4/21付
★今週も1位はドレイク。でも初登場!
★デジタル・セールスで男性ソロ歴代1位タイ。カナディアン・アーティスト1位曲数も歴代1位タイ
★2曲以上の初登場1位は4人目
★ソングライターに15人の名前。なぜ?
★1位2位同一アーティストは18組目
★同一アーティスト2曲連続1位独占は13組目
★TOP5=3曲同時エントリーは4組目
★R&Bヒップホップ・ソングス1位曲数ランキング
★ラップ・ソングス1位曲数ランキング
★カーディB、ストリーミングの記録を大きく塗り替えて初登場1位。HOT100に13曲同時エントリー
★第53回ACM受賞作品
★訃報:アヴィーチー
4/21付。今週のビルボード・シングル・チャートから。
今週も第1位はドレイクですが、なんと初登場第1位で「Nice For What」が入りました。6040万ストリームスでストリーミング・チャート4曲目の第1位。88,000ダウンロードでデジタル・セールス9曲目の第1位。デジタル・セールスではテイラー・スウィフト(15曲)、リアーナ(14曲)、ケイティ・ペリー(11曲)に次いでエミネムと並んで歴代4位タイ、男性ソロでは歴代1位タイとなりました。ラジオ・ソングスは34位に初登場しました。
ドレイクはHOT100で5曲目の第1位です。カナディアン・アーティストとしてはジャスティン・ビーバーと並んで歴代1位タイ。2位は4曲でセリーヌ・ディオンとブライアン・アダムスが並んでいます。
初登場1位はHOT100史上30曲目(「I’m Your Angel」はビルボードではカウントされません)。ドレイクは「God’s Plan」に続いて2曲目の初登場第1位です。複数曲の初登場1位では3曲がトップでマライア・キャリーただ一人。2曲にブリトニー・スピアーズ、ジャスティン・ビーバーとドレイクが並んでいます。
TOP10は25曲目。HOT100は162曲目のエントリー。男性ソロではTOP10はエルヴィス・プレスリーと並んで歴代4位タイ。HOT100はグリーの207曲に次いで歴代2位。男性ソロでは2位のリル・ウェイン(137曲:オール・アーティストで歴代3位)を大きく引き離しています。
この曲はローリン・ヒルの「Ex-Factor」(99年最高位21位)をサンプリングしています。この「Ex-Factor」がウータン・クランの「Can It Be All So Simple」を使っていて、「Can It Be All So Simple」がグラディス・ナイト&ザ・ピップスの「The Way We Were」をサンプリングしていて、この曲がバーブラ・ストライサンドのカバーということでソングライターにはマービン・ハムリッシュをはじめ、15人もの名前がクレジットされていました。
ということで先週まで11週連続第1位だったドレイクの「God’s Plan」は第2位にダウンしました。1位、2位が同一アーティストというケースは18組目です。最初は1964年2/22のビートルズで1位「I Want To Hold Your Hand」、2位「She Loves You」でした。最近では2017年7/22にフィーチャリング・アーティストで登場したジャスティン・ビーバー(1位「Despacito」、2位「I’m The One」)以来とのことです。
またHOT100チャートで同一アーティストが2曲連続で1位を独占したケースは
13組目とのことです。最初はこれもビートルズで1964年3/21付で「She Loves You」が「I Want to Hold Your Hand」に代わって1位になりました。他には、ボーイズ・II・メン、パフ・ダディ、ジャ・ルール、ネリー、アウトキャスト、アッシャー、T.I.、ブラック・アイド・ピーズ、テイラー・スウィフト、ザ・ウィークエンド、ジャスティン・ビーバーが記録しています。ビートルズ、アッシャー、ジャスティン・ビーバーは2回記録しました。ビートルズは唯一同一アーティスト3曲連続1位独占を達成しています。
また、ドレイクは先週はミーゴス・フィーチャリング・ドレイクの「Walk It Talk It」が10位に入ってTOP10=3曲同時エントリーを達成しましたが、今週この曲は12位にダウン。代わって「Nice For What」が1位に初登場、「God’s Plan」が2位、ブロックボーイ・JB・フィーチャリング・ドレイクの「Look Alive」が5位変わらずということでTOP5=3曲同時エントリーを達成しました。これはビートルズ、50セント、ジャスティン・ビーバー以来史上4組目の達成です。同一アーティストのTOP5最多エントリーはご存じビートルズの1964年4/4付の5曲独占です。
この曲はR&Bヒップ・ホップ・ソングス・チャートで18曲目の第1位となりました。R&Bヒップ・ホップ・ソングス・チャートは1958年10/20にスタートしたHOT R&B Sidesが原型です。1958年からの1位獲得曲数ランキングは以下のとおりです。
1位 20曲 Aretha Franklin
1位 20曲 Stevie Wonder
3位 18曲 Drake
4位 17曲 James Brown
5位 15曲 Janet Jackson
6位 14曲 Temptations
7位 13曲 Marvin Gaye
7位 13曲 Michael Jackson
7位 13曲 Usher
1989年にスタートしたラップ・ソングス・チャートでもこの曲は初登場第1位で、ドレイクの1位獲得曲数は19曲となりました。リル・ウェイン、ディディ(パフ・ダディ)の10曲を大きく引き離して歴代1位独走中です。
