2017/1/14 Billboard Chart

1/14付

★今どきのヒット曲の作り方

★13位から一気に第2位へ!

★ジョージ・マイケル関連、アルバム、シングル再登場

★カレンダー・イヤー2016年年間チャート、US、UK、オーストラリア

★この曲、なぜ消えなかった?

 

1/14付。今週のビルボード・シングル・チャートから。

 

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今週の第1位は先週僅差で2位に落ちたレイ・シュリマー・フィーチャリング・グッチ・メインの「Black Beatles」が1位に返り咲きました。通算7週目の第1位です。デジタル・セールスで3位から1位、ストリーミングが1位から3位、ラジオ・ソングスは8位変わらずでした。この曲はマネキン・チャレンジでそのBGMに使われたことがきっかけで大ヒットしました。今どきのヒット曲の作り方の典型例です。

 
ファンが作ったさまざまなビデオが1週間に合計1億回以上の動画再生を記録して、そのダンス・ビデオのBGMに使われていたバウアーの「Harlem Shake」が2013年に5週連続第1位で年間4位になったことがありました。それ以降オフィシャルのビデオでなくてもその曲がオリジナルでビデオに使われて、そのビデオが大ヒットして曲がチャートの上位に行く例が増えています。あるいは昔の曲がそのような使われ方をしておもにストリーミングのポイントで50位内に再登場ということが起きました。この場合、強力なストリーミング数に支えられている一方で、ラジオ・ステーションでは必ずしも受けることがないため、ラジオでの大きなヒットにはなっていない例が多いのです。それでも現在の集計方法ではHOT100で1位になれるのです。

 

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今週の第2位もそのパターンです。今週の第2位は登場7週目ですが、先々週26位、先週の13位から一気に急上昇しました。ミーゴス・フィーチャリング・リル・ウージー・ヴァートの「Bad And Boujee」です。ミーゴスは2009年にジョージア州ローレンスヴィルで結成されたクエヴォ、オフセット、テイク・オフの3人組ラッパーです。この3人は親戚でクエヴォはテイク・オフのおじさん、またオフセットはクエヴォのいとこだそうです。2011年にミックステープをリリース。「Bad And Boujee」の大ヒットで今月末にデビュー・アルバム『Culture』の発売が決まりました。HOT100の1位、2位がラップ・ソングというのは2015年5月16日から30日付まで3週間続いた、1位ウィズ・カリファ・フィーチャリング・チャーリー・プースの「See You Again」、2位フェティ・ワップ「Trap Queen」以来とのことです。

 
昨年の12月に入ってからイラストレーターでコメディアンのザック・フォークスがCatDogという不思議なキャラクターのイラストに「オフセットの「You Know」というのが聞こえてくる」とツィートしたことから始まり、さらに「Raindrop, Drop Top」というフレーズの後に面白い文言を付け加えてツィートしたことがうけて、我も我もとこの面白い文言を変えて動画をアップ。その後ろにこの曲がかかっているわけです。これが「Harlem Shake」の曲が使われてダンス・ビデオが広がっていったように次から次へと広がって、それが再生されて、その度にこの曲がカウントされて集計ポイントに加算されていったのです。ロックやカントリーではなかなかこのパターンはできないでしょうが、HOT100の集計方法が変わらない限り、今後もこのパターンでの大ヒットが誕生するでしょうね。

 

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先週1位に上がったザ・ウィークエンドの「Starboy」は今週3位へダウン。ストリーミングで3位から4位、ラジオ・ソングスが5位から7位。デジタル・セールスは12/29までの1週間の集計期間で、上位50曲が前週比すべてプラスで、この曲も前週比18%プラスの101,000ダウンロードを記録したにもかかわらず、もっとアップを記録した曲が多かったため順位は1位から11位へダウンしました。

 

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さていろいろな動きがあった1/14付ですが、33位から28位にアップしたのがキース・アーバンの「Blue Ain’t Your Color」です。今週カントリー・エアプレイ・チャートで1位になりました。このチャートでは21曲目の第1位です(チャートは1990年1月20日にスタート)。21曲の1位は歴代6位の曲数。1位は29曲でティム・マックグロウ。2位が27曲でケニー・チェズニー。3位が24曲でアラン・ジャクソンとジョージ・ストレイト。5位が22曲でブレイク・シェルトンとなっています。ちなみに7位は20曲でブルックス&ダンとトビー・キースが続いています。カントリー・アルバム・チャートでは5枚目の第1位となったアルバム『Ripcords』から3曲目の第1位となりました。

