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3/2付。今週の全米アルバムチャートから。
2/10のグラミー賞授賞式が終わって、その後の1週間。通常でしたらグラミーの影響は?なんていうことが話題になる3/2付ですが、今週はとんでもない出来事が起きましたのでそんなことは吹っ飛んでしまいました。これまでのビルボードのヒットチャートの常識をひっくり返す出来事です。これはシングルのコーナーで。
吹っ飛んだ話題のグラミー効果ですが、一応今週BILLBOARD200のTOP40に入っているアルバムのうち18枚がグラミー効果でのセールス上昇のようで、そのうちの9枚が前週比2倍以上のセールスを記録しました。
まず第1位が最優秀アルバム受賞のマムフォード&サンズ『Babel』。iTUNESで期間限定の$6.99セールスも効いて185,000枚売れて先週の4位から18週間ぶりに4週目の1位を記録しました。このうち101,000枚はデジタル・セールスだったとのことです。
2位は先週の11位からアップした『2013 Grammy Nominees』。88,000枚のセールスでこれまでの最高位4位を更新しました。
3位は8位からアップしたブルーノ・マーズの『Unorthodox Jukebox』。
4位は12位からアップのテイラー・スウィフト『Red』。いずれもグラミー賞でのパフォーマンスなどによる効果です。テイラーの場合は番組の中のCMにも使われていました。マムフォード&サンズ同様この2枚も期間限定iTUNESセールスが効きました。
グラミーではボブ・マーリー・トリビュートがありましたので当然ボブ・マーリーのアルバムが急上昇しています。これまでの最高位18位ながら1000万枚のセールスを記録している『Legend』が、先々週158位、先週99位、今週は34位です。
日本でも人気のTV番組『Smash』の2作目となるサウンドトラック『Bombshell: The New Marilyn Musical from Smash』は43位に初登場しています。アメリカではシーズン2が2/5からスタート。このアルバムはシーズン1と2で歌われている曲がピックアップされています。
今週はTOP10内に初登場したアルバムはありませんでした。
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3/2付。今週の全米シングルチャートから。
今週の第1位はバウアーの「Harlem Shake」。HOT100史上22曲目の初登場1位。デビュー・シングルにして初登場1位は、ローリン・ヒル、クレイ・エイケン、ファンテイジア、キャリー・アンダーウッドに続いて5人目です。
なんでこの曲が1位に?この答こそがビルボードのチャートの常識をひっくり返し、3/2付を歴史的な週とした所以です。
まずバウアーは、チャート上の表記は Baauer ですが、本名は、Harry Bauer Rodrigues で、ニュー・ヨーク・ブルックリン出身の23歳。エレクトロ・ポップのDJやプロデューサーとして活躍しています。この曲自体は昨年の6月からデジタル・セールスが始まっていました。先週は18,000ダウンロードだったそうです。今週は262,000ダウンロード。
一説にはオーストラリアの5人の若者が作ったビデオがYouTube上で話題になって、このパターンをたくさんの人たちが製作してそれぞれアップされ、話題が話題を呼んでいるとのことです。曲の最初の15秒は一人がスローで踊って、“Do The Harlem”の掛け声から周りの人たちが一斉に踊り狂うといったものです。これが今受けているんですねえ。アップされている時間は30秒あまり。今回この曲が初登場1位を飾ったのは、このYouTubeのアメリカ国内からの再生回数をカウントしてHOT100の集計に加えたからなんです。これまでのチャートの歴史は「聴く」ことに対する価値を集計してポイント化してランキングしていました。しかしYouTubeの再生回数を加えたことによって、史上初めて「見る」こと対してもポイント化して集計に加えたのです。もちろんどの程度のポイント比率かは企業秘密。
このようなYouTubeでの集計は、HOT100の他にカントリー・ソングス、R&Bヒップ・ホップ・ソングス、ラップ・ソングス、R&Bソングス、ラテン・ソングス、ロック・ソングス、ダンス/エレクトロニック・ソングスの各チャートにも反映されております。おさらいをしておきますと、上記のチャートは、デジタル・ダウンロード・トラック、フィジカル・シングル・セールス、ラジオ・エアプレイ、オンデマンド・オーディオ・ストリーミング、オンライン・ラジオ・ストリーミングとYouTubeビデオ・ストリーミングが集計対象になっております。
これ、年間チャートの予想、一層難しくなりましたね。今回のYouTubeの1週間の再生回数は、HOT100で57位から3位に上がったリアーナの「Stay」が380万ビューに対し、バウアーの「Harlem Shake」は1億100万回でした。つまり相当なポイントが加算されての1位なので、エルトン・ジョンの年間1位のパターンにあてはまっちゃうかもしれません。1997年のエルトン・ジョンの「Candle In The Wind 1997」は初登場1位になった週にいきなり800万枚のマークが付いていました。この時は10/11付です。このあと年間チャート集計最終週の11月いっぱいまで8週連続1位を続けて、HOT100=8週で年間1位という快挙を成し遂げてしまったのです。今回のビュー数はそれに匹敵するような数です。もちろんポイントにした時にどの程度のものなのかはわかりませんので、エルトン・ジョンのようになるとは言い切れませんが。
「Harlem Shake」はエアプレイはチャート圏外です。オンデマンドも圏外。でもYouTubeで初登場1位。デジタルで初登場3位でした。それでHOT100では1位になっちゃうんです。ダンス・エレクトロニック・ソングス・チャートでは先週の初登場12位から今週は1位になりました。
