10/21付
★「Mi Gente」21位から一気に3位へ
★ラテン、AC、カントリーで長期No.1ソングがダウン
★英語以外のTOP10ソング16曲
★あめりかん☆ぱい集計HOT100ヒット・オールタイム・ランキングは初登場で800万枚のマークの大ヒットを放ったあの人です
★シャナイア、15年ぶりのアルバムで見事!
★デミ・ロヴァートは6枚連続4位以上!
★トム・ペティ『Greatest Hits』が23年ぶりに最高位更新
10/21付。今週のビルボード・シングル・チャートから。
今週の第1位は3週連続でカーディ・Bの「Bodak Yellow (Money Moves)」が1位をキープしました。これまで女性ラッパーのNo.1ソングは98年11/14と11/21に2週連続第1位を記録したローリン・ヒルの「Doo Wop (That Thing)」が最長でしたのでその記録を上回りました。ストリーミングが1位から2位、デジタル・セールスが3位から4位、ラジオ・ソングスは11位から10位とまたしても3部門での1位はありませんが合計してHOT100で1位になりました。ラップ・ソングス・チャートは8週連続、R&Bヒップホップ・ソングス・チャートでは6週連続第1位です。
第2位は初登場から3週連続でポスト・マローン・フィーチャリング・21サヴェージの「Rockstar」です。HOT100チャートで「Rock」というタイトルが付いた曲では10曲目のNo.2ソングです。4970万ストリームスを記録してストリーミング・ソングス・チャートで再び1位に返り咲きました。
第3位には先週の21位から「Mi Gente」が急上昇です。先週までは最高位19位でしたが「Despacito」と同じことが起きました。「Despacito」はジャスティン・ビーバーがフィーチャリングされたリミックス・バージョンがリリースされて、48位から9位にあがり、その後16週連続第1位という大ヒットになりました。今回はJ・バルヴィン&ウィリー・ウィリアムのオリジナル・バージョンにビヨンセがフィーチャリングされたバージョンがリリースされての急上昇です。デジタル・セールスで34位から1位、ストリーミングが14位から5位と大きくアップしました。ラジオ・ソングスは32位から29位と堅調です。J・バルヴィンとウィリー・ウィリアムは初のTOP10入りで、ビヨンセは17曲目のTOP10ヒットになりました。デジタル・セールスではビヨンセは6曲目の第1位なのですが、意外にもこの前の1位は2009年1/3の「Single Ladies (Put A Ring On It)」でした。8年ぶりの1位です。
「Mi Gente」はラテン・ソングス・チャートでも1位になりました。「Mi Gente」は先週まで1位だった「Despacito」の下で11週連続第2位でした。このチャートで2位の記録では16週間第2位という記録が最長とのことで、これは、41週という歴代1位の1位週数を記録したエンリケ・イグレシアス・フィーチャリング・デスセメール・ブエノ&ヘンデ・デ・ソナの「Bailando」(2014年)の下で1位に上がれなかったロメオ・サントスの「Eres Mia」が最長とのことです。ラテン・ソングス・チャートではビヨンセは3曲目のTOP10入りです。過去には2007年に4位を記録した「Irreemplazable」(「Irreplaceable」のスペイン語バージョン)とシャキーラとのコラボ、「Beautiful Liar」(07年10位)がありました。
スペイン語ソングは今年HOT100に11曲エントリーしています。昨年は2曲、一昨年は5曲だったそうです。ラテン・ソングス・チャートにも入っていてHOT100のTOP10に入ったのは過去20年では8曲目とのことです。この8曲には英語での歌唱も含みます。
また、今年はすでに「Despacito」が1位になっているので、もしこの曲が1位になると、1年で英語以外の曲が2曲1位になるのは1963年の坂本九の「Sukiyaki」(日本語)とシンギング・ナンの「Dominique」(フランス語)以来とのことです。HOT100での全TOP10ヒットは1958年8月4日から今週までで4763曲あります。そのうち英語以外の曲は16曲目とのことです。以下のとおりです。
* Domenico Modugno / Nel Blu Dipinto Di Blu (Volare) (58/1) Italian
* Lolita / Sailor (Your Home Is the Sea) (60/5) German
* Emilio Pericoli / Al Di La’ (62/6) Italian
* Kyu Sakamoto / Sukiyaki (63/1) Japanese
* Singing Nun (Soeur Sourire) / Dominique (63/1) French
* Sandpipers / Guantanamera (66/9) Spanish
