12/31付
★最高位2位8週以上は10曲も
★TOP10内に2曲同時初登場
★テイラー・スウィフト、記録ずくめ
★ストリーミングの威力!アルバム収録曲全部初登場
★TOP10に5回も入ったタイトルとは?
★『The Voice』優勝はあの人の息子
★飛行機内で泥酔暴力男を取り押さえたのは?
★訃報:ジョージ・マイケル、デビー・レイノルズ
★アルバムチャートTOP5に同一アーティスト2枚登場
★カントリーではTOP10に4枚が同一アーティスト。過去には5枚同時も!
12/31付。今週のビルボード・シングル・チャートから。
今週の第1位はレイ・シュリマー・フィーチャリング・グッチ・メインの「Black Beatles」、6週連続第1位です。ストリーミングこそ6週連続第1位でしたが、デジタル・セールスは1位から3位へダウン、ラジオ・ソングスは8位変わらずでした。
第2位は通算8週目の第2位となったザ・ウィークエンドの「Starboy」です。デジタル・セールス5位、ストリーミング3位、ラジオ・ソングス4位とすべて先週の2位からダウンしました。最高位2位8週以上の曲はHOT100では10曲目です。以下の通りです。なお、この曲が1位になった場合、1位になる前に2位を8週間記録した曲は3曲目で8週間2位はその最長記録です。
ここでは最高位2位=8週以上の曲をご紹介します。カッコ内は初登場した年です。
10週:
* Work It / Missy “Misdemeanor” Elliott (2002)
* Waiting For A Girl Like You / Foreigner (1981)
9週:
* I Love You Always Forever / Donna Lewis (1996)
* You’re Still The One / Shania Twain (1998)
8週:
* If I Ever Fall In Love / Shai (1992)
* Nobody’s Supposed To Be Here / Deborah Cox (1998)
* Back At One / Brian McKnight (1999)
* I Don’t Wanna Know / Mario Winans Featuring P. Diddy & Enya (2004)
* Thinking Out Loud / Ed Sheeran (2014)
* Starboy / The Weekend (2016)
今週は6位と7位がともにいきなり初登場した曲が並びました。TOP10内初登場2曲以上は19回目で、そのうち3曲初登場がこれまで2回ありました。
まず、第6位に初登場したのが、「I Don’t Wanna Live Forever (Fifty Shades Darker)」、ゼイン/テイラー・スウィフトです。2015年公開の映画『Fifty Shades Of Grey』の続編『Fifty Shades Darker』からの曲です。映画は来年2/10全米公開になります。この曲でテイラー・スウィフトは13曲目のTOP10内初登場を記録。これはダントツの歴代1位曲数です。また20曲目のTOP10ヒットとなりました。TOP10=20曲はシカゴ、シュープリームスと並んで歴代14位タイです。さらにこの曲は188,000ダウンロードを記録してデジタル・セールスで初登場第1位でした。テイラーにとっては11曲目の第1位で、リアーナの14曲に次ぎ、ケイティ・ペリーと並んで歴代2位タイです。ラジオ・ソングスでは26位に初登場。
さらにテイラー・スウィフトはこの曲で70曲目のHOT100エントリーを果たしました。女性アーティストではアレサ・フランクリンの73曲に次いでニッキー・ミナージュと並んで歴代2位タイ。オール・アーティストでは歴代12位タイなんですが、それでは歴代11位の71曲のエントリーを記録しているアーティストは誰でしょう。テイラー・スウィフトもニッキー・ミナージュもあと1曲でこのアーティストに並びます。答はザ・ビートルズ。
続いて第7位に初登場したのがアルバム『4 Your Eyez Only』が今週初登場1位を記録したJ.コールの「Deja Vu」です。初のTOP10ヒットとなりました。それにしてもヒップホップ・アーティストのストリーミング攻撃はすさまじいですね。ドレイク、ザ・ウィークエンド、そしてJ.コール。アルバム収録曲10曲すべて1000万以上のストリーミングを記録してHOT100に10曲すべて初登場しました。さらにYouTubeにアップされているアルバム未収録曲も2曲HOT100に入っていて、今週J.コールは12曲同時にHOT100にエントリーしています。
ところで、「Deja Vu」というタイトルの曲、これでTOP10に3回目の登場です。カバーでも同名異曲でもいいので同じタイトルがTOP10に最も登場したのは「Without You」の5回でした。以下のアーティストがヒットさせました。カッコ内は最高位を付けた年と最高位です。
「Deja Vu」:
* Deja Vu / J. Cole (16/7)
* Deja Vu / Beyonce Featuring Jay Z (06/4)
* Deja Vu (Uptown Baby) / Lord Tariq & Peter Gunz (98/9)
「Without You」:
* David Guetta Featuring Usher (11/4)
* Mariah Carey (94/3)
* Motley Crue (90/8)
* Nilsson (72/1)
* Johnny Tillotson (61/7)
ちなみにTOP10に4回登場したタイトルは次の通りです。アーティストわかりますか?
