3/29 最新全米ヒットチャート解説 / 佐藤直人の今週の洋楽この1曲!(第46回)

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3/29付。今週の全米アルバムチャートから。

 

 

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今週の第1位はサウンドトラック『Frozen』(『アナと雪の女王』)です。セールスは99,000枚で先週(3位)よりセールスが下がりましたが、6週目の1位となりました。サウンドトラックとしては、1998年の『Titanic』(16週1位)以来の1位週数となりました。サウンドトラックの1位週数記録は、全アルバムでも歴代1位の54週間第1位を記録した『West Side Story』(62-63年)です。

 

 

 

今週はTOP10内に5枚初登場しました。

 

 

第2位がルーク・ブライアンのEPシリーズ『Spring Break 6 …Like We Ain’t Ever』。このシリーズはダウンロードのみの発売なんですが、2009年にリリースされたこのシリーズから4枚を1枚にまとめたアルバム『Spring Break…Here To Part』が昨年CDでも発売されて、カントリー、ポップのアルバム・チャートで1位を記録しました。

 

 

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第4位はアロー・ブラックの『Lift Your Spirit』。アヴィーチーの「Wake Me Up!」のヴォーカルで一躍有名になりました。フル・アルバムとしては3枚目ですが、2006年のデビュー・アルバム『Shine Through』、2010年の『Good Things』ともチャートには入りませんでした。

 

 
第6位に初登場したのがベテラン・ロック・グループ、311の『Stereolithic』です。97年の『Transistor』からライヴ・アルバムを除いてこのアルバムまで9枚連続でTOP10内に初登場しています。「311」とは警察の犯罪コードで“公然わいせつ罪”のことです。

 

 
第7位にはヤング・マネーのセカンド・アルバム『Rise Of An Empire』、第9位にはデビューから4枚連続TOP10入りとなったサラ・エヴァンスの『Slow Me Down』が初登場しました。

 
今週20位にランキングされているのが、エミネムの『The Marshall Mathers LP 2』ですが、今週のセールスを加えて200万枚を突破しました。エミネムはデビュー・アルバム『The Slim Shady LP』が最高位2位でしたが、この後のアルバムが7枚連続で1位を記録しています。そしてこのすべてのアルバムが200万枚以上のセールスを記録しているのです。さらに1000万枚を記録しているアルバムがこの中に2枚(『The Marshall Mathers LP』(1080万枚)、『The Eminem Show』(1030万枚))あり、1000万枚以上を2枚記録しているアーティストは、1991年5月からスタートしたサウンドスキャン集計期間内では、あとバックストリート・ボーイズのみとのことでした。また、この期間内のアーティスト別総売上では、第6位に浮上しました。上位7組は以下のとおりです。

 

 

1位 6952万枚 ガース・ブルックス
2位 6555万枚 ザ・ビートルズ
3位 5426万枚 メタリカ
4位 5424万枚 マライア・キャリー
5位 5221万枚 セリーヌ・ディオン
6位 4491万枚 エミネム
7位 4489万枚 ジョージ・ストレイト

 

 

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3/29付。今週の全米シングルチャートから。

 

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今週も第1位はファーレル・ウィリアムスの「Happy」です。4週連続第1位。エアプレイでは週間推定視聴者数が2億1000万人。週間視聴者数が2億人を超えたのは史上3曲目です。

 

1位 2億2900万人 Blurred Lines / Robin Thicke featuring Pharrell Williams and T.I. (2013/7/20)
2位 2億1200万人 We Belong Together / Mariah Carey (2005/5/28)
3位 2億1000万人 Happy / Pharrell Williams (2014/3/29)

 

 

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今週の第9位は、なんと初登場でフランス人の女性シンガー、ソコの「We Might Be Dead By Tomorrow」。この曲を収録しているアルバム『I Thought I Was an Alien』は2012年の発売です。ではなんで今ごろ?それもいきなり9位に?

 

 
答はストリーミング。なんと1週間で1150万ストリームスを記録してストリーミング・ソングス・チャート初登場1位。エアプレイはありませんが、約1万ダウンロードを加えてHOT100で9位に初登場しました。つまりチャートポイントの99%がストリーミングによるものなんです。どんなビデオだったんでしょう。

 

 
ロス・アンゼルスの女性ファッション・ブランドWRENSのビデオがリリースされたんですが、これが20人の見知らぬ男女を集めてカップルを作って“ファースト・キス”をするというビデオなんです。このバックにかかっていたのがこの曲で、このビデオが大いに受けて繰り返し視聴されたため、TOP10内での初登場となりました。このパターン多いですね。ストリーミングでいきなり上位に初登場するパターンでは、この曲のように、この曲じゃなくても違う曲でもその曲が上位に登場したんじゃないかというパターンと、バウアーのようにその曲をもとに製作されたビデオが受けて登場するパターンです。エンヤは前者、ボン・ジョヴィは後者です。