* Mocedades / Eres Tu (Touch the Wind) (74/9) Spanish
* Nena / 99 Luftballons (84/2) German
* Falco / Rock Me Amadeus (86/1) German
* Los Lobos / La Bamba (87/1) Spanish
* Enigma / Sadeness (Part 1) (91/5) Latin/French
* Los Del Rio / Macarena (Bayside Boys Mix) (96/1) Spanish
* PSY / Gangnam Style (12/2) Korean
* PSY / Gentleman (13/5) Korean
* Luis Fonsi & Daddy Yankee Feat. Justin Bieber / Despacito (17/1) Spanish
* J Balvin & Willy William Feat. Beyonce / Mi Gente (17/3) Spanish
ルイス・フォンシ&ダディ・ヤンキー・フィーチャリング・ジャスティン・ビーバーの「Despacito」はHOT100では5位から9位へダウンしています。ラテン・ソングス・チャートでは「Mi Gente」が今週1位となり、先週まで1位を続けていたこの曲は1位週数が歴代2位となる35週でストップしました。しかしYouTubeでは大記録を作っています。1/12にジャスティン・ビーバーが入っていないオリジナル・バージョンがリリースされてからスペイン語の曲ではリリース後24時間で540万回と最高視聴記録を更新。さらに20億回、30億回達成も最速で記録し、このほどYouTubeで初の40億回再生を達成しました。
今週はジャンル・チャートで1位を長く続けていた曲がダウンしています。この曲はアダルト・コンテンポラリー・チャートで先週まで24週連続1位でした。今週はチェインスモーカーズ&コールドプレイの「Something Just Like This」(HOT100=32位)が1位となりこの曲は2位へダウンしました。HOT100では19位から20位へダウン。エド・シーランの「Shape Of You」(最高位1位)です。エド・シーランといえば来月来日公演が決まっていましたが、急遽延期となりました。10/15にロンドンで自転車事故を起こして、右手首と左ひじを骨折してしまいました。エド・シーランは10/22台北から11/23ドバイまでのアジア・ツアー全15公演が予定されていましたが、そのうち10/22から11/5までの台北、大阪、ソウル、東京、香港の7公演が延期となりました。代替日のスケジュールは現在調整中とのことです。
もう1曲長く1位だった曲が2位へダウンしました。カントリー・ソングス・チャートで今週1位になったのはHOT100では31位から最高位28位へアップしたケイン・ブラウン・フィーチャリング・ローレン・アライナの「What Ifs」です。ということで先週まで34週連続という歴代1位のとてつもなく長い1位週数記録を作ったサム・ハントの「Body Like A Back Road」は2位へダウンしました。HOT100では最高位6位で先週の26位から今週31位へダウンしています。
https://item.rakuten.co.jp/americanpie/mryb002736902
話は変わって、この曲は73年リリースのアルバム『Goodbye Yellow Brick Road』に収録されていましたがアメリカではシングル・カットされませんでした。この曲がHOT100に登場したのはライブ・アルバム『Live In Australia With The Melbourne Symphony Orchestra』からのカットで87年最高位6位を記録しました。97年8/31にパリ郊外で事故死したダイアナ妃の葬儀が9/6に執り行われることになり、ダイアナ妃の姉セーラ・マッコーコデールは友人に追悼のため歌ってほしいと依頼しました。そこでその友人はこの曲を選び、バーニー・トーピンに詞を依頼し、「Candle In The Wind 1997」が9/4に完成したそうです。元はダイアナ妃と同じ36歳の若さで亡くなったマリリン・モンローを歌ったものでしたが、”Goodbye Norma Jean”(モンローの本名)と歌っているところを”Goodbye England’s Rose”に変えるなど新しい詞で歌いました。この模様は9/23に全世界に放送されました。20年前この曲はHOT100でいきなり初登場第1位。しかも800万枚のマークをつけたという異例中の異例の初登場でした。エルトン・ジョンの「Candle In The Wind 1997/Something About The Way You Look Tonight」です。1997年の年間チャートではわずか集計期間8週間で年間1位になりました。10/14から翌年の1/10まで14週連続でHOT100で1位を続けました。98年の年間チャートでも8位に入る大ヒットです。2年連続年間TOP10入りは非常に珍しい記録です。