「Angel」、「Cherish」、「Forever」、「Lady」、「My Love」、「Someday」。
http://item.rakuten.co.jp/americanpie/atl549782
今週の59位は先週の最高位53位からダウンしたブレット・エルドリッジの「Wanna Be That Song」です。アルバム『Illinois』からのサード・シングルで今週カントリー・エアプレイ・チャートで1位になりました。通算5曲目の第1位。アルバム『Illinois』はカントリー・アルバム・チャートで昨年の10/3付で初登場第1位。1年以上前のアルバムからまだ3曲目のシングルなんですね。ヒップホップのカットのスピードとは大違いです。1年で3曲。アルバムからのファースト・シングル「Lose My Mind」、セカンド・シングルの「Drunk Your Love」もカントリー・エアプレイ・チャートでそれぞれ第1位、第2位とヒットしました。ブレット・エルドリッジによりますと、この「Wanna Be That Song」が一番好きな曲で是非シングル・カットしてほしかったそうです。
NBC-TVの人気オーディション番組『The Voice』シーズン11が12/13に終わり、優勝者が決まりました。今回はテキサス州出身のサンダンス・ヘッドが優勝。チームはブレイク・シェルトンのチームでした。12/13のパフォーマンスで歌った「Darlin’ Don’t Go」が6万ダウンロードを記録してカントリー・ソングス・チャートで4位、HOT100では67位に初登場しました。サンダンス・ヘッドのオリジナル・ソングで彼の妻に捧げた曲とのことです。ステージでは他にエタ・ジェームスのヒットで知られる「At Last」を歌ってこちらもカントリーで11位、HOT100では89位に初登場しました。また「Treat Her Right」も歌ってカントリー・ソングス・チャートの24位に初登場しています。こちらはロイ・ヘッドの65年最高位2位の大ヒット曲。ちなみに、サンダンスさん、このロイさんの息子さんです。
12/20に大韓航空機内でちょっとした事件が発生しました。ベトナム・ハノイ発ソウル仁川空港行きの旅客機のビジネス・クラス内で、泥酔状態の韓国人の男が、隣に座っていた乗客に暴行を働いたり、女性客室乗務員をスタンガンで脅したり蹴ったりして暴れたそうです。それを他の乗客や乗務員がその男をロープで縛り付け取り押さえたそうなのですが、それに協力したのがベトナムでのコンサートを終えて韓国に向かっていたリチャード・マークス!ということでビルボードが発表したリチャード・マークスのオールタイムTOP10ヒットをご紹介します。
1. Right Here Waiting (89/1)
2. Hold On to the Nights (88/1)
3. Endless Summer Nights (88/2)
4. Satisfied (89/1)
5. Should’ve Known Better (87/3)
6. Don’t Mean Nothing (87/3)
7. Now and Forever (94/7)
8. Angelia (89/4)
9. Hazard (92/9)
10. Children of the Night (90/13)
http://item.rakuten.co.jp/americanpie/a20080310019
★訃報です。ジョージ・マイケルが12/25、イギリス・オックスフォードシャー州の自宅のベッドに横たわったまま亡くなっているのを発見されたとのことです。事件性はないとのことですが死因は心不全と発表されました。90年代初めに母親を亡くし、その数年後に長年の恋人をエイズ関連の病気で失ったことで12年間にわたって重いうつ病に苦しんでいたそうです。また最近は以前の面影もないほど激太りしていたとも報道されています。また一方で多くの慈善活動も明らかになっているようです。85年には「Careless Whisper」が第1位、「Wake Me Up Before You Go-Go」が第3位と年間HOT100のTOP3に2曲を送り込む大ヒットを記録。さらに、88年にはアルバム『Faith』、シングル「Faith」が同時に年間第1位となるなど80年代から90年代にかけて一世を風靡したスーパースターです。53歳。なんで...。ご冥福をお祈りします。まだアメリカで大ヒットする前に「Club Tropicana」を初めてTVで見た時からけっこうファンでした。HOT100チャートでのオールタイムTOP20は以下の通りです。
