12/26付。今週のビルボード・アルバム・チャートから。
来年の前半はUK・ヨーロッパ・ツアーを発表したアデルですが、それが終わると後半は北米・メキシコ・ツアーとのことで8/5からのロス・アンゼルス・ステイプル・センター、9/19からのニュー・ヨーク・マジソン・スクエア・ガーデンでのそれぞれ6公演を含む全56公演が発表されました。7/5ミネソタ州セント・ポール・エクセル・エナジー・センターを皮切りに11/15メキシコ・シティまでで、北米ツアーは5年ぶりとのことです。
そのアデル『25』は今週728,000EAU、実売695,000枚で3週連続第1位です。1991年からスタートした今の集計方法になってから、初登場から3週連続65万枚以上のセールスは初めてとのこと。これでトータル519万枚のセールスとなりました。カレンダー・イヤーでの500万枚突破はやはりアデルが2011年に記録した『21』の582万枚以来です。12/26付は12/10までのセールスですのでまだあと3週間あります。合計700万前後まで行くのではないでしょうか。600万を超えると2004年アッシャーの『Confessions』(798万枚)以来となります。
アルバムチャートは実売のセールスに加えて収録曲のダウンロードやストリーミング回数も加味してランキングされています。EAUは換算枚数をあらわしています。
ここ10年でカレンダー・イヤーに限らず合計500万枚以上のセールスを記録したアルバムは以下の通りです。カッコ内は発売年です。
1位 1130万枚 Adele / 21 (2011)
2位 791万枚 Nickelback / All The Right Reasons (2005)
3位 745万枚 Carrie Underwood / Some Hearts (2005)
4位 700万枚 Taylor Swift / Fearless (2008)
5位 608万枚 Mariah Carey / The Emancipation Of Mimi (2005)
6位 582万枚 Josh Groban / Noel (2007)
7位 556万枚 Taylor Swift / Taylor Swift (2006)
8位 550万枚 Taylor Swift / 1989 (2014)
9位 536万枚 50 Cent / The Massacre (2005)
10位 519万枚 Adele / 25 (2015)
11位 504万枚 Daughtry / Daughtry (2006)
アデル『25』はUKでも3週連続第1位。今週は354,000枚のセールスで合計159万3000枚となったとのことです。
今週のTOP10内初登場は4枚です。
http://item.rakuten.co.jp/americanpie/atl553301
第2位はコールドプレイの『A Head Full Of Dreams』が初登場です。これまで4枚連続で初登場1位でしたが、アデルには勝てませんでした。6枚連続TOP5入りとなりました。21万EAU、実売195,000枚のセールスでした。2006年にスタートしたビルボード・ロック・アルバムチャートでは4枚目の第1位です。このチャートの1位獲得枚数では歴代2位タイ。以下の通りです。
1位 5枚 Dave Matthews Band
2位 4枚 Coldplay, Bon Jovi, Bob Dylan, Jack Johnson, Linkin Park, John Mayer, Nickelback, Bruce Springsteen
第5位はGイージーの『When It’s Dark Out』です。132,000EAU(実売103,000枚)のセールスでした。1989年5月24日アリゾナ州出身の白人ラッパーです。17歳の頃から活動をはじめ、ドレイク、スヌープ・ドッグ、リル・ウェインなどのステージでオープニング・アクトを務めていました。昨年のメジャー・デビュー・アルバム『These Things Happen』(最高位3位)に続いて2枚連続TOP5入り。R&Bヒップホップ・アルバム、ラップ・アルバムチャートでは2枚連続初登場1位です。アルバムのリリースでR&Bヒップ・ホップ・ソングス・チャートには8曲同時にエントリーしています。
第6位は9枚連続TOP10入りとなったベテラン・ラッパー、リック・ロスの『Black Market』です。昨年2枚のアルバムをリリースしていて、もう新作の発表なんですね。この作品の前にもアンソニー・ハミルトンやオーガスト・アルシーナ、ザ・ドリームなどが参加したミックステープ『Black Dollar』を無料でリリースしていました。無料なのでビルボードのチャートには登場しません。今回はクリス・ブラウン、DJプレミア、ナズ、フューチャー、ザ・ドリーム、ジョン・レジェンド、メアリー・J.ブライジ、シーロー・グリーン、マライア・キャリーが参加しています。