これ、もし昨年からやっていたらYouTubeで11億回以上の再生回数となったPSYの「Gangnum Style」はHOT100の1位を何週続けたんでしょうね。もちろん圧倒的強さで年間1位だったかもしれません。
今週この影響でHOT100のチャートを駆け上がったのが、リアーナの「Stay」。380万ビューで57位から3位。63位から10位に上がったドレイク「Started From The Bottome」が510万ビュー。さらにPSYの「Gangnum Style」は今週まだ370万ビューもカウントされて48位から26位に戻っています。
ついでにもうひとつ。「Harlem」という単語がタイトルに入っているTOP10ヒットは4曲目。これまでの3曲は以下のとおりです。
Spanish Harlem / Ben E. King (61年/最高位10位)
Spanish Harlem / Aretha Franklin (71/2)
Harlem Shuffle / Rolling Stones (86/5)
ちなみに「Harlem Shake」は2001年のプラスティック・リトルの「Miller Time」をサンプリングしているそうです。
さて、2位は1位から下がったマックルモア&ライアン・ルイス・フィーチャリング・ワンズの「Thrift Shop」。今週は2位に下がっても先週よりポイントが上がっているので赤丸が付いています。集計方法が変わっていなければ確実に5週目の1位だったでしょう。
3位のリアーナですが24曲目のTOP10入りです。これは歴代9位の記録だとか。2005年デビューからまだ8年でホイットニーとストーンズを抜いてしまいました。HOT100でTOP10曲数歴代ベスト10は以下の通りです。
1位 38 マドンナ
2位 34 ビートルズ
3位 28 マイケル・ジャクソン
3位 28 スティーヴィー・ワンダー
5位 27 マライア・キャリー
5位 27 ジャネット・ジャクソン
5位 27 エルトン・ジョン
8位 25 エルヴィス・プレスリー
9位 24 リアーナ
10位 23 ホイットニー・ヒューストン
10位 23 ローリング・ストーンズ
さて、下の方では、昨年の年間1位ゴティエ。次のTOP20ヒットが待たれますが、「Somebody That I Used To Know」が42位から36位に返り咲きました。HOT100=59週目です。HOT100登場週数で第10位になりました。TOP10は以下の通りです。No.1ソングでは歴代4位です。
1位 76週 I’m Yours / Jason Mraz (08/6)
2位 69 How Do I Live / LeAnn Rimes (97/2)
3位 68 Party Rock Anthem / LMFAO featuring Lauren Bennett & GoonRock (11/1)
4位 65 Rolling in the Deep / Adele (11/1)
4位 65 You Were Meant For Me/Foolish Games / Jewel (97/2)
6位 64 Before He Cheats / Carrie Underwood (07/8)
7位 62 You and Me / Lifehouse (05/5)
8位 60 Need You Now / Lady Antebellum (10/2)
8位 60 Macarena (Bayside Boys Mix) / Los Del Rio (96/1)
10位 59 Somebody That I Used to Know / Gotye featuring Kimbra (12/1)
このランキングにも入っているアデルですが今週「Skyfall」が83位に再登場しました。ご存じ『007スカイフォール』の主題歌です。これまで007シリーズの主題歌はアカデミー賞にノミネートされても賞を獲得することは出来ませんでしたが、2/24に授賞式が行われた第85回アカデミー賞で見事主題歌賞を獲得しました。3/9付、3/16付での再上昇が期待されます。
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今週のおまけ
★訃報です。2/16にドイツ・ハンブルグでトニー・シェリダンが亡くなりました。72歳でした。ビートルズがまだシルヴァー・ビートルズと名乗っていてリンゴ・スターが参加する前の1961年に、彼らはトニー・シェリダンと一緒に「My Bonnie」をレコーディングします。この曲はビートルズがアメリカで大成功を収めると再び発売されてトニー・シェリダン・ウィズ・ビート・ブラザーズとしてHOT100で1964年に最高位26位を記録。当時のレコーディングで、続けて発売された「Why」は最高位88位を記録しました。62年にリンゴ・スターがドラマーとして再びビートルズがハンブルグにやってきた時に、スター・クラブでトニー・シェリダンと一緒に演奏をし、これは『デビュー! ビートルズ・ライヴ’62』(“Live At The Star-Club In Hamburg, Germany; 1962.”)として1977年に2枚組LPで発売されました。シェリダンはその後、ベトナム戦争時の慰問や西ドイツでのラジオ番組制作などに携わり、また2002年にもアルバムを発表するなど音楽活動を続けてきました。しかしその後闘病生活が続いて、2/16にハンブルグの病院で心臓の手術を受けた後、他界したそうです。ご冥福をお祈りします。
☆イギリスのグラミー賞と呼んでもいいのでしょうか、2013年のブリット・アワード各賞が決まりました。2/20にロンドンのO2アリーナで授賞式などが行われ、昨年2月に発売されイギリス国内で140万枚のセールスを記録したエミリー・サンデーの『Our Version Of Events』が最優秀アルバム賞を受賞。このアルバムは2位に倍以上の差をつけての昨年の年間1位のセールスでした。そしてこの受賞でUKチャートで9週目の1位に返り咲きました。受賞作品は以下の通りです。