1. Faith / George Michael (87/1)
2. Careless Whisper / Wham! Featuring George Michael (85/1)
3. One More Try / George Michael (88/1)
4. Wake Me Up Before You Go-Go / Wham! (84/1)
5. Everything She Wants / Wham! (85/1)
6. Father Figure / George Michael (88/1)
7. I Knew You Were Waiting (For Me) / Aretha Franklin & George Michael (87/1)
8. Monkey / George Michael (88/1)
9. I Want Your Sex / George Michael (87/2)
10. Praying For Time / George Michael (90/1)
11. I’m Your Man / Wham! (86/3)
12. Freedom / Wham! (85/3)
13. Don’t Let the Sun Go Down On Me / George Michael/Elton John (92/1)
14. A Different Corner / George Michael (86/7)
15. Kissing a Fool / George Michael (88/5)
16. Freedom / George Michael (90/8)
17. Heaven Help Me / Deon Estus with George Michael (89/5)
18. The Edge of Heaven / Wham! (86/10)
19. Fastlove / George Michael (96/8)
20. Too Funky / George Michael (92/10)
★このメルマガを出そうとしたところ、もう1人訃報が舞い込んできました。デビー・レイノルズです。亡くなられた娘のキャリー・フィッシャーの葬儀の相談をしていた時に倒れ、娘が亡くなった翌日の12/28に亡くなってしまったとのことです。ショックだったのでしょうね。84歳でした。ご冥福をお祈りします。
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12/31付。今週のビルボード・アルバム・チャートから。
今週の第1位は初登場で、ドレイク『Views』、ビヨンセ『Lemonade』に続いて今年3番目のファースト・ウィーク・セールスを記録したJ.コールの『4 Your Eyez Only』です。492,000EAU、実売は363,000枚でした。本名ジャーメイン・ラマー・コール。1985年1月28日西ドイツ・フランクフルト生まれ。彼が生後まだ8ヶ月の時に家族でノース・カロライナ州ファイエットヴィルへ移住しました。10代半ばからラッパーとして活動し、23歳の時にジェイZが設立したレーベル、Roc Nation の第1弾アーティストとして契約しました。2011年にデビュー・アルバムをリリースしました。デビュー・アルバム『Cole World: The Sideline Story』は発売第1週に217,000枚のセールスを記録してデビュー・アルバムながら初登場第1位。2013年のセカンド・アルバム『Born Sinner』は297,000枚のセールスで連続初登場第1位。サード・アルバム『Forest Hills Drive』はさらにセールスが上がって354,000枚で初登場第1位。そして今回実売で363,000枚で初登場第1位と、デビューからスタジオ・アルバムが4枚連続初登場第1位、しかも発売第1週のセールスがアルバムを出す度に上がっています。このような発売第1週のセールスがデビュー・アルバムからスタジオ・アルバムを出す度に上がっていく例は珍しく、3枚連続で継続中なのがアデルとブルーノ・マーズ。5枚連続で継続中なのがテイラー・スウィフトとなっています。
アルバムチャートは実売のセールスに加えて収録曲のダウンロードやストリーミング回数も加味してランキングされています。EAUは換算枚数をあらわしています。
今週のTOP10内初登場はあと1枚あります。
