6/28 最新全米ヒットチャート解説 / 佐藤直人の今週の洋楽この1曲!(第53回)

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6/28付。今週の全米アルバムチャートから。

 

 

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今週の第1位は地味な記録を作ったジャック・ホワイトの『Lazaretto』です。ジャック・ホワイトのレーベル、Third Man Records からのリリースで、ジャック・ホワイトとしては2枚目のNo.1アルバムとなりました。138,000枚のセールス。何が地味な記録かというと、このアルバムのセールスはダウンロードで約4割を占めているのですが、残りの41,000枚がCDでの売り上げ、そしてさらに4万枚がなんとアナログのLPでのセールスだったんです。

 

 
発売第1週でのアナログLPの最多セールスはこれまでは1994年のパール・ジャム『Vitalogy』が記録した34,000枚でした。もちろん、1991年5月からの今のサウンドスキャン集計になってからの記録です。

 

 

今週のTOP10内初登場はこの1枚だけ。

 

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先週1位のミランダ・ランバート『Platinum』が2位、カントリーの人気オムニバス・シリーズ『NOW That’s What I Call Country: Volume 7』が先週初登場した11位から今週は10位にアップしています。

 
『アナと雪の女王』のサウンドトラック『Frozen』は今週3位ですが、サウンドトラック・アルバム・チャートでは昨年12月14日初登場以来29週連続1位となっています。通算売り上げは300万枚を突破しました。

 

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TOP10外ですが、12位に初登場したのがパッセンジャーの5枚目のアルバム『Whispers』です。「Let Her Go」の大ヒットで前作『All The Little Lights』は最高位26位を記録しました。このアルバムが初チャートイン・アルバムでした。今回はそれを上回る12位です。ご存じの方も多いと思いますが、パッセンジャーは1984年5月17日イギリス、ブライトン・アンド・ホーヴ生まれの30歳。本名マイケル・ローゼンバーグという男性ソロ・シンガーです。「Let Her Go」は、受賞はなりませんでしたが、UKの音楽賞である『2014ブリット・アワード』で“British Single Of The Year”にノミネートされました。HOT100では最高位5位を記録しています。

 

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さて、すでに日本でも予約が始まったビートルズのアナログLPボックスセット『The Beatles Mono Box』。アメリカでは9/9発売です。14枚組LP+108ページのLPサイズ・ブックレットのボックスセットで1963年の『Please Please Me』から1968年の『The Beatles』(2枚組)までの9タイトルとアメリカ編集の『Magical Mystery Tour』、それにアルバム未収録曲を集めた3枚組LP『Mono Masters』が入っています。日本盤は完全限定生産で7/31までに注文すれば確実に入手できるようです。

 

 

 

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6/28付。今週の全米シングルチャートから。

 

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今週の第1位は、4週連続第1位となったイギー・アザリア・フィーチャリング・チャーリーXCXの「Fancy」です。そして4週連続、通算5週目の2位なのがアリアナ・グランデ・フィーチャリング・イギー・アザリアの「Problem」です。この2曲どこまで1位2位を独占するでしょうか。1位と2位の逆転は?

 
「Fancy」は今週エアプレイ・チャートで2位から1位に上がりました。このチャートでの女性ラッパー参加曲の1位は5曲目だそうで、以下のとおりです。

 
Lady Marmalade / Christina Aguilera, Lil Kim, Mya And Pink (2001)
Let Me Blow Ya Mind / Eve Featuring Gwen Stefani (2001)
Magic Stick / Lil Kim Featuring 50 Cent (2003)
Stand Up / Ludacrisw Featuring Shawnna (2003)
Fancy / Iggy Azalea Featuring Charli XCX (2014)

 
「Fancy」はストリーミング・ソングスでは5週目、デジタル・セールスは4週目の1位です。

 
サウンドトラック『The Fault In Our Stars』は今週ビルボード200で最高位5位を記録しましたが、ここからのシングルで、チャーリーXCXのソロ・デビュー曲となった「Boom Clap」が好調です。先週62位に初登場して今週一気に29位に上がってきました。デジタル・セールスが好調で16位から9位へアップしています。ちなみにXCXは顔文字だそうです。

 
第3位にはカナダのレゲエ4人組、MAGIC!の「Rude」が7位から上がってきました。アルバム『Don’t Kill The Magic』は7/1発売です。これまでのレゲエ・ヒットでTOP10に入ったのは...いくつかご紹介します。

 

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Johnny Nash / I Can See Clearly Now (72/1)
Eric Clapton / I Shot the Sheriff (74/1)
Musical Youth / Pass the Dutchie (83/10)
UB40 / Red Red Wine (88/1)
UB40 / Can’t Help Falling in Love (93/1)
Maxi Priest / Close to You (90/1)
Snow / Informer (93/1)
Inner Circle / Bad Boys (93/8)
Big Mountain / Baby, I Love Your Way (94/6)
Ini Kamoze / Here Comes the Hotstepper (94/1)
Shaggy / It Wasn’t Me (01/1)
Shaggy / Angel (01/1)
Shaggy / Boombastic/Summer Time (95/3)
Sean Paul / Get Busy (03/1)
Sean Paul / Temperature (06/1)
Sean Paul / Gimme The Light (02/7)
Sean Paul / We Be BUrnin’ (05/6)
Sean Paul / (When You Gonna) Give It Up To Me (06/3)

