★「Panda」がストリーミング4000万超!史上4曲目
★「!」がついたNo.1ソング11曲
★ダスティン・リンチ、1枚のアルバムから2年で3曲目の第1位
★スティーヴィー・ニックス、セリーヌ・ディオンのオールタイムTOP10ソング
★2016ビルボード・ミュージック・アワード結果
★ドレイク、3週連続でアルバム・ストリーミング・セールス記録更新
★ピアス・ザ・ヴェイル、2枚連続でロック3部門すべてで第1位
★遂に!CD発売もダウンロードも予定なし、ストリーミングだけでTOP10入り
★ノルウェーからリラクゼーションEDMカイゴ登場
★アメリカーナ・ミュージックの台頭
6/4付。今週のビルボード・シングル・チャートから。
今週の第1位は先週2位に下りながらも赤丸を付けていたドレイク・フィーチャリング・ウィズキッド&カイラの「One Dance」です。返り咲きで2週目の第1位となりました。部門別にみてみると、デジタル・セールスで2位変わらず、ストリーミングも2位変わらず、ラジオ・ソングスは5位から2位とすべての部門で2位でしたが、合計のポイントで第1位赤丸付となっております。
第2位はこれも先週2位から3位に下りながらも赤丸が付いていたデザイナーの「Panda」です。デジタル・セールスは3位変わらず、ラジオ・ソングスは14位から12位ですが、ストリーミングで5週目の第1位です。今週は4010万ストリームスと4000万を超えました。週間ストリーミング数で4000万を超えたのは4曲目です。以下のとおりです。
1億300万ストリームス Baauer / Harlem Shake (2013)
6160万ストリームス Adele / Hello (2015)
4650万ストリームス Rihanna / Work (2016)
4010万ストリームス Desiigner / Panda (2016)
第3位は先週の初登場1位から3位にダウン。でも赤丸付のジャスティン・ティンバーレイク「Can’t Stop The Feeling!」です。デジタル・セールスで2週連続第1位。ラジオ・ソングスで9位から4位。ストリーミングは6位から7位でした。11月4日に全米で公開になるドリームワークスのアニメ映画『Trolls』からのヒットです。この映画の音楽監督もジャスティン・ティバーレイクだそうです。ジャスティン・ティンバーレイクが所属するレーベルRCAによるとジャスティンのニュー・アルバムは来年発売予定とのことでした。「!」が曲名に入っているNo.1をソングをご紹介します。11曲あります。
Hey! Baby / Bruce Channel (1962)
There! I’ve Said It Again / Bobby Vinton (1964)
Hello, Dolly! / Louis Armstrong (1964)
Stop! In the Name of Love / Supremes (1965)
Help! / Beatles (1965)
Turn! Turn! Turn! (To Everything There Is a Season) / Byrds (1965)
Hey Ya! / OutKast (2003)
Yeah! / Usher Feat. Lil Jon & Ludacris (2004)
Run It! / Chris Brown (2005)
Uptown Funk! / Mark Ronson Feat. Bruno Mars (2015)
Can’t Stop the Feeling! / Justin Timberlake (2016)
アウトキャストは38年ぶりのNo.1「!」ソングだったのですね。ビルボードにはNo.1ソングで「!」がアーティスト名に入っているアーティストも紹介しておりました。Wham!、P!nk、MAGIC! の3組です。
今週カントリー・エアプレイチャートで1位になったのがダスティン・リンチの「Mind Reader」です。HOT100では58位から最高位57位に上がりました。この曲はアルバム『Where It’s At』から3曲目のシングルなんですが、この3曲ともカントリー・エアプレイチャートで1位を記録しました。最初の「Where It’s At (Yep, Yep)」が1位になったのが2014年の9月27日。セカンド・シングル「Hell Of A Night」が1位になったのがその約1年後の2015年9月19日。そしてそれからおよそ9ヵ月後にサード・シングルが登場から34週かけて1位と、昨今一度に多くの曲が同時にチャートインしてそのほとんどがすぐにチャートから消えるこのご時世で、ゆっくりゆっくり上がって頂点を極める。カントリー・ファンには記憶に残る3曲だと思います。
ビルボードではたまにアーティストのオールタイムTOP10シングルを発表しているのですが、今週は5/26に68歳になった記念でスティーヴィー・ニックスのオールタイムTOP10ヒットが出ていたのでご紹介します。フリートウッドマック時代で彼女がリード・ヴォーカルをとった曲やコラボも含まれてのTOP10です。
