2018/7/14 Billboard Chart

最新全米音楽事情

7/14付

★今週はドレイクが多くの記録を一瞬にして抜き去りました:

★「Nice For What 」史上初の3度目の1位返り咲き★TOP10=7曲同時エントリー(新記録)★1枚のアルバムから7曲のTOP10ヒット(タイ記録)★HOT100同時エントリー曲数(新記録)★TOP10内同時初登場(新記録)★TOP10内初登場曲数(新記録)★TOP10ヒット曲数(歴代3位タイ)★TOP20ヒット曲数(新記録)★TOP20内同時エントリー曲数(新記録)★TOP40ヒット曲数(新記録)★TOP40内同時エントリー曲数(新記録)★週間ストリーミング数(新記録)★HOT100登場曲数(歴代2位)★ストリーミング・チャート同時エントリー曲数(新記録)★ストリーミング・チャートTOP10内当時エントリー曲数(新記録)★ドレイクのおかげでマライアとマイケルも!★アルバムは8枚連続第1位(タイ記録)

★キャリー・アンダーウッド、カントリーでデビューからの大記録更新

★リパブリック・レコードTOP3独占

★ジャズファンに捧ぐジョン・コルトレーンの未発表音源

 

7/14付。今週のビルボード・シングル・チャートから。

 


https://item.rakuten.co.jp/americanpie/rpblb002882802

今週の第1位は先々週3位、先週6位に下がっていたドレイクの「Nice For What」がビルボード史上初となる3度目の1位返り咲きを果たしました。通算で8週目の第1位です。今週はアルバム『Scorpion』がビルボード200に初登場。収録曲25曲がすべてHOT100に登場するなど数々の記録が生まれました。

アーティスト・ランキングであるアーティスト100では3/3「God’s Plan」がHOT100で5週目の第1位の週以来通算27週目の第1位となりました。27週の1位はテイラー・スウィフトの36週に次いで歴代第2位。3位は15週でザ・ウィークエンドです。

 

今週アルバム『Scorpion』から7曲がTOP10に入っています。7曲同時TOP10入りはこれまで5曲同時TOP10入りの1964年4/4(TOP5独占)、4/11のビートルズの記録を塗り替え史上初です。また1枚のアルバムからTOP10ヒットが7曲誕生したのは4枚目です。以下のとおりです。ジャネットのみすべてTOP5ヒットでした。順位は最高位です。

 

* Scorpion / Drake (2018)
No. 1 God’s Plan(11週)
No. 1 Nice for What(8週)
No. 2 Nonstop
No. 6 In My Feelings
No. 7 I’m Upset
No. 8 Emotionless
No. 9 Don’t Matter to Me (Feat. Michael Jackson)

 

* Rhythm Nation 1814 / Janet Jackson (1989-1991)
No. 1 Miss You Much(4週)
No. 2 Rhythm Nation
No. 1 Escapade(3週)
No. 4 Alright
No. 2 Come Back to Me
No. 1 Black Cat(1週)
No. 1 Love Will Never Do (Without You)(1週)
ジャネットは8枚目のラジオ・シングル「State Of The World」をリリースしてエアプレイ・チャートで最高位5位を記録しましたが、CDシングルなどフィジカル・リリースがなかったため当時のルールではHOT100入りできませんでした。

 

* Born in the U.S.A. / Bruce Springsteen (1984-86)
No. 2 Dancing in the Dark
No. 7 Cover Me
No. 9 Born in the U.S.A.
No. 6 I’m on Fire
No. 5 Glory Days
No. 9 I’m Goin’ Down
No. 6 My Hometown

 

* Thriller / Michael Jackson (1983-84)
No. 2 The Girl Is Mine (with Paul McCartney)
No. 1 Billie Jean(7週)
No. 1 Beat It(3週)
No. 5 Wanna Be Startin’ Somethin’
No. 7 Human Nature
No. 10 P.Y.T. (Pretty Young Thing)
No. 4 Thriller

 