 
レゲエ風も含めたらブロンディの「The Tide Is High」など結構ありそうです。

 

 

TOP10にはノルウェー出身のニコ&ヴィンズ「Am I Wrong」が7位上昇中で、1位がオーストラリア出身のイギー・アザリアとアメリカ、UK以外のアーティストの活躍も目立っていますが、日本はありませんねえ。そして26位に初登場したのが韓国出身のPSYです。PSY・フィーチャリング・スヌープ・ドッグの「Hangover」。全世界で大ヒットした「Gangnam Style」はYouTubeでの再生回数が20億を突破したとか。まだストリーミングがHOT100の集計対象じゃなかった時代で7週連続第2位を記録しました。今回はチャートポイントの90%がストリーミングによるものだそうです。

 

 

53位から40位にアップしたのがエンリケ・イグレシアスの「Bailando」。アメリカで7/7夜8時スタートのスペイン語ドラマ『Reina de Corazons』(Queen Of Hearts)のテーマソングに決まったそうです。ラテン・ソングス・チャートでは6週連続第1位。このチャートで通算25曲の第1位は歴代2位のルイス・ミゲルを9曲も引き離すダントツの1位獲得曲数です。

 
ワールド・カップでは日本は残念な結果に終わりましたが、チャートではこれから盛り上がるかもしれません。

 

まず、シャキーラ。登場4週目で今週83位から53位にアップして最高位を更新したのが「Dare (La La La)」。アルバム『Shakira.』に入っていますが、ワールド・カップ用のリミックス・バージョンが好調です。こちらは歌詞もワールド・カップ・バージョンに直され、ブラジル人シンガーのカルリーニョス・ブラウンがフィーチャリングされています。ラテン・エアプレイ・チャートでは32位から一気に5位にアップしました。HOT100のチャートはオリジナルとリミックス両方のポイントが合算されていますが、今週はセールスの74%がリミックスの「La La La (Brazil 2014)」だったそうです。

 
もう1曲がワールド・カップ・オープニング・セレモニーに登場したピットブル・フィーチャリング・ジェニファー・ロペス&クラウディア・レイチの「We Are One (Ole Ola) [The 2014 FIFA World Cup Official Song]」です。クラウディア・レイチもブラジル人シンガーです。こちらはストリーミングで38位から8位へアップしました。

 

 

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佐藤直人の今週の洋楽この1曲!(第53回)

 
私が独断と偏見で毎週1曲ずつご紹介します。

 

 

学生の頃、オープンリールのデッキが欲しくて、妹に誘われて妹の知り合いが働いていた赤坂・一ツ木通りのダンキン・ドーナツでアルバイトをしていました。今はもうないですね。1年半ぐらいやったかな。特に深夜(夜9時から朝9時まで)のアルバイトが中心でこれは結構楽しかったです。

 
大体決まった時間に決まった人たちがきて、すぐにお互いに顔なじみになりました。タクシーの運転手さんたち、クラブのお姉さん、すし屋の大将、近くにあった「ビブロス」や「ムゲン」の常連のお客さんたち、朝になると山脇学園の女の子たち。結構山脇の短大生がダンキンでバイトしていたので、その友達が朝寄ってくれました。そんな人たちの中に、クラブでピアノを弾いている先生がいらっしゃった。

 
赤坂のダンキンでは、会社から渡されるテープを店内で流しているんですが、つまらないので自分で編集した当時の全米ヒット曲を一晩中流していました。これもけっこう評判が良くて、特にそのピアノの先生には「今日のこの曲、いいねえ、何ていうの?これ、今度弾いちゃおう。」なんて話しかけてくれました。「ニール・セダカと娘のダラ・セダカのデュエットの「Should’ve Never Let You Go」ですよ。」なんて。

 
その先生が「今度、店に来なよ」って誘ってくれて、一度深夜じゃなくて夜9時までのバイトの時に、終わってから近くのクラブへ行っちゃいました。お代はいいって言われたけど、結構高い店じゃなかったのかな。

 
そこでその先生が弾いていたのが「Antonio’s Song」。一度聴いただけで、いつも聴いている全米TOP40ヒットとは違う雰囲気に魅せられてしまいました。

 
その後、随分年月がたってからこのアーティストのCDをたくさん買いました。

 
マイケル・フランクスです。

 
1944年生まれ。AORシンガーともいわれますが、アルバムに参加しているアーティストはジャズ・フュージョンを代表するアーティストばかりです。

 
1977年にリリースされた「Antonio’s Song」はボサノバ調の曲でアントニオ・カルロス・ジョビンに捧げられた曲です。まさにこれをピアノで弾けたらいいなあという曲でした。夜聴くのにぴったりです。

 
参加したミュージシャンはジョー・サンプル(ピアノ)、ウィルトン・フェルダー(ベース)、ラリー・カールトン(ギター)、ジョン・ゲリン(ドラムス)、レイ・アーマンド(パーカッション)、そしてアルト・サックスのソロはデヴィッド・サンボーンです。

 
この曲を聴く度にピンクの制服を着てダンキンでバイトした頃の自分や、あの先生を思い出します。あのヒゲの先生、今どうしているかな。

 
ということで「佐藤直人の今週の洋楽この1曲!」は、マイケル・フランクスの「Antonio’s Song」です。

 
こちらに収録されています。

 

Michael Franks / Sleeping Gypsy

 

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