2/10付
★「God’s Plan」さらにストリーミングが伸びて2週連続第1位
★一方「Diplomatic Immunity」は...
★ジャスティン、アルバムから2曲目のTOP10内初登場
★ミーゴス、ビートルズと並ぶ大記録達成
★ドレイク、歴代2位にあと1曲
★史上初のHOT100=52週以上3曲記録したアーティストは?
★ミーゴス、ものすごいストリーミング数でアルバム初登場第1位
★クリス・ステイプルトン、グラミー効果でカントリーTOP3独占は史上3人目
2/10付。今週のビルボード・シングル・チャートから。
今週の第1位は先週以上にストリーミング数を伸ばしたドレイクの「God’s Plan」です。2週連続第1位。先週8240万ストリームで歴代4位とご紹介しましたが、今週はさらに伸ばして8330万ストリームス(歴代4位)でストリーミング・チャート2週連続第1位となりました。デジタル・セールスは1位から4位へダウン。ラジオ・ソングスでは30位に初登場してきました。
先週7位に初登場したドレイクの「Diplomatic Immunity」は今週一気に55位へダウンです。7位からのダウン記録では、この曲は12年10/20に記録されたテイラー・スウィフトの「Begin Again」の7位から52位へのダウンを上回って7位からの歴代1位のダウン記録となってしまいました。ちなみにTOP10からの最大ダウン・ポイントは08年8/23に記録されたジョナス・ブラザーズ「Tonight」の8位から74位へダウンした66ポイントです。このジャンプアップやウルトラダウンの記録はあくまでもHOT100内の移動の記録なので圏外からの初登場、圏外へのダウンは含まれていません。初登場の方は、前週リリースされていないため前週順位が圏外でも存在しない場合が多いので集計対象にするのは難しいですが、ダウンの方は翌週HOT100圏外でのランキングはあるので参考記録で1曲ご紹介します。ダウン幅は92ポイント以上、9位からHOT100圏外へ消えたという曲を覚えていらっしゃいますでしょうか。それも9位初登場(14年3/29)で登場週数1週で翌週は100位から消えました。ソーコーの「We Might Be Dead By Tomorrow」です。
第9位にはジャスティン・ティンバーレイク・フィーチャリング・クリス・ステイプルトンの「Say Something」がいきなり初登場です。1/25にオフィシャル・ビデオがリリースされました。98,000ダウンロードでデジタル・セールスで13位から1位。ジャスティン・ティンバーレイク7曲目の第1位です。ストリーミングは40位に初登場。1/20付でアルバム『Man Of The Woods』からのファースト・シングル「Filthy」がやはり9位に初登場(今週は51位)していました。これでジャスティン・ティンバーレイクはソロで19曲目のTOP10ヒットとなり、プリンス、フランキー・ヴァリ(フランキー・ヴァリ&フォー・シーズンズを含む)と並びました。ジャスティン・ティンバーレイクは6/22パリから8/24オランダ・アーネムまでのヨーロッパで16公演と、9/19ケンタッキー州レキシントンから2019/1/29デンバーまでの31公演の北米ツアーが発表されています。
クリス・ステイプルトンは初のTOP10ヒットとなりました。そしてまたもやジャスティン・ティンバーレイクのおかげです。そもそも彼のデビュー・アルバム『Traveller』は2015年5月にアルバム・チャートで最高位14位を記録して断続的に7週間チャート・インしました。9/26を最後にチャートから消えましたが、11/14にCMAでジャスティン・ティンバーレイクと収録曲の「Tennessee Whiskey」をパフォーマンスしたことが大好評。さらに最優秀アルバムと最優秀男性ヴォーカル、最優秀新人の3部門を受賞して一気に人気が高まり、どんどんメディアにも取り上げられて11/21付で『Traveller』がアルバム・チャートで1位に再登場したのです。それまでおよそ半年合計で96,000枚のセールスが1週間で153,000枚売れて1位に再登場しました。
11位には12位からビービー・レクサ&フロリダ・ジョージア・ラインの「Meant To Be」がアップです。この曲、今週カントリー・ソングス・チャートで初登場以来10週連続第1位となりました。このチャートで女性アーティストの10週間の第1位は2012年、13年に合計10週間の第1位を記録したテイラー・スウィフトの「We Are Never Ever Getting Back Together」と並んで女性アーティストの1位週数記録歴代1位タイとなりました。
12位には先週の52位からミーゴスの「Stir Fry」(登場6週目)がジャンプアップしてきました。今週アルバム『Culture II』の初登場でHOT100にはミーゴスの曲がなんと11曲初登場。すでにアルバムからチャートインしていた「MotorSport」(ミーゴス、ニッキー・ミナージュ&カーディB、最高位6位、今週8位)とグッチ・メインのアルバムに収録されている「I Get The Bag」(最高位11位、今週37位)にフィーチャリング・アーティストとして登場していて合計14曲が同時に登場という快挙を達成しました。グループで14曲がHOT100に同時エントリーはビートルズと並ぶ歴代1位曲数です。ビートルズはTOP5を独占した1964年4/4の翌週の4/11にこの記録を作りました。4/11は4/4にTOP5に入った5曲がTOP10に残っていて、TOP10=5曲同一アーティストの記録を2週連続で記録しています。ビートルズだけのビルボード記録です。HOT100同一アーティスト同時エントリー記録ではオール・アーティストではドレイクが昨年4/8に歴代1位曲数となる24曲同時エントリーを果たしています。