2枚組アルバム『Scorpion』収録の25曲すべてとあと2曲HOT100に同時に入りHOT100同時エントリー曲数も27曲でドレイクが新記録を更新しました。これまでは24曲で2017年4/8のドレイク。

 

今週はTOP10内にドレイクが4曲同時にHOT100チャートで初登場しました。TOP10内4曲当時HOT100チャート初登場は新記録。これまではアルバム『KOD』リリース時の3曲で今年5/5のJ.コール。ドレイクはこれでTOP10内初登場曲数は16曲となりテイラー・スウィフトの14曲を一瞬で抜いてしまいました。

 

TOP10ヒット曲数でみると今週5曲が新たにTOP10に入り合計31曲となりました。こちらではマイケル・ジャクソンの30曲を抜いて歴代3位タイ。1位はマドンナ38曲、2位ビートルズ34曲、もう一人の3位がリアーナです。今後リアーナとドレイクが歴代1位を争いそうです。

 

TOP20には9曲が初登場してこれで合計55曲となりました。こちらもエルヴィス・プレスリーの48曲を一瞬で抜いて歴代1位になりました。初登場以外にも3曲TOP20に入っていて、TOP20同時エントリー曲数もポスト・マローンが今年5/12に作った9曲を上回る12曲で歴代1位となりました。

 

次はTOP40ヒット。今週17曲がTOP40に同時初登場で合計91曲となりこれも一瞬でエルヴィスの80曲を抜いて歴代1位となりました。初登場17曲にさらに4曲エントリーしていますので合計21曲は、TOP40同時エントリー曲数としては5/12のポスト・マローンの14曲を大きく上回って歴代1位です。

 

週間ストリーミング数でも歴代1位です。今週はドレイクのストリーミング数が7億4592万で5/12『beerbongs & bentleys』リリース時のポスト・マローンの4億3130万を大きく塗り替えました。この記録の週間TOP10ではドレイクはアルバム『More Life』リリース時の3億8484万が歴代3位。『More Life』2週目の2億5349万が歴代6位。2016年『Views』リリース時の2億4509万が歴代7位とTOP10に4回名を残しています。2016年『Views』リリースの2億4509万もすごい数字でしたがわずか2年で3倍になるとは。ストリーミングはまだまだ伸びます。HOT100で大ヒットするにはいかにストリーミングがヒットするかが大きな決め手です。ロックやカントリーはやはり不利なんでしょうか。

HOT100では今週ドレイクだけで22曲が初登場。ドレイクのHOT100登場曲数は一気に186曲となりました。グリー・キャストがあのブームの中、わずか4年4ヶ月で作った207曲に次いで歴代2位ですが、これも歴代1位も見えてきました。次のアルバムで一気に塗り替えそうです。それまでに「フィーチャリング・ドレイク」もたくさん初登場しそうです。3位はリル・ウェインの138曲です。

ストリーミング・チャートでは収録されている25曲すべてとあと3曲の合計28曲がエントリーしました。もちろん28曲同時エントリーは歴代1位。これまでは21曲同時エントリーで2017年4/8の『More Life』リリース時のドレイクでした。実は3位もドレイクでこれは2016年5/21『Views』リリース時で20曲が同時にエントリーしました。このチャートで20曲以上同時にエントリーしたのはドレイクだけということです。この28曲のうちTOP10内に9曲エントリーしました。1位から8位と10位です。TOP10内9曲同時ももちろん新記録。これまではポスト・マローンが今年5/12に記録した8曲同時でした。

今週は「Nice For What」がストリーミング4190万で10位、ラジオ・ソングス5位にもかかわらず1位に返り咲きました。HOT100でのラップ・ソングス1位はこれで24週連続と記録更新中です。

2位に初登場したのはドレイクの「Nonstop」です。こちらは5860万ストリームスでストリーミング・チャート初登場第1位。このうち5720万ストリームスがポイント比率の高いオンデマンド・ストリーミングで、オンデマンド・チャートでは1位の「Nonstop」から19位までがドレイクでした。ちなみに20位はジュース・ワールドの「Lucid Dreams」(HOT100では先週の3位から今週逆ドレイク効果で16位へダウン)です。こちらのチャートでは6曲目の第1位でこれもジャスティン・ビーバーの4曲をすでに抜いていて自らの歴代1位の曲数を更新しました。

