be/LdyabrdFMC8

3位:『Lost & Found』Jorja Smith (FAMM)

さていよいよトップ3、3位は今年サマソニにも来日したジョージャ・スミス。

このアルバムもやはりこの【新旧お宝アルバム!】のブログで今年の8月にレビューしてます。各曲ごとの詳しい解説はそちらのブログをご覧下さい。

UK出身のジョージャドレイクの『More Life』(2017)へのフィーチャーがメインストリームへのブレイクのきっかけとなってそこから1年も立たずにリリースしたこのデビューアルバムの『Lost & Found』、新旧お宝アルバム!のブログでも書いたけど、ジャジーなR&Bスタイルの楽曲を浮遊感満点のサウンドをバックに、ちょっと舌っ足らずなUKアクセントがチャーミングなジョージャのコントラルト・ヴォイスのボーカルが最大の魅力。彼女のドリーミーでイメージ想起力の高い表現力を持った歌が、ジョージャにしか作り出せない世界観をもって聴き手に迫ってくるあたり、彼女のアーティストとしての才能を感じます。

オープニングの「Lost & Found」ではわくわくするようなメロディ展開で「どうして私達は落ちていくの?」と歌うジョージャに一気にハートを捕まれるし、続く「Teenage Fantasy」では一転メランコリーな曲調でティーネイジャーの女の子の恋に対する切なさをせつせつと歌いながら、エンディングではちょっとふざけてエンディングを呟くようにくすくすと笑って終わるなんていうキュートなところも見せてくれるし。

https://youtu.be/9xZ6P4Sinvw

また一方では「On Your Own」とかパトカーの青いライトに追われる男の子に対し「あなたは何をしたの?」と問い詰める「Blue Light」とかではその舌っ足らずな調子で結構達者なラップを聴かせてくれ、その押さえた感じが同じ年頃のUSのR&Bヒップホップ・女性アーティスト達と比べてとても奥ゆかしく感じて、好感が持ててしまう。トム・ミッシュがペンを取ってプロデュースした「Lifeboat (Freestyle)」では、文字通り彼女がフリースタイルを試みるのだけど、USヒップホップでいうフリースタイル、という言葉に感じる攻撃性みたいなものは微塵もなく、自分が常日頃考えていることをトラックに乗せてフロウの形でしゃべってる(そしてここでも「落ちていく」という言葉と「浮かんでいる」という言葉が象徴的に使われてるのが印象的)、ってな風情がどうしようもなく愛おしく聞こえてしまうのは自分がオヤジになってしまったからか(笑)。

前回の【新旧お宝アルバム!】でのブログで彼女のこのアルバムを取り上げて以降、いろんな方が彼女のアルバムを「いいんだけどイマイチ」的な論評をされているのを目にして自分的にはすごく違和感があった。それくらいこのジョージャのアルバムは自分にとってとっても聴き心地がよく、歌い手のエモーションとか気持ちとかが曲を通じて如実に感じられる、そんな凄くシンパシーを感じられる作品だったから。正直夏場は彼女のボーカルに清涼感を求めて、というのもあったが、このアルバムが僕のターンテーブルに乗る頻度は極めて高かった。

幸いにして事前の僕の予想通り、ジョージャはめでたくグラミー賞の新人賞部門にノミネートを果たした。残念ながら同じ部門のノミニーにはメインの最優秀アルバム部門にもノミネートされてるH.E.R.や、ロックのジャンル部門にもノミネートされてるグレタ・ヴァン・フリートなど強力なメンバーが揃っているので、この部門だけのノミネートのジョージャには厳しいところだけど、ジョージャのチャーミングなキャラとこのアルバムで見せてくれた独特の世界観はきっと次の彼女のステップで大きく成長を見せてくれると信じています。とにかくこのアルバムはホントに自分に取っては2018年、大事なアルバムの一つでした。サマソニに行かなかったことがホントに悔やまれたくらい。

https://youtu.be/meP1neJrguw

2位:『Golden Hour』Kacey Musgraves (MCA Nashville)

そして自分の年間2位アルバムは、今やナッシュヴィル・シーンではカントリーという枠内だけではなく、ナッシュヴィルを本拠地とするアメリカン・メインストリーム・ポップ・アーティストとして唯一無二のステイタスを築き上げた感のあるケイシー・マスグレイヴスの『Golden Hour』。