ミーゴスの11曲の初登場のひとつ、18位に初登場したのが「Walk It Talk It」でフィーチャリング・アーティストがドレイクとなっています。ドレイク160曲目のHOT100エントリーです。また、この曲で70曲目のTOP40ヒットとなりました。歴代3位です。
TOP40エントリー曲数ランキング:
1位 80曲 Elvis Presley
2位 71曲 Lil Wayne
3位 70曲 Drake
4位 57曲 Elton John
5位 55曲 Taylor Swift
さて、イマジン・ドラゴンズですが「Thunder」(最高位4位)が今週9位から10位、「Believer」(最高位4位)が28位から29位にランキングされています。ロック・ソングス・チャートでは「Thunder」は昨年11/18から14週連続で第1位です。「Believer」は今週HOT100登場52週目です。これでイマジン・ドラゴンズは52週間以上チャートインした曲が「Radioactive」(87週=歴代1位週数、最高位13年3位、年間13年3位、14年57位)、「Demons」(61週、最高位13年6位、年間13年62位、14年23位)に続いて3曲目となりました。52週以上を3曲記録したのはイマジン・ドラゴンズが初めてです。「Thunder」も今週40週目でまだ10位なので、4曲目の52週間チャートイン曲になるでしょう。「Radioactive」が87週を記録した後、HOT100のエントリー・ルールが変わり、53週以上は26位以下にランキングされないとなりましたのでこの87週はもう破られない大記録となったと思います。HOT100では52週以上チャートインした曲は「Believer」が59曲目とのことです。
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2/10付。今週のビルボード・アルバム・チャートから。
今週の第1位はHOT100でアルバムから13曲同時エントリーを果たしたミーゴスの『Culture II』が初登場です。199,000EAU、実売は38,000枚でした。ストリーミングがすごくて2億2560万ストリームスを記録しました。これが15万枚分のアルバム・セールスに換算されたため第1位での初登場となりました。このストリームス数は昨年5/6に227,000EAUを記録して初登場1位に輝いたケンドリック・ラマーの『DAWN.』以来とのことです。この時は3億7700万ストリームスを記録しました。ミーゴスは前作『Culture』も131,000EAUで17年2/18に1位に初登場しましていますが、この時もストリーミングで稼いでいて1億1560万ストリームスを記録しています。ラップ・グループとして2枚以上のアルバム1位は5組目とのことです。ビースティ・ボーイズが4枚、あとトライブ・コールド・クエスト、ボーン・サグスン・ハーモニー、D12がそれぞれ2枚のNo.1アルバムを記録しています。
アルバムチャートは実売のセールスに加えて収録曲のダウンロードやストリーミング回数も加味してランキングされています。EAUは換算枚数をあらわしています。
今週はTOP10内初登場はあと1枚あります。
第3位に初登場したのが、UKのダンス・トリオ、アボヴ&ビヨンドの4枚目のスタジオ・アルバム『Common Ground』です。彼らにとって初のTOP10入りで過去最高順位となりました。64,000EAUで実売ではミーゴスを上回る62,000枚のセールスです。12/29にスタートした『2017-2018 USツアー』のコンサート・チケットにアルバム購入権が付いていて、それで実売でのアルバム・セールスを押し上げました。
今週はグラミー賞の影響が現れたチャートでした。受賞したりパフォーマンスした主なアーティストの作品の順位の変動は以下のとおりです。
10 → 4 24K Magic / Bruno Mars
6 → 6 DAWN. / Kendrick Lamar (セールスは31%アップしました)
15 → 9 American Teen / Khalid
22 → 14 Ctrl / SZA
55 → 18 From A Room: Volume 2 / Chris Stapleton
32 → 20 2018 Grammy Nominees / Various Artists
43 → 22 Beautiful Trauma / P!nk
112 → 38 “Awaken, My Love!” / Childish Gambino
127 → 45 Rainbow / Kesha
129 Re-Entry Know-It-All / Alessia Cara
この中でクリス・ステイプルトンは、デビュー・アルバム『Traveller』が45位から24位、セカンド・アルバム『From A Room: Volume 1』も74位から28位とジャンプアップしています。カントリー・アルバム・チャートでは『Volume 2』が7位から1位、『Traveller』が4位から2位、『Volume 1』が10位から3位となんとTOP3を独占してしまいました。同一アーティストのTOP3独占は3人目で、チャーリー・リッチが1974年に8週間、1992年にはガース・ブルックスが11週間TOP3独占を達成しています。