第7位にはトロイ・シヴァンの『Blue Neighbourhood』が初登場です。1995年6月5日南アフリカ・ヨハネスブルグ生まれ。2歳の時にオーストラリアへ移住し、現在俳優として活躍しています。またYouTubeでも人気で彼のビデオは合計2億回以上の再生を記録しています。昨年リリースした『TRXYE』、『Wild』の2枚のEPはアルバム・チャートでともに最高位5位を記録。今作で3枚連続TOP10入りとなりました。15歳の時に親に同性愛者であることを打ち明けたそうです。今作品もこれまでの2作と同様に同性愛についてとりあげています。
ビルボードのチャートの集計要素であるセールス・ポイントは1991年5月からサウンドスキャンが集計しているデータを使用していますが、セールス・データはアメリカ・レコード協会(RIAA)も発表しています。現在は50万枚のセールスでゴールド・ディスク、100万枚のセールスでプラチナ・ディスクの認定を受け、その後100万ごとにマルチ・プラチナ、1000万枚を超えるとダイアモンド・ディスクの認定を受けます。ただ、サウンドスキャンと違うのは、2枚組アルバムの場合、これが1セット売れるとサウンドスキャンの場合は1枚のセールスに対し、RIAAでは2枚のセールスとカウントされています。また50万、100万、200万のセールスごとに認定されるのではなく、シャナイア・トゥエインの『Up』のようにそれまで50万や100万枚のマークが付いていないのにいきなり1000万枚のマークが付いたこともありました。前置きが長くなりましたがこのRIAAがこのほど、マイケル・ジャクソンの『Thriller』が全米史上最多となる3000万枚のセールスを記録したと発表しました。これまではイーグルスの『Their Greatest Hits 1971-1975』と並んで2900万枚で1位タイでした。その前は『Thriller』は『Their Greatest Hits』に次いで2位でしたので、並んで追い越したことになります。最もこれはレコード会社からの申請によって認定を受けているので、ピンク・フロイドの『Dark Side Of The Moon』のように本当はもっと売れているんじゃないかと思われても何年も枚数が変わっていないものもありますが。最初の申請が過剰だったのでしょうか。2000万枚以上は9枚ありますのですべてご紹介します。1000万枚以上は合計112枚あります。また次のダイアモンド・ディスクを狙える現在900万枚の認定を受けているアルバムは18枚ありました。
3000 THRILLER / MICHAEL JACKSON
2900 EAGLES/THEIR GREATEST HITS 1971-1975 / EAGLES
2300 GREATEST HITS VOLUME I & VOLUME II / BILLY JOEL
2300 LED ZEPPELIN IV / LED ZEPPELIN
2300 THE WALL / PINK FLOYD
2200 BACK IN BLACK / AC/DC
2100 DOUBLE LIVE / GARTH BROOKS
2000 RUMOURS / FLEETWOOD MAC
2000 COME ON OVER / SHANIA TWAIN
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12/26付。今週のビルボード・シングル・チャートから。
今週も第1位はアデルの「Hello」で初登場以来7週連続第1位となりました。アデルとしては自身最長の2011年の「Rolling In The Deep」に並ぶ1位週数となりました。デジタル・セールスでは1位から2位にダウンしましたが、ストリーミング(7週)、ラジオ・ソングス(5週)では1位を続けています。初登場以来7週以上1位を続けたのは5曲しかないので全部ご紹介します。
16週 One Sweet Day / Mariah Carey & Boyz II Men (1995-96)
14週 Candle in the Wind 1997/Something About the Way You Look Tonight / Elton John (1997-98)
11週 I’ll Be Missing You / Puff Daddy & Faith Evans (Feat. 112) (1997)
8週 Fantasy / Mariah Carey (1995)
7週 Hello / Adele (2015)
http://item.rakuten.co.jp/americanpie/defb002404302