1. Stop Draggin’ My Heart Around (with Tom Petty and the Heartbreakers) (81年最高位3位)
2. Dreams (Fleetwood Mac) (77/1)
3. Leather and Lace (with Don Henley) (82/6)
4. Talk to Me (86/4)
5. Stand Back (83/5)
6. Sara (Fleetwood Mac) (80/7)
7. Rhiannon (Fleetwood Mac) (76/11)
8. Edge of Seventeen (82/11)
9. I Can’t Wait (86/16)
10. Rooms On Fire (89/16)
5/22にラス・ヴェガス・Tモバイル・アリーナで44部門の授賞式が行われた2016ビルボード・ミュージック・アワードの結果をご紹介します。ABC系列で全米生中継され、司会は3年連続のリュダクリスと初司会のシアラでした。
Top Artist: Adele
Billboard Chart Achievement Award (Fan-Voted): Rihanna
Top Male Artist: Justin Bieber
Top Female Artist: Adele
Top Duo/Group: One Direction
Top New Artist: Fetty Wap
Top Billboard 200 Artist: Adele
Top Hot 100 Artist: The Weeknd
Top Song Sales Artist: The Weeknd
Top Radio Songs Artist: The Weeknd
Top Streaming Songs Artist: The Weeknd
Top Social Media Artist: Justin Bieber
Top Touring Artist: Taylor Swift
Top R&B Artist: The Weeknd
Top Rap Artist: Drake
Top Country Artist: Luke Bryan
Top Rock Artist: twenty one pilots
Top Latin Artist: Romeo Santos
Top Dance/Electronic Artist: David Guetta
Top Christian Artist: Hillsong United
Top Gospel Artist: Kirk Franklin
Top Billboard 200 Album: Adele / 25
Top R&B Album: The Weeknd / Beauty Behind the Madness
Top Rap Album: Meek Mill / Dreams Worth More Than Money
Top Country Album: Chris Stapleton / Traveller
Top Rock Album: twenty one pilots / Blurryface
Top Latin Album: Juan Gabriel / Los Duo
Top Dance/Electronic Album: Zedd / True Colors
Top Christian Album: Lauren Daigle / How Can It Be
Top Gospel Album: Kirk Franklin / Losing My Religion
Top Soundtrack: Pitch Perfect 2
Top Hot 100 Song: Wiz Khalifa Feat. Charlie Puth / See You Again
Top Selling Song: Adele / Hello
Top Radio Song: Walk the Moon / Shut Up and Dance
Top Streaming Song (Audio): The Weeknd / The Hills
Top Streaming Song (Video): Silento / Watch Me
Top R&B Song: The Weeknd / The Hills
Top Rap Song: Wiz Khalifa Feat. Charlie Puth / See You Again
Top Rock Song: Walk the Moon / Shut Up And Dance
Top Country Song: Thomas Rhett / Die A Happy Man
Top Latin Song: Nicky Jam & Enrique Iglesias / El Perdon
Top Dance/Electronic Song: Major Lazer & DJ Snake Featuring MO / Lean On