ということで今週のあめりかん☆ぱい集計HOT100ヒット・オールタイム・ランキングは、エルトン・ジョンのオールタイムTOP40です。あめりかん☆ぱいではシングルではなく、ソングの集計ですので「Candle In The Wind 1997」、「Something About The Way You Look Tonight」は別々に集計してあります。もちろん1週目800万枚のセールス(サウンドスキャンでは340万枚と発表)も考慮しています。
1. Candle In The Wind 1997 (97/1)
2. Something About The Way You Look Tonight (97/1)
3. Crocodile Rock (73/1)
4. Don’t Go Breaking My Heart / Elton John & Kiki Dee (76/1)
5. Philadelphia Freedom (75/1)
6. Island Girl (75/1)
7. That’s What Friends Are For / Dionne & Friends (86/1)
8. Bennie And The Jets (74/1)
9. Little Jeannie (80/3)
10. Goodbye Yellow Brick Road (73/2)
11. Lucy In The Sky With Diamonds (75/1)
12. Daniel (73/2)
13. Can You Feel The Love Tonight (94/4)
14. Don’t Let The Sun Go Down On Me (74/2)
15. I Guess That’s Why They Call It The Blues (84/4)
16. Don’t Let The Sun Go Down On Me / George Michael/Elton John (92/1)
17. Your Song (71/8)
18. Rocket Man (72/6)
19. Someone Saved My Life Tonight (75/4)
20. Sorry Seems To Be The Hardest Word (76/6)
21. I Don’t Wanna Go On With You Like That (88/2)
22. Sad Songs (Say So Much) (84/5)
23. Mama Can’t Buy You Love (79/9)
24. The Bitch Is Back (74/4)
25. Candle In The Wind (88/6)
26. Nikita (86/7)
27. Blue Eyes (82/12)
28. The One (92/9)
29. Saturday Night’s Alright For Fighting (73/12)
30. I’m Still Standing (83/12)
31. Believe (95/13)
32. Empty Garden (Hey Hey Johnny) (82/13)
33. Honky Cat (72/8)
34. Grow Some Funk Of Your Own (76/14)
35. Sacrifice (90/18)
36. Circle Of Life (94/18)
37. Who Wears These Shoes? (84/16)
38. Healing Hands (89/13)
39. Levon (72/24)
40. Wrap Her Up (85/20)
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10/21付。今週のビルボード・アルバム・チャートから。
第1位はなんと15年ぶり5枚目のスタジオ・アルバム、シャナイア・トゥエインの『Now』です。2002年『Up!』以来2枚目の第1位です。これまでのカントリーとポップでの順位は以下のとおりです。
“Shania Twain” カントリー 93/67 ビルボード200 チャートインせず
“The Woman In Me” カントリー 95/1 (96年にわたって29週間第1位) ビルボード200 96/2
“Come On Over” カントリー 97/1(2000年まで断続的に50週間第1位) ビルボード200 97/2
“Up!” カントリー 02/1(03年にわたって6週間第1位) ビルボード200 02/1
“Greatest Hits” カントリー 04/1(05年にわたって11週間第1位) ビルボード200 04/2
“Still The One: Live From Las Vegas” カントリー 15/2 ビルボード200 15/55