第2位はジャスティン・ビーバー「Sorry」です。5週目の第2位です。またアルバム『Purpose』からの「What Do You Mean?」が4位、「Love Yourself」が5位とTOP5に3曲同時に入りました。TOP5で3曲同時は2005年の50セント以来3組目です。
3/12付
1位 Candy Shop / 50 Cent Featuring Olivia
4位 How We Do / The Game Featuring 50 Cent
5位 Disco Inferno / 50 Cent
3/19付でも同順位でしたので2週続けてTOP5に3曲同時にチャートインしました。今回ジャスティン・ビーバーはすべてリード・アクトとしてTOP5入りしています。リード・アクトとしてTOP5入りとなれば1964年に8週間TOP5=3曲以上を記録したビートルズ以来です。この時は3/7から4/25までの連続8週間で、4/4付でTOP5すべて、3/28付が1-4位独占、3/14、3/21、4/25が1-3位独占、3/7、4/11、4/18がTOP5=3曲という状況でした。
第6位にはザ・ウィークエンドの「The Hills」(最高位1位)が入っています。これでザ・ウィークエンドの連続TOP10内チャートインが43週となって、この記録の歴代単独3位となりました。
1位 69週 ケイティ・ペリー (2011-11)
2位 48週 エース・オブ・ベース (1993-1994)
次のシングル「In The Night」が先週の37位から19位へ急上昇していますので、この記録まだまだ伸びそうです。
21位にはジョーダン・スミスの「Somebody To Love」が初登場しました。この曲のオリジナルはクイーンで77年最高位13位。その後ジョージ・マイケル&クイーン(93年30位)、グリー・キャスト(09年28位)と今回4回目の登場です。ジョーダン・スミスはこの時点では『The Voice Season 9』のファイナリスト5人のうちの1人でしたが、最終的には彼が優勝しました。テネシー州クリーヴランドにあるリー大学の学生で22歳。先々週までクリスチャン・ソングス・チャートで2週連続で彼が歌う「Great Is Thy Faithfullness」が1位でしたが、先週、彼の「Hallelujah」(オリジナルは1984年レナード・コーエン)が初登場1位となり、2003年6月にスタートしたこのチャートでは初めての、同一アーティストによる違う曲での連続1位を記録しました。
ストリーミングのおかげもあってハロウィンの時期にはマイケル・ジャクソンの「Thriller」が、そしてクリスマスの時期にはこの曲がHOT100に毎年帰ってきます。マライア・キャリーの「All I Want For Christmas Is You」が先週26位に再登場して今週は22位です。12/2のニュー・ヨークのロックフェラー・センターの毎年恒例のクリスマス・ツリー点灯式に出る予定でしたが、親権問題でニック・キャノンの弁護士との話し合いが長引き、出ることができず翌3日に出席してこの曲を歌っていました。また今週44位にはブレンダ・リーの「Rockin’ Around The Christmas Tree」(60年最高位14位)も再登場していました。こちらも定番ソングです。
http://item.rakuten.co.jp/americanpie/wb551788
HOT100では先週の56位から上がって今週は54位ですが、ブレイク・シェルトンの「Gonna」は今週カントリー・エアプレイ・チャートで1位になりました。この曲はアルバム『Bringing Back The Sunshine』からの4曲目のシングルですが、この4曲ともこのチャートで1位となりました。さらにまだ1位になる前に発売になったベスト盤『Reloaded: 20 #1 Hits』にも21曲目として収録されています。このアルバムはカントリー・エアプレイ・チャートでの20曲のNo.1+「Gonna」だったのですが、21曲のNo.1ヒットが収録されたアルバムになりましたね。このチャートでのNo.1獲得曲数では歴代単独5位となりました。チャートは1990年にスタートしています。
1位 27曲 Tim McGraw
2位 26曲 Alan Jackson, George Strait, Kenny Chesney
5位 21曲 Blake Shelton
6位 20曲 Brooks & Dunn, Toby Keith
さらにこの曲で16曲連続第1位を達成しました。これはすごい記録です。これに続く記録は5曲連続でルーク・ブライアン、4曲連続でジェイソン・アルディーン、ケニー・チェズニー、ブレット・エルドリッジとなっています。なお、この記録にはプロモーション・シングル、シーズナル・シングルは含まれていません。
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