Top Christian Song: Hillsong UNITED / Oceans (Where Feet May Fail)
Top Gospel Song: Kirk Franklin / Wanna Be Happy
Billboard Millennium Award: Britney Spears
Billboard ICON Award: Celine Dion
“Millennium Award”は2011年ビヨンセ、2012年ホイットニー・ヒューストン以来となる3人目の受賞。”ICON Award”は2011年ニール・ダイアモンド、2012年スティーヴィー・ワンダー、2013年プリンス、2014年ジェニファー・ロペスが受賞しています。
ここでセリーヌ・ディオンのオールタイムTOP10ヒットを。
1. Because You Loved Me (96/1)
2. It’s All Coming Back to Me Now (96/2)
3. The Power of Love (94/1)
4. I’m Your Angel (with R. Kelly) (98/1)
5. Where Does My Heart Beat Now (91/4)
6. My Heart Will Go On (98/1)
7. That’s the Way It Is (00/6)
8. If You Asked Me To (92/4)
9. All by Myself (97/4)
10. Beauty and the Beast (with Peabo Bryson) (92/9)
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6/4付。今週のビルボード・アルバム・チャートから。
今週の第1位もドレイクの『Views』。初登場から3週連続第1位です。239,000EAUですが収録曲のストリーミングが非常に多く、それがセールスとして換算されているのでチャートでは1位になっています。実売のアルバム・セールスは83,000枚で、実売だけですとビヨンセ『Lemonade』、メーガン・トレイナー『Thank You』に次いで第3位なんです。その週間トラック・ストリーミングですが、今週は先週からさらに32%もアップして1億8610万ストリームスとなりました。これまでアップル・ミュージックでしかストリーミングできませんでしたが、これが5/13から他のサイトでもできるようになったためです。また、週間ストリーミング記録というのがあるのですが、発売後1週目から3週目まではこのアルバムが歴代1位となっています。以下の通りです。
発売第1週 2億4510万ストリームス Drake / Views (2016/5/21)
発売第2週 1億4080万ストリームス Drake / Views (2016/5/28)
発売第3週 1億8610万ストリームス Drake / Views (2016/6/4)
発売第4週 1億1520万ストリームス Beyonce / Lemonade (2016/6/4)
発売第5週 1億0040万ストリームス Justin Bieber / Purpose (2016/1/2)
今後第4週以降も『Views』が塗り替えちゃうんでしょうか。
アルバムチャートは実売のセールスに加えて収録曲のダウンロードやストリーミング回数も加味してランキングされています。EAUは換算枚数をあらわしています。
今週のTOP10内初登場は4枚です。
第3位に初登場したのが、メーガン・トレイナーのセカンド・アルバム『Thank You』です。107,000EAU(実売84,000枚)のセールスでした。
第4位がサン・ディエゴ出身の4人組ロック・バンド、ピアス・ザ・ヴェイルの4枚目のアルバム『Misadventures』です。ヴィックとマイク・フェンテス兄弟は高校の時からバンド活動を始め、98年に4人組のバンドを結成します。このバンドは解散しますが、再び兄弟で2006年にピアス・ザ・ヴェイルの名前でファースト・アルバム『A Celebration Of An Ending』を製作。ツアー・メンバーを募って再び4人組となり、現在に至っています。2010年のセカンド・アルバム『Selfish Machines』発表後はアメリカやヨーロッパ、日本でも演奏しています。2012年に発表された3枚目のアルバム『Collide With The Sky』はロック・アルバム、オルタナティヴ・アルバム、ハード・ロック・アルバムの3部門で1位になりビルボード200でも最高位12位を記録しました。彼らは精力的にツアーを行い、全米、ヨーロッパはもとより、南米や東南アジアでもコンサートを開きました。今回のアルバムもロック3部門のチャートで1位を記録しています。今後も期待されるロック・バンドです。
今週は歴史的な週になったかもしれません。ドレイクがストリーミングの力で1位をキープしていることに象徴されるように、今やストリーミングなしではチャートは成り立ちません。全米のストリーミングの集計によると2014年は1645億ストリームスだったのが昨年は3172億ストリームスと93%もアップしました。これがビルボードのアルバム・セールスに換算すると全体の15.2%(2億1150万枚相当)までになっています。