 
HOT100デビュー曲がいきなりTOP10に初登場したのは昨年4月13日付で10位に初登場したアリアナ・グランデの「The Way」以来です。

 
22位にアヴィーチーの「Hey Brother」がランキングされています。このヴォーカルがブルーグラスのグループのアリソン・クラウスとユニオン・ステーションに94年から参加しているダン・ティミンスキーです。ソロ・アルバムも2枚出していて、2008年に発売した『W*H*E*E*L*S』はブルーグラス・アルバム・チャートで1位になりました。この曲はダンス/エレクトロニック・チャートですでに1位を獲得しているのですが、彼のヴォーカルということでカントリー・ステーションでもかかり始めているとのことです。

 
今週86位に初登場したのがファンのネイト・ルイスをフィーチャリングしたエミネムの「Headlights」。これでエミネムはHOT100登場50曲目となりました。ラッパーでのHOT100登場曲数では、1位がリル・ウェインの121曲。これは男性ソロ・アーティストでも歴代1位です。2位が82曲のジェイZ、3位が69曲でドレイク、4位が61曲でカニエ・ウエスト、5位が54曲でリュダクリス、6位が51曲でT.I.。エミネムは第7位です。ちなみに1位獲得曲数では、ラッパーではディディ、リュダクリスと並んで5曲で歴代1位タイとなっています。

 
今週の「Radioactive」。HOT100登場週数更新中のイマジン・ドラゴンズのこの曲は今週もチャートインして記録を更新しました。今週は33位。81週目のチャートインです。しかし、先週45位だったエイウォルネイションの「Sail」は今週消えました。チャートイン週数79週は歴代2位です。

 

 

 

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佐藤直人の今週の洋楽この1曲!(第46回)

 
私が独断と偏見で毎週1曲ずつご紹介します。

 

 

今回は、昔、チャート本を見ていて、このグループ、すごいって感じたアーティストです。

 
20代から30代のころは、チャートの本を見て、ヒット曲の多いアーティストのベスト盤を積極的に買って聴いていました。ほとんどそのLPやCDで初めて聴く曲です。とりあえず1曲でもまだ聴いたことがない昔のヒット曲を聴きたかったからです。

 
中でもすごい人気と感じたのは、アルバム・チャートでスタジオ・アルバムがデビューから5枚連続第1位。デビュー・アルバムこそ1週間の1位でしたが、セカンド・アルバムが15週、3枚目が8週、4枚目が12週、5枚目が10週1位と1958年から1960年はすごい人気でした。

 
キングストン・トリオです。

 

 

シングルではデビュー曲「Tom Dooley」がNo.1。ディズニーランドのウエスタン・ランドでかかっているような曲です。

 
この曲は南北戦争時代に元南軍の兵士トム・ドゥーリが恋人を刺殺したとされる事件で、トムが1868年に処刑された後に、詩人のトーマス・C.ランドがこの悲劇を歌にしたものでした。

 
55年のビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツの「ロック・アラウンド・ザ・クロック」の大ヒットからロックの時代が始まっている中でのフォーク・ソング。彼らの人気が上がるとともに、フォーク時代も幕開けして、その後のピーター、ポール&マリーやボブ・ディラン、ジョン・デンヴァーの活躍につながっていきます。

 

 

1959年の年間チャートでみると、ライブ・アルバム『From The Hungry I』(59年2位)が年間4位、セカンド・アルバム『The Kingston Trio At Large』(59年1位)が5位、デビュー・アルバム『Kingston Trio』(58年1位)が年間13位に入りました。

 
60年はもっとすごくて、サード・アルバム『Here We Go Again』(59年1位)が年間5位、4枚目のスタジオ・アルバム『Sold Out』(60年1位)が6位、5枚目の『String Along』(60年1位)が11位、『From The Hungry I』が16位、『The Kingston Trio At Large』が20位、『Kingston Trio』が27位とTOP30に6枚も入りました。この年、TOP30で複数のアルバムを年間チャートに送り込んだのはジョニー・マティスが7位(『Heavenly』)と24位(『Johnny’s Greatset Hits』)に入ったのみです。

 

これだけで聴かなきゃいけないって思っちゃうんですね。

 

 

ということで「佐藤直人の今週の洋楽この1曲!」は、キングストン・トリオ「Tom Dooley」です。

 

 

こちらに収録されています。

 

VA / 僕たちの洋楽ヒット モア・デラックス Vol. 1 (1955-1963)

 

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おすすめのベスト盤はこちらです。

 

 

Kingston Trio / Essential Kingston Trio

 

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