第8位にはカーディB、バッド・バニー&J・バルヴィンの「I Like It」が初登場しました。それぞれ5曲目、初めて、2曲目のTOP10入りです。デジタル・ソングス・チャート第2位、ストリーミングでは第9位に初登場しました。実はこの曲には歴史があります。1967年ラテン・ピアニストのピート・ロドリゲス「I Like It Like That」がオリジナルで、この曲を1997年ブラックアウト・オールスターズが「I Liek It」としてリメイク。HOT100で最高位25位を記録しました。ブラックアウト・オールスターズはラテン・グループで、レイ・バレット、シーラE、ティト・プエンテ、ティト・ニエヴェスなどにジャズ・アーティストのグローヴァー・ワシントン・ジュニアも参加しています。
カーディBは今週ビルボード200で『Invasion Of Privacy』が初登場1位となりました。このリリースで今週はHOT100に13曲が同時にエントリーしています。女性アーティストのHOT100同時エントリー曲数記録では2016年5/14にアルバム『Lemonade』がリリースされた時に記録されたビヨンセの12曲を抜いて1位となりました。『Invasion Of Privacy』は13曲入りなんですがすでにHOT100チャートから消えている「Bodak Yellow」を除いた12曲とアルバム未収録でブルーノ・マーズとのコラボ「Finesse」がHOT100に入っているため13曲のエントリーとなりました。
https://item.rakuten.co.jp/americanpie/mcanb002801402
最高位50位から51位にダウンしましたが、カントリー・エアプレイ・チャートでは今週登場43週目にして1位になったのがジョーダン・デイヴィスの「Singles You Up」です。デビュー・アルバム『Home State』は4/7付でカントリー・アルバム・チャートに6位(最高位)に初登場しました。ビルボード200では47位(最高位)初登場でした。ジョーダン・デイヴィスは1988年3月30日ルイジアナ州シュリーヴポート生まれの30歳。ナッシュヴィルに移りギターを弾きながらカントリー・シンガーとして活動しメジャー・デビューにチャレンジしてきました。2年前にユニバーサル・ミュージックと契約し、この曲でデビューとなりました。カントリー・エアプレイ・チャートでデビュー・シングルが1位になったのは、1/27「Yours」で1位になったラッセル・ディケンズ以来です。
83位と92位にニッキー・ミナージュが初登場しました。83位が「Barbie Tingz」、92位が「Chun-Li」で、ともにリード・アクトでフィーチャリング・アーティストが付いていません。HOT100登場は合計86曲となり、女性アーティストとしてはHOT100登場曲数歴代1位を更新中です。2位はテイラー・スウィフトの76曲、3位がアレサ・フランクリン71曲と続いています。オール・アーティストでは歴代8位の曲数です。2010年「Knockout」(リル・ウェイン・フィーチャリング・ニッキー・ミナージュ、最高位44位)でHOT100デビューしてからたった8年で86曲!100曲を超えるのは来年?いや、アルバムをリリースしたらその週に超えそうです。
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4/21付。今週のビルボード・アルバム・チャートから。
今週の第1位はカーディBの『Invasion Of Privacy』が初登場しました。女性ラッパーのNo.1は2012年ニッキー・ミナージュの『Pink Friday: Roman Reloaded』以来5人目です。他にイヴ、フォクシー・ブラウン、ローリン・ヒルが1位になっています。ちなみに過去1年だけで男性ラッパーは7人が1位になっています。255,000EAU、実売は103,000枚でした。2億260万ストリームスを稼ぎ、これが135,000枚のセールスに換算されました。女性アーティストのアルバム・チャート週間ストリーミング数としてはこれまでの記録、ビヨンセの『Lemonade』(2016年5/14)の1億1520万を大きく上回りました。デビュー・アルバムでのストリーミング数としてはこれもリル・ウージー・ヴァートの『Luv Is Rage 2』(2017年9/16)の1億5060万を大きく更新です。2億260万ストリームスはアルバム・チャートでの週間ストリーミング数で歴代第7位に入りました。1位はドレイク『More Life』が昨年4/8に記録した3億8480万ストリームスです。
アルバムチャートは実売のセールスに加えて収録曲のダウンロードやストリーミング回数も加味してランキングされています。EAUは換算枚数をあらわしています。
今週のTOP10内初登場はあと2枚あります。
第2位に初登場したのが、ロック・バンド、サーティ・セカンズ・トゥ・マーズの5枚目のスタジオ・アルバム『America』です。62,000EAU、実売は54,000枚でした。2002年に『30 Seconds To Mars』でデビュー。最高位は107位でした。その後、リリースされたアルバムの最高位が36位、18位、前作『Love, Lust, Faith and Dreams』が6位、そして今作が2位と着実に人気上昇中です。12月から1月にかけてオルタナティヴ・ソングス・チャートで8週間第2位を記録した「Walk On Water」が収録されています。
