9/12付。今週のビルボード・アルバム・チャートから。
今週の第1位はスタジオ・アルバム5作連続初登場1位となったディスターブドの『Immortalized』です。98,000EAU(換算枚数)のセールスでした。それにしてもセカンド・アルバムから5枚連続で初登場1位ですか。2000年のデビュー・アルバム『The Sickness』が最高位29位でした。ロック・アルバムのチャートができた後に発表された『Indestructible』(2008年)、『Asylum』(2010年)に続いてこのアルバムもロック・アルバム、ハード・ロック・アルバム、オルタナティヴ・アルバムの各チャートでも初登場1位でした。
今週のTOP10内初登場はあと3枚です。
第4位に初登場したのはカントリー・アーティスト、キップ・ムーアのセカンド・アルバム『Wild Ones』です。ファースト・アルバムが『Up All Night』。2012年の5月12日付で第6位に初登場(最高位)しました。そしてその週4位にランクインしていたのがその年の3/31に初登場1位のワン・ダイレクションの『Up All Night』。TOP10にオリジナル・アルバムで同じタイトルのアルバムが2枚ランクインして、それだけでなく、それがともにデビュー・アルバムという非常に珍しいケースでした。
第6位はマッチボックス・トゥエンティのフロントマン、ロブ・トーマスのソロ・アルバム『The Great Unknown』です。3枚目のソロ・アルバムですが、2005年の『…Something To Be』(1位)、2009年『Cradlesong』(3位)とすべてTOP10入りしています。
第8位がスウェーデンのヘヴィ・メタル・バンド、ゴーストの3枚目のスタジオ・アルバム『Meliora』です。最近まで権利の関係で『Ghost B.C.』(B.C.は発音しない)で活動していました。2008年に結成され、メンバーはパパ・エメリトゥス2世と5人のメンバーで構成される“ネームレス・グールズ”。昨年はサマソニで来日しています。
ボン・ジョヴィのニュー・アルバム『Burning Bridges』が13位に初登場しました。今作は2013年に脱退したリッチ・サンボラがいないボン・ジョヴィです。15枚目のTOP20入りとなりました。そのうち1位=5枚、TOP10=12枚を記録しています。そしてこれが32年間在籍したマーキュリー・レコードでの最後のアルバムとなりました。タイトル・ソングはマーキュリーとの訣別を歌っています。このアルバムは長年支えてくれたファンへのアルバムと位置づけ、来年春にはニュー・アルバムを発表する予定とのことです。
最後に8/30にロス・アンゼルスのマイクロソフト・シアターで授賞式が行われた“2015 MTV Video Music Awards”のおもな結果をご紹介します。やはりテイラー・スウィフトでした。
Video of the Year: Taylor Swift ft. Kendrick Lamar / Bad Blood
Best Male Video: Mark Ronson ft. Bruno Mars / Uptown Funk!
Best Female Video: Taylor Swift / Blank Space
Best Hip Hop Video: Nicki Minaj / Anaconda
Best Pop Video: Taylor Swift / Blank Space
Best Rock Video: Fall Out Boy / Uma Thurman
Artist to Watch: Fetty Wap / Trap Queen
Best Collaboration: Taylor Swift ft. Kendrick Lamar / Bad Blood
Video With a Social Message: Big Sean ft. Kanye West and John Legend / One Man Can Change the World
Song of the Summer: Five Seconds of Summer / She’s Kinda Hot
(アルバムチャートは実売のセールスに加えて収録曲のダウンロードやストリーミング回数も加味してランキングされています。EAUは換算枚数をあらわしています。)
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9/12付。今週のビルボード・シングル・チャートから。
今週の第1位は先々週、先週と2位をキープしていたザ・ウィークエンドの「Can’t Feel My Face」が1位に返り咲きました。通算2週目の第1位です。ただ、ラジオ・ソングでは4週目の1位となったもの、デジタル・セールスは1位から4位、ストリーミングは5位から6位へ下がってしまいました。アルバムは8/28にリリースされています。こちらは初登場1位が期待されています。
今年の11月に5枚目のアルバム・リリースを予定しているワン・ダイレクションですが、ファースト・シングルの「Drag Me Down」が初登場3位のあと、26位、31位と下がって今週14位に再浮上してきました。8/20にオフィシャル・ビデオのリリースでストリーミングが41位から11位、それに伴ってデジタル・セールスが13位から6位に上がったためです。
16位にはウォーク・ザ・ムーンの「Shut Up And Dance」(最高位4位)が入っていますが、今週もロック・ソングス・チャートでは1位で、とうとう23週目の第1位となりました。これはこのチャートでの最長1位タイ記録です。他の2曲は2013年4-9月に1位になったイマジン・ドラゴンズの「Radioactive」、そして昨年11月から今年5月にかけて1位になったホジエの「Take Me To Church」です。大抵、こういう記録のことを口にすると途切れてしまうんですが、来週はどうでしょうか。これまでに280万ダウンロードを記録し、ロック・ソングス・チャートの他に、アダルト・ポップ・ソングス(8週)、アダルト・コンテンポラリー(5週)、オルタナティヴ・ソングス・チャート(4週)でも1位を記録しています。HOT100には今週で42週目のチャートインと息の長い大ヒットになりました。
43位にはキャリー・アンダーウッドの新曲「Smoke Break」が初登場しました。10/23発売予定の5枚目のスタジオ・アルバム『Storyteller』からのファースト・シングルです。これまでミランダ・ランバートと並んでカントリー・アルバム・チャートではデビューから5枚連続初登場1位というとてつもない記録を更新中ですが、ミランダを抜いて6枚連続初登場1位は間違いないでしょう。さらにカントリー・ソングス・チャートではシーズナル・ソングを除いてデビューからすべてTOP10入りを記録しています。この曲もカントリーでは先週の36位から今週は5位へジャンプアップして22曲連続TOP10入りを果たしました。
最後に2013年のHOT100年間チャートで「Thrift Shop」が第1位、「Can’t Hold Us」が第5位の大ヒットを記録したマックルモア&ライアン・ルイスの新曲が94位に初登場しました。タイトルは「Downtown」です。8/27にオフィシャルの・ビデオがリリースされますのでこのポイントが加わると一気にTOP40入り、いやもっと上に行くかも?曲にフィーチャリング・アーティストとしてクレジットされているのが、エリック・ナリー、メリー・メル、クール・モー・ディー、グランドマスター・キャズとなっております。クール・モー・ディーは99年以来のHOT100入りとのことで、この時はウィル・スミスのNo.1ヒット「Wild, Wild West」でドゥルー・ヒルとともにフィーチャリングされていました。この「Wild, Wild West」はスティーヴィー・ワンダーの「I Wish」(77年1位)とクール・モー・ディーの「Wild, Wild West」(88年62位)をサンプリングして作られた曲でした。メリー・メルも久しぶりじゃないかな。84年の「Best Street Breakdown Part 1」以来?
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