第8位に初登場した「Emotionless」はマライア・キャリーの「Emotions」(91年1位)をサンプリングしていますので、ソング・ライターにマライア・キャリーの名前がありました。マライアはソングライターとして25曲目のTOP10入りです。

第9位に初登場した「Don’t Matter To Me」は「フィーチャリング・マイケル・ジャクソン」とクレジットされています。マイケル・ジャクソンにとって30曲目のTOP10ヒットとなりました。83年にレコーディングされていたマイケルのヴォーカルを使っています。マイケルは51曲目のHOT100入りですが、「フィーチャリング」で入ったのは初めて。2009年に亡くなってからは4曲目のHOT100入りとなりました。

HOT100チャートTOP10曲数ランキング

1位 38曲 Madonna
2位 34曲 Beatles
3位 31曲 Drake, Rihanna
5位 30曲 Michael Jackson
6位 28曲 Mariah Carey, Stevie Wonder
8位 27曲 Janet Jackson, Elton John

 

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87位にはキャリー・アンダーウッドの「Cry Pretty」が再登場しました。最高位は48位です。今週カントリー・エアプレイチャートで11位から10位にアップ。プロモ・シングルとかシーズンものを除いてデビューから27曲連続TOP10入りというすごい記録を更新中です。デビューからの記録でない連続TOP10入り記録はキース・アーバンの38曲です。「Cry Pretty」はキャリー・アンダーウッドのキャピトル・レコード移籍第1弾アルバム『Cry Pretty』からのファースト・シングルです。アルバムは9/14にリリースされます。2005年の『アメリカン・アイドル シーズン4』で優勝して「Jesus, The The Wheel」が2006年1/21からカントリー・エアプレイ・チャートで6週間第1位を記録。その曲からこの曲「Cry Pretty」まで27曲連続でTOP10入りを果たしました。そのうち15曲が1位になっています。この曲は4/15のACMアワードでパフォーマンスしてエアプレイにデジタル・セールス、ストリーミングのポイントも加えたカントリー・ソングス・チャートでは4/28付で20位から一気に5位(最高位)まで上がりました。今週は17位です。キャリーに次ぐデビューからの連続TOP10入り記録は92年から97年に記録されたトレイシー・ローレンスの19曲です。デビューからという条件を除いてもカントリー・エアプレイ・チャート連続TOP10入りで現在継続している最多曲数はキャリー・アンダーウッドの27曲ですが2位は25曲でルーク・ブライアンです。このうち19曲が1位になっています。TOP10曲数でみると女性アーティストでは1位がリーバ・マッキンタイアの36曲が1位。キャリー・アンダーウッドは2位の曲数。オール・アーティストではジョージ・ストレイトが61曲のTOP10ヒットを記録しています。このチャートは1990年からですが、カントリー・シングル・チャートでジョージ・ストレイトは1989年までに18曲のNo.1を含む25曲がTOP10入りを果たしています。

 

 

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7/14付。今週のビルボード・アルバム・チャートから。

 

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今週の第1位はHOT100チャートで数々の記録を作ったドレイクの『Scorpion』です。732,000EAU、実売は160,000枚でした。7億4592万ストリームスを記録しましたので、これが55万枚のセールスに換算されました。ドレイクはデビューEP『So Far Gone』が2009年最高位6位でしたが、その後のデビュー・アルバムからのフル・アルバムでは8枚連続で第1位を継続中です。1位枚数ではヒップホップ・アーティストでジェイZの14枚に次いでカニエ・ウエスト、エミネムと並んで歴代第2位タイとなりました。8枚連続第1位はカニエ・ウエスト、エミネム(ともに継続中)とビートルズと並んで歴代1位タイとのことです。