第10位には白人ラッパー、リル・ザンのデビュー・アルバム『Total Xanarchy』が初登場しました。1996年9月6日カリフォルニア州レッドランズ生まれの21歳です。リル・ザンという名前は若者がその依存症に苦しんでいるという精神安定剤『Xanax』から付けたとのこと。アンチ・ザナックスを広める活動をしていてその代表曲がこのアルバムに収録されている「Betrayed」です。YouTubeでは1億4000万回以上再生されました。HOT100では最高位64位(2/17)を記録しています。また、ディエゴという名前に改名するかもとも言っています。
13位と36位にはエルトン・ジョンとバーニー・トウピンの作品集が入りました。
13位が『Revamp: Reimagining The Songs Of Elton John & Bernie Taupin』。これはロック・アルバム・チャートで2位に初登場。ピンク、エド・シーランなどが参加しています。
36位は『Restoration: Reimagining The Songs Of Elton John And Bernie Taupin』。こちらはカントリー・アルバム・チャートで初登場第4位でした。リトル・ビッグ・タウン、クリス・ステイプルトン、ウィリー・ネルソン、マレン・モリスなどが参加しています。
エルトン・ジョンとバーニー・トウピンの作品集は過去にもリリースされヒットしました。92年に最高位18位を記録したのが『Two Rooms: Celebrating The Songs Of Elton John & Bernie Taupin』です。こちらはエリック・クラプトン、スティング、ロッド・スチュワート、ビーチ・ボーイズ、ホール&オーツ、フィル・コリンズなどが参加していました。
https://item.rakuten.co.jp/americanpie/bgrt36077
64位にはカイリー・ミノーグの『Golden』が初登場しました。9枚目のエントリーです。今回はインディ・レーベルからリリースされました。UKでは2010年『Aphrodite』以来8年ぶり6枚目のNo.1となっています。オーストラリアでは2014年『Kiss Me Once』以来5枚目の第1位となりました。
第53回ACMアワードの授賞式が4/15ラス・ヴェガスのMGMガーデン・アリーナで行われました。ホストは6年ぶり15回目のホストとなったリバ・マッキンタイアでした。受賞作品は以下のとおりです。
ENTERTAINER OF THE YEAR: Jason Aldean
FEMALE VOCALIST OF THE YEAR: Miranda Lambert
MALE VOCALIST OF THE YEAR: Chris Stapleton
VOCAL DUO OF THE YEAR: Brothers Osborne
VOCAL GROUP OF THE YEAR: Old Dominion
NEW FEMALE VOCALIST OF THE YEAR: Lauren Alaina
NEW MALE VOCALIST OF THE YEAR: Brett Young
NEW VOCAL DUO OR GROUP OF THE YEAR: Midland
ALBUM OF THE YEAR: From a Room Vol. 1 / Chris Stapleton
SINGLE RECORD OF THE YEAR: Body Like a Back Road / Sam Hunt
SONG OF THE YEAR: Tin Man / Miranda Lambert (Songwriters: Jack Ingram, Miranda Lambert Jon Randall)
VIDEO OF THE YEAR: It Ain’t My Fault / Brothers Osborne
SONGWRITER OF THE YEAR: Rhett Akins
VOCAL EVENT OF THE YEAR: The Fighter / Keith Urban Featuring Carrie Underwood
★訃報です。EDMの先駆者、アヴィーチーが4/20滞在先のオマーンの首都マスカットで死去しました。28歳でした。死因は明かされていません。アヴィーチーは1989年9月8日スウェーデン・ストックホルム生まれ。18歳のころからDJ活動を本格化して「Levels」のヒットで注目を集めます。ヨーロッパでは軒並みTOP10入りを果たし、HOT100ではこの曲でデビュー、12年に最高位60位を記録しました。最大のヒット曲「Wake Me Up」はHOT100で13年に最高位4位を記録。YouTubeでは15億回近くの再生回数を記録しています。一方で健康問題を常に抱えていて、2012年には急性膵炎で入院、2013年に再発。2014年には盲腸と胆のうを摘出。2016年3月に健康上の理由でツアー引退を発表していました。来日コンサートは3年連続キャンセルされた後でツアー引退を発表した後の2016年6月に行われています。2012年から2013年にかけての1年間の収入ランキングがフォーブス誌で発表されていますが、EDMのDJとしては第6位で約20億円の収入があったそうです。この時の1位は46億円のカルヴィン・ハリスでした。桁違いですね。ご冥福をお祈りします。