この【新旧お宝アルバム!】でも彼女の前作『Pageant Material』(2015)をご紹介して、そのキャッチーでありながらフォーキッシュなカントリー・ポップな楽曲と、カントリー界のこれまでの常識を覆す、同性愛の率直な肯定やマリファナ嗜好を淡々と語るといったエッジの立った歌詞のアンバランスさに大きな魅力があることをお伝えしましたが、今回の『Golden Hour』では、今回はその楽曲レベルが平均的にグンと上がり、彼女が共作に全てかかわった収録13曲一切捨て曲なし、どれもかなりクオリティの高いポップ・チューンに仕上がっているのがちょっとした驚きでした。いずれの楽曲もキャッチーなメロディをカントリー・ポップのスタイルで組み立てながら、バックのサウンドは全体が靄に包まれたようなとても趣味のいいシンセの使い方と、しっかりとしたビートを刻むリズムが、ちょっと聴いていると今時のシンセポップ寄りのサウンドに聞こえるのですが、そこここにごく控えめにバンジョーの音色があしらわれたりしていることで、辛うじてこのアルバムがカントリーというジャンルに軸足の一部を残していることが判るという感じ。そして一番特筆すべきは、どの曲もケイシーの心地よいコントラルトのボーカルと魅力的なメロディーとリズムで聴く者の気持ちをゆったりと和らげてくれる、そんなアルバムに仕上がっているのです。自分はこのアルバムを聴いて、ルーマーの一連のアルバムを思い出しました。今回のケイシーのアルバムには、あのシンガーの一連のアルバムを想起させるような暖かい音像がふんだんに盛り込まれているのです。

一方楽曲の歌詞の内容は、昨年末の結婚というプライベートな環境の変化を反映してか、これまでのようにエッジの強い内容の歌詞はそれほど見られません。むしろ新しい愛を発見した喜びを吐露する「Golden Hour」や「Butterflies」(この曲は夫のラストン・ケリーとナッシュヴィルのブルー・バード・カフェで出会って付き合い始めた頃のことを歌ってるとケイシーが認めてます)、週末に愛する人がそばにいないことの寂しさをポップなメロディに乗せて歌う「Lonely Weekend」、何故か今回のアルバムに頻出するヒーロー達に愛する人を見立てて様々な感情を歌う「Space Cowboy」「Velvet Elvis」「High Horse」(歌詞の最初のところで「あなたは自分のことをジョン・ウェインだと思ってるでしょ/颯爽と登場して悪者を残らず仕留めるそんなヒーロー」と歌ってます)などなど、ケイシーラストンと付き合っていた2017年に書かれた今回のアルバムの殆どの曲は、基本的に自分と自分が大事に思う人との様々な距離感を歌にした楽曲で満ちあふれています。

https://youtu.be/Zr3gscRpAhA

今回アルバムのプロデュースは、彼女をブレイクした2枚のアルバム『Same Trailer, Different Park』(2013)と『Pageant Material』でケイシーと共にプロデューサーチームを組んでいた、ナッシュヴィルのポップ・カントリー界での多くの実績を持つルーク・レアードシェイン・マクナリーというベテラン・チームではなく、ナッシュヴィルでポップ・ロック・バンドで活動していたダニエル・タシアンイアン・フィチャックという新しいチームによるもので、このチームの変更が全体のサウンドをよりポップ・ロック路線に寄り添わせている最大の要因なのでしょう。収録された曲も13曲中この2人と共作しているのが7曲と最多を占めています。もちろんルークシェインとの共作も「Butterflies」「Space Cowboy」「Rainbow」とありますが、今後はこのケイシー/ダニエル/イアンというチームでしばらく新しいケイシーの世界を聴かせ続けてくれるのだろうと思われます。

今年の夏のフジロックに来た時は他のステージとかぶって見逃してしまいましたが、観に行った友人達が口を揃えて素晴らしいステージだったと言ってて悔しい思いをしたのを思い出しました。この楽曲、そして彼女自身のプライベートの充実を思えば当然でしたね。惜しいことをしました。

そしてこのアルバムはシーンでも評価が高く、今年11月に開催されたカントリー界のグラミー賞第52回CMAではクリス・ステイプルトンキース・アーバンらを押さえて堂々年間最優秀アルバムを受賞してますし、Apple Musicが選ぶ2018年のベスト・アルバムにも選ばれました。

同じカントリーからポップに踏み出したテイラー・スウィフトが、最近感情の大きな起伏とエッジの立ったリリックでどちらかというと挑戦的な楽曲を発表しているのに比べると、このアルバム、正しくケイシーが今人生の「ゴールデン・アワー」にいるな、というのが肌で伝わってくる、聴いてるだけで幸せに近づけるような気がする、そんなアルバムです。とにかくどの曲を取っても、思わず聴き入ってしまうような魅力ある曲ばかりで、メロディのフックが素晴らしく思わずハッとしてしまう「Happy & Sad」など、完全に70年代ポップを思わせる、世代を超えてアピールできる曲ですので、是非Apple MusicSpotifyなどで聴いて見て下さい。あなたのパワープレイリストの仲間入りすることは間違いなし。お勧めです!

https://youtu.be/U5oIvfraRrU

ここまでゾッコンに惚れ込んだケイシーのアルバムを上回るMy Best 10 Album of 2018のナンバーワンアルバムとは?それはこれです(^^)