 

2016年5/21付で初登場1位だった『Views』と比較するとたった2年で時代が大きく変わったことがわかります。換算のセールス枚数は『Scorpion』が732,000EAU、『Views』は104万EAUでした。問題なのはその内訳で、『Scorpion』はストリーミングが7億4590万、実売(すべてデジタル・セールス、CDは7/13リリース)が160,000枚に対して『Views』はストリーミングが2億4590万、デジタル・セールスが851,000枚もありました。CDは翌週発売になっています。このデジタルの凋落ぶりに比べてストリーミングが完全に主役になっています。

 

アルバムチャートは実売のセールスに加えて収録曲のダウンロードやストリーミング回数も加味してランキングされています。EAUは換算枚数をあらわしています。

今週のTOP10内初登場はあと2枚あります。

 

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第2位に初登場したのが、フローレンス&ザ・マシンの『High As Hope』です。84,000EAU、実売は74,000枚でした。2015年『How Big How Blue Beautiful』(第1位)以来のリリースです。1986年8月28日ロンドン生まれのフローレンス・ウェルチ。2009年のデビュー・アルバム『Lungs』(2010年最高位14位)はUKのブリット・アワードで最優秀アルバムを受賞。アメリカでは4枚目のスタジオ・アルバムで3枚連続TOP10入りとなりました。アメリカでも人気を不動のものとしています。

 

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第4位にはゴリラズの『The Now Now』が初登場。63,000EAU、実売は52,000枚のセールスでした。オリジナル・メンバーのマードック・ニカルスが服役中のため代わりにカートゥン・アニメ『パワーパフガールズ』に登場する緑色の不良集団「ギャングリーン・ギャング」のリーダー、エースがベースを務めるとのことです。2017年最高位2位の『Humanz』以来5枚目のTOP10入りです。このアルバムを引っ提げての来日公演が6月にありました。

今週は1位ドレイク、2位フローレンス&ザ・マシン、3位が先週と変わらずポスト・マローンの『beerbongs & bentleys』とリパブリック・レコードが初めてTOP3を独占しました。一つのレーベルでのビルボード200のTOP3独占は15年ぶりです。2003年5/31以来で1位マリリン・マンソン『The Golden Age Of Grotesque』、2位50セント『Get Rich Or Die Tryin’』、3位コールドの『Year Of The Spider』。レーベルはインタースコープでした。

 

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ガンズ・アンド・ローゼズの『Appetite For Destruction』が29年ぶりにTOP10に入り、今週10位に再登場しました。1987年8/29に182位に初登場。88年8/6と9/24から10/8、89年2/11の合計5週間第1位に輝きました。88年年間第6位、89年年間第5位の大ヒットです。今週はデラックス・エディションのリリースで89年4/15以来のTOP10返り咲きとなりました。デラックス・エディションにはオリジナル12曲に加えて18曲のボーナス・トラックスが収録されています。スーパー・デラックス・エディションは4CD+1ブルーレイ+7LP+77”で合計73曲が収録されています。

 

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第21位にはなんとジャズ・ジャイアンツ、ジョン・コルトレーンの『Both Directions At Once: The Lost Album』が初登場。22,000EAU、実売は21,000枚です。ビルボード200には6枚目の登場で初のTOP40入りとなりました。ジャズ・アルバム・チャート初登場第1位。4枚目の第1位です。ジョン・コルトレーンは67年7/17に亡くなっているのですが、このアルバムはマッコイ・タイナー、ジミー・ギャリソン、エルヴィン・ジョーンズとの『黄金のカルテット』でのセッションで、1963年3月6日にニュー・ジャージー州ヴァン・ゲルダー・スタジオで行なわれました。『John Coltrane and Johnny Hartman』の収録前日に行われたセッションとのことです。2曲が未発表のオリジナル曲です。これまでセッションの記録はありましたが音源が見つかっていませんでした。当時の妻ナイーマに渡していたモノラル録音のリファレンステープが彼女の遺族によって発見されリリースとなりました。