British Male Solo Artist: Ben Howard
British Female Artist: Emeli Sande
British Breakthrough: Ben Howard
British Group: Mumford and Sons
British Single: Adele, “Skyfall”
British Album of the Year: Emeli Sande “Our Version of Events”
International Male Solo Artist: Frank Ocean
International Female Solo Artist: Lana Del Ray
International Group: The Black Keys
British Live Act: Coldplay
British Producer: Paul Epworth
Special Recognition Award: Warchild
Critics’ Choice Award: Tom Odell
Global Success Award: One Direction
☆カナダのグラミー賞といってもいいのでしょうか、2013年のジュノ・アワードのノミネートが発表になりました。カーリー・レイ・ジェプセンとジャスティン・ビーバーというアメリカでもおなじみのアーティストが最多の4部門にノミネートされています。授賞式は4/21カナダ・サスカチュワン州レジャイナのブラント・センターで行われます。おもなノミネート作品は以下の通りです。
Artist of the Year:
Carly Rae Jepsen
Deadmau5
Johnny Reid
Justin Bieber
Leonard Cohen
Group of the Year:
Billy Talent
Marianas Trench
Metric
Rush
The Sheepdogs
Album of the Year:
Carly Rae Jepsen, “Kiss”
Celine Dion, “Sans Attendre”
Hedley, “Storms”
Justin Bieber, “Believe”
Marianas Trench, “Ever After”
Single of the Year:
Billy Talent, “Viking Death March”
Carly Rae Jepsen, “Call Me Maybe”
Hedley, “Kiss You Inside Out”
Serena Ryder, “Stompa”
The Sheepdogs, “The Way It Is”
International Album of the Year:
Maroon 5, “Overexposed”
Mumford & Sons, “Babel”
One Direction, “Up All Night”
Rod Stewart, “Merry Christmas, Baby”
Taylor Swift, “Red”
Breakthrough Artist of the Year:
Cold Specks
Elisapie
Grimes
Kira Isabella
The Weeknd
Breakthrough Group of the Year:
Hey Ocean!
Monster Truck
The Pack a.d.
Walk Off the Earth
Yukon Blonde
JUNO Fan Choice Award:
Carly Rae Jepsen
Celine Dion
Drake
Hedley
Justin Bieber
Leonard Cohen
Marianas Trench
Metric
Michael Buble
Nickelback
Pop Album of the Year:
Carly Rae Jepsen, “Kiss”
Justin Bieber, “Believe”
Kristina Maria, “Tell The World”
Nelly Furtado, “The Spirit Indestructible”
Victoria Duffield, “Shut Up and Dance”
Rock Album of the Year:
Big Wreck, “Albatross”
Billy Talent, “Dead Silence”
Rush, “Clockwork Angels”
The Sheepdogs, “The Sheepdogs”
The Tragically Hip, “Now For Plan A”
Alternative Album of the Year:
Hannah Georgas, “Hannah Georgas”
Japandroids, “Celebration Rock”
Metric, “Synthetica”
Said The Whale, “Little Mountain”
Stars, “The North”
Country Album of the Year:
Chad Brownlee, “Love Me Or Leave Me”
Dallas Smith, “Jumped Right In”
Dean Brody, “Dirt”
Emerson Drive, “Roll”
Johnny Reid, “Fire It Up”
Video of the Year:
Drake, “HYFR”
Alan Doyle, “Testify”
Johnny Reid, “Fire It Up”
Walk Off the Earth, “Little Boxes”
Of Monsters and Men, “Little Talks”