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1位:『Geography』Tom Misch (Beyond The Groove)

トム・ミッシュ。ロンドン出身、白人、23歳。ロンドンのR&Bシーンでギタリスト、セッション・ボーカリスト、プロデューサーとして2014年頃から本格的に活動、自らも2本のミックステープや3枚のEPを昨年までにリリースする傍ら、様々なインディー系のUKR&Bアーティストのシングルに客演したり、リアン・ラ・ハヴァス、マイケル・キワヌカといった(自分の大好物のw)今のUKR&Bシーンを代表するアーティスト達のシングルをリミックスしたりと、マルチな活動を展開、徐々にそのシーンでの存在感を確立。

今年に入って、この年末特別企画の自分が4位にランキングしたジョージャ・スミスの『Lost & Found』収録の「Lifeboat (Freestyle)」の作・プロデュースを行い、プロデューサーとしてもステップアップするのとほぼ同時期に自らの初フル・アルバム『Geography』をリリース、全英アルバムチャート8位に送りこむブレイクを果たす。

と、レコードのライナーノーツ風に書いて来ましたが、このトム・ミッシュのアルバム、おそらく70年代後半から80年代にかけての英米のR&B・ソウルが好きで、かつブルー・アイド・ソウルのアーティストに目がない方であれば、はっきり言って無茶苦茶気に入ると思います!

アルバム全体があの時期のソウル・ミュージック、ダンス・ミュージックへのオマージュに溢れていてその手がお好きな方は聴きながら頬っぺたが緩むのを抑えられないでしょう。かくいう自分もそうなんです(笑)。そしてそれでいて今のR&B作品らしく、要所要所に上手にヒップホップの味付けもしていて、それがまたスマート。

https://youtu.be/NdJHvUTWx6c

シックを想起せざるを得ないタイトでファンキーなカッティング・ギターとスリリングなシンセ・トーンでまんまあの頃のダンス・チューンを再現している「South Of The River」や、聴いた瞬間に体が動かずにはいられないその名も「Disco Yes」、デヴィッド・T・ウォーカーっぽい音色のギターリフとビートの利いた、ゴールドリンクのラップをフィーチャーした「Lost In Paris」、昔のモノクロ映画の一場面を再現したかのようなスキットから、今度はスロウなデヴィッド・T・ウォーカーそのまんまのギターリックをバックにトムが洒脱なソウルネスを湛えて歌う「Movie」、何とあのデ・ラ・ソウルをフィーチャーした、シャッフル・リズムでメランコリー・ファンクとでも言うべき魅力満点の「It Runs Through Me」などなど、特にレコードA面からB面途中までは一気に聴かせてしまう、何とも強力なアルバムなのです。

実は自分がトムのことを知ったのは結構遅く、何となく名前は聞いてたけど、と言う程度の認知度だったのが、彼が作・プロデュースのジョージャ・スミスの「Lifeboat (Freestyle)」を聴いて、そのオールド・スクールのヒップホップをリスペクトしながら今どきのR&Bサウンド感覚の利いたトラックなので、興味を持ってちょっと聴いてみたら、あっという間にハマったというわけ。

そしてケイシー・マスグレイヴスフジロックでミスし、サマソニに来ていたジョージャ・スミスとこのトムをミスするという、今年の年間ランキングに入れてるアーティスト、軒並みライヴを見逃してるというのも、このアルバムへの執着度を高めたもう一つの理由だったかも(笑)。とにかく夏の終わり頃から秋にかけて、このレコードを聴かない週は多分なかったといっても過言ではないほどで、この時点での年間アルバム1位は当確でした

とにかく自分がウダウダ言うよりも、Apple MusicSpotifyでこのアルバム、聴いてみてください。あなたがソウル・ミュージック、R&B系ダンス・ミュージック、そしてブルー・アイド・ソウルのファンなら、絶対気に入って頂ける自信があります。

このアルバム、メインのアルバムチャートにはランクインしなかったものの、ビルボード誌コンテンポラリー・ジャズ・アルバム・チャートで2位に入るという成績だったので、自分は密かにこのグラミー賞新人賞部門アーバン・コンテンポラリー・アルバム部門にノミネートされるのでは、と期待していたのですが、残念ながらそれはなし。でも、次トムが来日したら絶対観に行こう!と心に決めてます。そしてこの後トムが、自分の作品も含めてどんな仕事をしてくれるか、今から楽しみです。

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と、いうことで年末特別企画いかがでしたか。この【新旧お宝アルバム!】の方はこれで年内最後となりますが、自分の個人ブログ(http://boonzzy.bog.fc2.com)の方ではこの後も年始にかけて毎年やっているグラミー賞大予想もやっていますので、よろしかったら覗いてみて下さい。では皆さん、メリー・クリスマス、そしてよいお年を!

オフ会映像

ひたすら・・・歌い出しがタイトル!の全米トップ40ヒットを聴く飲み会

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