このような中で、今週第8位に初登場したのが、チャンス・ザ・ラッパーの4枚目のアルバム『Coloring Book』です。このアルバムはストリーミング・オンリーで今後CD発売もダウンロードでの発売もありません。遂にストリーミングだけでアルバムが発売され、TOP10に入るという時代になりました。もちろんビルボードのアルバム・チャートの歴史で初めての出来事です。週間ストリーミング数は実に5730万ストリームスで、アルバム・セールスに換算すると38、000枚ということです。このアルバムも5/27まではアップル・ミュージックのみでのリリースで、その後他のサイトでもリリースされるようです。
もう1枚今週はTOP10に初登場がありました。第10位に初登場したのが、ジェニファー・ネトルズのセカンド・アルバム『Playing With Fire』です。プロデューサーはダン・ハフ。カントリー・アルバム・チャートでは2位に初登場しました。2014年のソロ・デビュー・アルバム『That Girl』はカントリーで1位でした。シュガーランドでは2005年から2010年までにTOP10=6枚を記録し、そのうち3枚がカントリー・アルバム・チャートで1位となっています。
11位にはノルウェーのDJ、カイゴの『Cloud Nine』が初登場しました。ダンス/エレクトロニック・アルバム・チャートでは初登場第1位です。1991年9月11日生まれの24歳。本名はKyrre Gorvell-Dahll。KYGO(カイゴ)はその Kyrreの“Ky”とGorvellの“go”からの名前とのことです。ド派手なEDMとは違って、癒しを誘うリラクゼーションEDMなんです。南国の海と空をイメージさせるトロピカルなメロディ。曲の速さもゆったりとしており、とても心地のよいリズムです。マーヴィン・ゲイやエド・シーランなどの有名曲をトロピカルなメロディでリミックスしたところ、YouTubeやSoundCloudなどで注目が一気に集まり、コールドプレイやアヴィーチーなどからリミックスの話を持ち掛けられるようになったとのことです。自身の楽曲「Firestone」はYouTube、SoundCloudで1億2000万回以上の再生回数を超え、今回のデビューとなりました。
ストリーミングだけでアルバム・チャートTOP10に入ったというのも大きな出来事ですが、もうひとつ注目すべき出来事がありました。ビルボードにはフォーク・アルバム・チャートというのがあって、先週までルミニアーズの『Cleopatra』が1位(4週目)でした。このチャートが今週からアメリカーナ/フォーク・アルバム・チャートと名前を変えたのです。“Americana”という言葉、グラミー賞では2007年にそれまで“Best Contemporary Folk Album”という賞を“Best Contemporary Folk/Americana Album”と名前をかえ、2010年にはこれが2つに分かれて“Best Americana Album”という賞がスタートしています。これまでの7年間では、リヴォン・ヘルム、メイヴィス・ステイプルス、リヴォン・ヘルム、ボニー・レイット、エミルー・ハリス&ロドニー・クロウェル、ロザンヌ・キャッシュ、ジェイソン・イズベルが受賞しています。
1999年に Americana Music Association が設立され、ポップ・カントリーでもブルーグラスでもフォークでもないルーツ・ミュージックを支援、普及するために活動しているとのことで、毎年ナッシュヴィルで Americana Music Festival & Conference が行なわれています。第17回の今年は9/20から9/25まで開催され、9/21には2002年にスタートした Americana Music Award の授賞式&パフォーマンスが行われます。
そのアメリカーナ/フォーク・アルバム・チャートで今週初登場で第1位になったのがビルボード200ではすでに最高位1位、今週13位のクリス・ステイプルトンの『Traveller』です。フォーク・アルバム・チャートには入りませんでしたので、初登場1位となっています。カントリー・アルバム・チャートでは登場55週目でそのうち20週間で第1位、すでに130万枚のセールスを記録しています。
カントリー絡みの話では、今年は11/2に行われる第50回CMAアワード(Country Music Association Awards)の司会者が発表になりました。今年もキャリー・アンダーウッドとブラッド・ペイズリーの2人です。こちらは2008年から9年連続での司会となりました。最優秀女性ヴォーカリストは2010年から6年連続でミランダ・ランバートが受賞していますが、今年はどうでしょうか。
★新刊書籍のお知らせ:
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