10/31付。今週のビルボード・アルバム・チャートから。
今週の第1位は2013年の『Stars Dance』に続いて2枚目の第1位となったセレーナ・ゴメスの『Revival』です。117,000EAU、実売85,000枚のセールスでした。エイサップ・ロッキーをフィーチャリングしたファースト・シングル「Good For You」は9/26、10/3とポップ・ソングス・チャートで2週連続第1位(HOT100では最高位5位)を記録しました。セカンド・シングル「Same Old Love」はHOT100で38位から18位へ急上昇とこちらも好調です。昨年は顔面が赤く腫れ上がったり、関節の痛み、疲労や発熱、頭痛などの症状を伴うループス(全身性エリテマトーデス)を患ったため活動を休止したことを最近のインタビューで明かしていました。化学療法を受けて現在は「自信と心の平静を再び取り戻した」とのことです。日本を含むアジア・オーストラリア・ツアーもそのためキャンセルになっていました。来年は5-7月のアメリカ・カナダ・ツアーのあと、ワールド・ツアーに出る予定とのことです。日本にも来てくれるでしょう。
アルバムチャートは実売のセールスに加えて収録曲のダウンロードやストリーミング回数も加味してランキングされています。EAUは換算枚数をあらわしています。
今週のTOP10内初登場はあと2枚です。
第2位に初登場したのが、R&Bヒップホップ・アルバム・チャートでは7枚目の1位となったザ・ゲームの『The Documentary 2』です。ビルボード200では7枚目のTOP10入りとなりました。2005年のデビュー・アルバム『The Documenraty』(最高位1位)から10年目にして期待を込めてのリリースとのことです。アルバムには、カニエ・ウェストやDJプレミア、ウィル・アイ・アム、Qティップ、パフ・ダディ、アイス・キューブ、ケンドリック・ラマー、ドレイクなどが参加しているハードコアな作品です。さらに2週続けてザ・ゲームのアルバムがリリースされています。来週は『The Documentary 2.5』のチャートインが期待されます。
http://item.rakuten.co.jp/americanpie/wb549779
第10位には女性カントリー・シンガーのジャナ・クレイマーの『thirty one』が初登場。2012年『Jana Kramer』(最高位19位)以来のセカンド・アルバムです。人気TVドラマ『One Tree Hill』でアレックスを演じていた彼女ですが5月にアメリカン・フットボール選手のマイケル・コーシンと結婚しました。彼女にとっては3度目の結婚なんですが、一昨年婚約したカントリー・アーティストのブラントリー・ギルバートとは婚約解消していたんですね。ところで、このアルバムに収録されていて今週HOT100の92位に初登場した「I Got The Baby」のソングライターの一人に、J.L. Spears という名前がありました。ブリトニー・スピアーズの妹ジェイミー・リン・スピアーズなんです。彼女はジャナ・クレイマーのデビュー・アルバムでも曲を提供していました。
21位に初登場したのが、初のロック・アルバム、オルタナティヴ・アルバムで1位を飾ったメイデイ・パレードの『Black Lines』です。フロリダ州タラハシーで2005年に結成された5人組ロック・バンドで今作は5枚目のスタジオ・アルバムです。
ところで、アデルの新曲バラード「Hello」が10/23にリリースされました。今週は10/15までの1週間のセールス、ストリーミングと10/18までの1週間のエア・プレイのデータを集計して発表されているのでまだ「Hello」のリリース前なんですが、このリリースに刺激されて前作『21』も再上昇しそうです。今週は登場243週目で114位にいます。2011年にリリースされ、24週間第1位は女性アーティストとしては最長1位の記録を作りました。アメリカだけで1120万枚のセールスは、サウンド・スキャン集計が始まった91年以降で歴代10位のセールス記録です。新曲としては2012年にレコーディングした007シリーズの「Skyfall」以来。今から11/20のニュー・アルバム『25』の週間売り上げの記録更新や「Hello」の発売第1週のダウンロード・セールスの記録更新など大きな期待が寄せられています。
/////////////////////////
10/31付。今週のビルボード・シングル・チャートから。
今週も第1位はザ・ウィークエンドの「The Hills」。5週目の第1位です。オリジナル・バージョンとエミネムをフィーチャリングしたバージョン、ニッキー・ミナージュをフィーチャリングしたバージョンの3曲を合計してダウンロードが前週比93%アップしてデジタル・セールスでも1位になりました。内訳はオリジナルが51%、エミネムが35%、ニッキー・ミナージュが14%とのことです。ストリーミング、ラジオ・ソングスでも今週1位と圧倒的な強さでした。
第2位はドレイクの「Hotline Bling」です。ダウンロード、ストリーミングがともに2位、ラジオ・ソングスは7位から5位にアップしました。10/18にオフィシャル・ビデオがリリースされますのでひょっとしたら来週は...?
http://item.rakuten.co.jp/americanpie/defb002404302
第3位がジャスティン・ビーバーの「What Do You Mean?」です。ラジオ・ソングスで3位ですが、デジタル・セールスとストリーミングは5位でした。一方、今週はダンス・クラブ・ソングス・チャートで通算2曲目の1位になりました。2013年ニッキー・ミナージュをフィーチャリングした「Beauty And A Beat」以来です。
6位はテイラー・スウィフトの「Wildest Dreams」です。今週アダルト・ポップ・ソングス・チャートで1位となりアルバム『1989』からこのチャートでは5曲目の1位となりました。このチャートで1枚のアルバムからの5曲の1位はケイティ・ペリー『Teenage Dream』と並んで最多No.1となりました。このチャートは1996年にスタートしましたが1位獲得曲数ではマルーン5が11曲で最多となっています。ちなみにケイティ・ペリーは8曲、テイラー・スウィフトはこの曲で6曲目の第1位となりました。
今週は6位にテイラー・スウィフトが先週の9位からアップしましたが、先週は1位から8位までが男性アーティストで占められていました。これは2004年3月27日付以来でこの時の1位はアッシャー・フィーチャリング・リル・ジョン&リュダクリスの「YEAH!」、第9位はブリトニー・スピアーズの「Toxic」でした。TOP10を男性アーティストが独占となると1982年10月9日付で、ジョン・クーガーの「Jack & Diane」が1位の週までないそうです。
また今年初めて1位になった曲で、これまで女性ソロ・アーティストのNo.1ソングがテイラー・スウィフトの「Bad Blood」しかありません。HOT100スタートの1958年から見てみると年間で1曲しかなかったのは64年、65年、68年、70年、82年、94年の6回。でもアデルの新曲はきっと1位だからこの記録は今年は成立しませんね。全くなかった年もあって58年、59年、61年、69年はゼロでした。
ところで、先週51位以下でのHOT100登場週数ランキングで1位タイとなったニッキー・ジャム&エンリケ・イグレシアスの「El Perdon」ですが、今週は先週の58位から2つ上がって最高位の56位に並んで赤丸が付いています。登場週数は30週目となり、最高位51位以下の登場週数記録で歴代1位となりました。果たして来週は31週目にして最高位を更新することができるのでしょうか。ラテン・ソングス・チャートではすでに今年の年間1位確定の30週間第1位を記録しています。
全米ヒットをお探しなら是非あめりかん☆ぱいへ。
全米ヒットじゃなくてもお探しします。
共同通信社刊 あめりかん☆ぱい佐藤直人編・著『ビルボード年間チャート60年の記録 1955-2014』は、現在発売中です!サンプルページを掲載しています。