“Now” 17/1 ビルボード200 17/1
『Come On Over』の50週間第1位はカントリー・アルバム・チャートでの1位最長記録です。このチャートでは合計97週間の第1位となりました。これは女性アーティストでは歴代第1位の週数です。第2位は89週間でテイラー・スウィフトです。オール・アーティストではガース・ブルックスが通算で171週間1位を記録して歴代第1位となっています。
今回は137,000EAU、実売は134,000枚のセールスでした。シャナイア・トゥエインは2018年のツアーが発表されチケットも発売されています。このアルバムもこれまでよく見られたパターンで、チケットを購入するとこのアルバムが1枚ただでダウンロードかCDがもらえるというものです。厳密にはただですとビルボードの集計にカウントされないため、チケット代金にアルバム価格も含まれているということになっていて、その売り上げ枚数がカウントされています。女性カントリー・アーティストのビルボード200での第1位は2014年6/21のミランダ・ランバート『Platinum』以来です。テイラー・スウィフト『1989』はカントリー・アルバムでないためカントリー・アルバム・チャートにも入らず、そのためビルボード200で1位になりましたが、カントリー・アーティストとしての1位にカウントされていません。
アルバムチャートは実売のセールスに加えて収録曲のダウンロードやストリーミング回数も加味してランキングされています。EAUは換算枚数をあらわしています。
今週のTOP10内初登場はあと3枚あります。
第3位にはデミ・ロヴァートの6枚目のスタジオ・アルバム『Tell Me You Love Me』です。74,000EAU、48,000枚の実売でした。2008年のデビュー・アルバム『Tell Me You Love Me』(最高位2位)から6枚連続TOP10入り、それもすべて4位以上という人気ぶりです。8/26(現地時間)にロス・アンゼルス・Tモバイル・アリーナで行われた全世界が注目した「世紀の一戦」が行われました。総合格闘技UFC2階級制覇のコナー・マグレガーと49戦49勝のボクシング元5階級王者フロイド・メイウェザー・ジュニアの決戦です。試合はメイウェザーの10ラウンドTKO勝ちでしたが、この試合の国歌斉唱がデミ・ロヴァートでした。
第4位はア・ブギー・ウィット・ダ・フーディの初のスタジオ・アルバム『The Bigger Artist』が初登場です。アルバムの中から今週HOT100に4曲同時に初登場しました。67,000EAUで実売は1万枚です。ストリーミングで稼ぎました。これまでミックステープを2枚リリースしています。昨年11月のEP『TBA』は63位、今年2月の『Artist』は70位でした。今回はR&Bヒップホップ・アルバム、ラップ・アルバム・チャートでともに初登場第1位に輝きました。もちろん初の第1位です。1995年12月6日ニュー・ヨーク・ブロンクス出身のラッパーです。今回のアルバムには今旬の21サヴェージ、コダック・ブラックやクリス・ブラウン、ロビン・シックといったヒットメーカーも参加しています。
第5位にはマイリー・サイラスの13枚目のチャート・エントリーとなったアルバム『Younger Now』が初登場です。45,000EAU、実売は33,000枚でした。TOP10入りはハンナ・モンタナ時代を含め実に11枚目となりました。2013年初登場第1位を飾った『Bangerz』以来のリリースです。人気オーディション番組『The Voice』シーズン11、シーズン13でコーチとして登場しています。
今週は10/2に亡くなったトム・ペティのアルバムやシングルのセールスが反映される週でした。シングルの方ではロック・ソングス・チャートで、4位の「Free Fallin’」をはじめ、4位から9位をトム・ペティが占め、TOP25に合計14曲が同時にチャートインしました。アルバムではカタログ・アルバム・チャートで2008年2/23以来の1位になったトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの『Greatest Hits』がビルボード200では第2位に再登場。84,000EAU、実売は52,000枚を記録しました。このアルバムはこれまでの最高位が94年の5位でしたから最高位を更新してしまいました。今週はこのアルバムの他に27位に『Wildflowers』、32位に『Anthology』、122位に『Damn The Torpedoes』、127位に『Full Moon Fever』とグループ、ソロのアルバムがチャートインしています。32位の『Anthology』もこれまでの最高位132位(2000年)を大きく更新しました。
33位にマイケル・ジャクソンの『Scream』が初登場しています。30枚目のアルバムで16枚目のTOP40入りとなりました。今回はハロウィンをイメージした曲を集めてのコンピレーション・アルバムとなっています。