 
さて、今週のデジタル・セールス、ストリーミング・セールスの集計は12/23から12/29。ラジオ・ソングスは12/26から1/1までの集計でHOT100チャートが作られています。ジョージ・マイケルが亡くなったのが12月25日。その後のセールスの急増で、HOT100には3曲がエントリーしています。33位には85/2/16から3/2まで3週連続第1位で85年年間第1位の「Careless Whisper」(ワム!フィーチャリング・ジョージ・マイケル)が再登場。50位から41位にはワム!の「Last Christmas」がアップ。そして47位には87/12/12から88/1/2まで4週連続第1位で88年年間第1位の「Faith」(ジョージ・マイケル)が再登場しました。UKでは「Last Christmas」が16位から7位、「Careless Whisper」が44位、「Faith」が64位、エルトン・ジョンとの「Don’t Let The Sun Go Down On Me」が91位に再登場しました。ジョージ・マイケル関連のセールスは前週比57倍になったそうです。

 
今週の集計期間は先ほどお伝えしましたが、この時期は毎年その年にヒットした曲がクリスマスや年末特番でラジオでかかるため、この時点でチャートに入っている曲が再浮上したりします。No.1ソングでは登場34週目のジャスティン・ティンバーレイクの「Can’t Stop The Feeling!」が39位→32位→25位、シーア・フィーチャリング・ショーン・ポールの「Cheap Thrills」が41位→36位→30位とアップ。登場46週目です。

 
今週は各国の年間チャートが発表されています。

まずカレンダー・イヤーでのアメリカのシングルTOP5は次の通りです。

 

* デジタル・セールス
1位 249万5000DL Can’t Stop the Feeling! / Justin Timberlake
2位 226万8000DL Closer / Chainsmokers featuring Halsey
3位 224万1000DL My House / Flo Rida
4位 211万3000DL 7 Year / Lukas Graham
5位 200万8000DL One Dance / Drake featuring WizKid & Kyla

 

* ストリーミング・セールス(オーディオ+ビデオ:単位はストリームス)
1位 7億9127万 Panda / Desiigner
2位 7億0811万 Work / Rihanna featuring Drake
3位 6億1169万 CLoser / Chainsmokers featuring Halsey
4位 5億5825万 One Dance / Drake featuring WizKid & Kyla
5位 5億1685万 Needed Me / Rihanna

 

* ラジオ・ソングス
1位 Love Yourself / Justin Bieber
2位 One Dance / Drake featuring WizKid & Kyla
3位 Can’t Stop the Feeling! / Justin Timberlake
4位 Cheap Thrills / Sia featuring Sean Paul
5位 Stressed Out / Twenty One Pilots

 
* UK年間TOP10シングル
1位 One Dance / Drake Feat. Wizkid & Kyla
2位 7 Years / Lukas Graham
3位 Cheap Thrills / Sia
4位 I Took A Pill In Ibiza / Mike Posner
5位 This Is What You Came For / Calvin Harris Feat. Rihanna
6位 Lush Life / Zara Larsson
7位 Closer / Chainsmokers Feat. Halsey
8位 Love Yourself / Justin Bieber
9位 Work / Rihanna Feat. Drake
10位 Can’t Stop The Feeling / Justin Timberlake

 

* オーストラリア年間TOP10シングル
1位 Closer / Chainsmokers featuring Halsey
2位 One Dance / Drake featuring Wizkid & Kyla
3位 7 Years / Lukas Graham
4位 Never Be Like You / Flume featuring Kai
5位 Don’t Let Me Down / Chainsmokers featuring Daya
6位 This Is What You Came For / Calvin Harris featuring Rihanna
7位 Can’t Stop the Feeling! / Justin Timberlake
8位 Cheap Thrills / Sia
9位 Stressed Out / Twenty One Pilots
10位 Love Yourself / Justin Bieber

 

ところで、HOT100チャートでは足切りのルールがあります。まず25位。登場53週目に26位以下になった場合、チャートから消えます。次が50位。21週目に51位以下の場合チャートから消えます。が、上昇中の場合は例外でチャートに留まることができます。この場合の上昇中とは前週よりポイントがアップしている場合で、必ずしも順位が上がっているとは限りません。

 

パーティネクストドア・フィーチャリング・ドレイクの「Come And See Me」。この曲は12/31までチャートインして1/7付でHOT100から消えました。その前までの動きが55位→56位→60位→56位→63位。55位の時点で登場20週目でした。ということは本当なら翌週は50位以上にならない限りHOT100から消えるのでは。でも登場23週目までは赤丸が付いていたのです。ところが!翌週12/31付でなんと前週比ポイントアップの赤丸がないにもかかわらず登場24週目にして63位に入っているのです。何で消えなかった?