第6位に初登場したのが、1995年7月4日ニュー・ヨーク州シラキュース生まれの21歳、ポスト・マローンです。今年の初めにはジャスティン・ビーバーの『Purpose World Tour』でオープニング・アクトを務めました。今回の『Stoney』はデビュー・アルバムです。58,000EAUのセールスですが、実売はわずか19,000枚。それでも第6位に入ったのは1週間でのアルバム・トラックスの合計ストリーミング数が5170万ストリームスを記録したためです。これがアルバム・セールスで34,000枚に換算されて第6位での初登場となりました。
他には第2位にペンタトニックスの今年のクリスマス・アルバム『A Pentatonix Christmas』が3位から再び2位に上昇して最高位を付けています。また5位には8位からアップして一昨年のペンタトニックスのクリスマス・アルバム『That’s Christmas To Me』が入りました。こちらも最高位は第2位です。TOP5に同じアーティストのアルバムが2枚!これは今年プリンスやデヴィッド・ボウイ、2012年にはホイットニー・ヒューストンが亡くなった後の週で記録しました。亡くなった後の週で記録した例を除くと、2012年3月3日付でアデルが記録しています。この時はグラミー賞で『21』が受賞してこちらが1位、そしてその前のアルバム『19』が9位から4位にアップしてTOP5に同時に2枚入りました。
今週の13位にはガース・ブルックスの『The Ultimate Collection』が初登場です。カントリー・アルバム・チャートでは第1位に初登場しました。このアルバムって、たしか4週間前に13万枚以上も売ったのにチャートに入れなかったあのアルバムです。あれから4週間たっての初登場。どうしたのでしょう。ビルボードのエントリー・ルールのためです。このアルバムは10枚組のボックス・セットです。ビルボード・アルバム・チャートではCD1枚当たり3ドル49セント以下の価格の場合、発売から4週間はチャートインできないというルールがあります。そのためこのボックス・セットは35ドル以上の価格でしたらチャートに入ったのですが、価格は29ドル99セント。ちなみにターゲット限定発売です。一般の小売店では発売していません。発売4週間はチャートインできませんでしたが、今週は5週目にあたるためチャートに入ったということなんです。それにしても発売5週目でカントリーでは1位ですか。ボックス・セットにもかかわらず。今週は37,000枚のセールスだそうです。これまでに326,000セット売れているようです。ガース・ブルックスとしてはカントリー・アルバム・チャートで16枚目の第1位。1位獲得枚数ではマール・ハガード、ウィリー・ネルソンと並んで歴代2位タイです。1位はジョージ・ストレイトで26枚。ちなみに歴代5位になる15枚はティム・マックグロウでした。
それにしても今週のカントリー・アルバム・チャートは1位がこのボックス・セットで2位に奥さんトリーシャ・イヤウッドとの『Christmas Together』、8位に『Christmas Together/Gunslinger』。このアルバムはウォルマート限定で2枚のアルバムをセットで安く売っているものです。そして10位にニュー・アルバムの『Gunslinger』が入っています。TOP10に4枚同時エントリー。といってもボックス・セットにも『Gunslinger』が1枚入っていますし...。ともあれ、カントリー・アルバム・チャートTOP10に同一アーティストが4枚同時は珍しいです。しかもガース・ブルックスは史上唯一の2度目の記録。前回は1993年1月16日付でした。
1位 The Chase
6位 No Fences
8位 Beyond The Season
9位 Ropin’ The Wind
この時は被っていませんね。カントリー・アルバム・チャートのビルボード記録は同一アーティストでTOP10に5枚同時チャートインだそうです。以下のとおりです。
エルヴィス・プレスリー:1977年10月15日付
1位 Moody Blue
5位 Pure Gold
6位 Welcome To My World
8位 Legendary Performer, Vol. 1
10位 How Great Thou Art
エルヴィスはこの年の8/16に亡くなっています。もう1人はこちら。
グレン・キャンベル:1968年10月19日付
1位 Gentle On My Mind
2位 Bobbie Gentry & Glen Campbell
4位 By the Time I Get to Phoenix
5位 A New Place in the Sun
8位 Hey, Little One