 

もう1曲。今週は無事に50位圏内に入ったリル・ウージー・ヴァートの「You Was Right」。今週登場25週目です。この曲の20週目からの動きをみると、52位→21週目で57位→49位→58位→52位→42位。このうち、57位と58位には赤丸が付いていません。何で消えない?この日は12/17付と12/31付でした。12/31付ではパーティネクストドア・フィーチャリング・ドレイクの「Come And See Me」も消えませんでした。何で登場21週以上で赤丸もついていないのにチャートに留まったのでしょう。

 

ビルボードがエントリー・ルールを変えたとしか思えないのですが、12/17と12/31にはある特殊な出来事がありました。12/17付でリル・ウージー・ヴァートは57位でした。この週には56位以上にザ・ウィークエンドの曲が9曲も初登場したのです。さらに58位の12/31付ではJ.コールがやはりこの上に10曲初登場していました。これを特殊といっていいのかどうかわかりませんが、この特殊事情の場合ダウンしてもチャートから消さない措置をとったのかもしれません。

 
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1/14付。今週のビルボード・アルバム・チャートから。

 

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今週も第1位はペンタトニックスの『A Pentatonix Christmas』です。2週連続第1位。クリスマスを挟んでの集計でしたので、前週比マイナス51%の101,000EAUのセールス。実売は82,000枚でした。

 
アルバムチャートは実売のセールスに加えて収録曲のダウンロードやストリーミング回数も加味してランキングされています。EAUは換算枚数をあらわしています。

 
今週のTOP10内初登場はありませんでした。

 

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TOP10に急上昇したアルバムがありますが、ディスカウント・セールが効いています。15位から7位にアップしたのがトゥエンティ・ワン・パイロッツの『Blurryface』。そして19位から8位にアップしたのがドレイクの『Views』です。いずれもiTUNESでの5.99ドル、6.99ドルセールでのアップでした。21位から10位へアップしたサウンドトラック『Suicide Squad: The Album』は、収録曲のトゥエンティ・ワン・パイロッツの「Heathens」などのトラック・セールスが増えてTOP10に返り咲きました。クリスマス・プレゼントでのデジタル・ギフトカードでの購入が多かったとのことでした。2006年1月14日付でHOT100で1位になったD4Lの「Laffy Taffy」もそんな理由で1位になったような。

 

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アルバム・チャートもジョージ・マイケル関連のアルバムのチャートインが目立ちます。アルバムとシングルの合計セールスは前週比約28倍にもなりました。

 

まず、12位に再登場したのが2008年にリリースされたベスト盤『TwentyFive』です。これまでの最高位28位を大幅に上回りました。18位には88年年間第1位のアルバム『Faith』が再登場。さらに98年リリースのベスト盤『Ladies & Gentlemen: The Best Of George Michael』が84位、ワム!の『Make It Big』が168位にそれぞれ再登場しました。UKでは『Ladies & Gentlemen: The Best Of George Michael』が8位、ワム!の『Wham! The Final』が40位、『TwentyFive』が47位、『Faith』が62位、『Symphonica』が73位、『Older』が84位に再登場しています。

 

さて各年間チャートのアルバム編です。

 

まず、アメリカのカレンダー・イヤーでの年間チャート。

 

* EAUベース(実売にトラックのデジタルやストリーミングでのセールスも換算して加算)
1位 414万EAU Drake / Views
2位 236万EAU Adele / 25
3位 218万EAU Beyonce / Lemonade
4位 196万EAU Rihanna / Anti
5位 173万EAU Twenty One Pilots / Blurryface

 

* 実売ベース
1位 173万枚 Adele / 25
2位 160万枚 Drake / Views
3位 155万枚 Beyonce / Lemonade
4位 108万枚 Chris Stapleton / Traveller
5位  90万枚 Pentatonix / A Pentatonix Christmas

 
* UK年間TOP10アルバム
1位 Adele / 25
2位 Coldplay / A Head Full Of Dreams
3位 Michael Ball & Alfie Boe / Together
4位 Justin Bieber / Purpose
5位 Elvis Presley / The Wonder Of You
6位 David Bowie / Blackstar
7位 Little Mix / Glory Days
8位 Drake / Views
9位 Jess Glynne / I Cry When I Laugh
10位 David Bowie / Best Of Bowie

 
* オーストラリア年間TOP10アルバム
1位 Adele / 25
2位 Keith Urban / Ripcord
3位 Beyonce / Lemonade
4位 Soundtrack / Molly (Soundtrack From The TV Series)
5位 Michael Buble / Christmas
6位 John Farnham & Olivia Newton John / Friends For Christmas
7位 Jessica Mauboy / Secret Daughter (Songs From The TV Series)
8位 David Bowie / Blackstar
9位 Justin Bieber / Purpose
10位 Soundtrack / Suicide Squad: The Album