佐藤直人の今週の洋楽この1曲!(第36回)
私が独断と偏見で毎週1曲ずつご紹介します。
1980年のチャートを見ていた時、1/19付ですが、1位は「Rock With You」マイケル・ジャクソン、2位が「Do That To Me One More Time」キャプテン&テニール、3位が「Escape」ルパート・ホームズとなっていましたが、ずっと見ていくとこの週、最高位7位を記録したのがクリフ・リチャードの「We Don’t Talk Anymore」(「恋はこれっきり」)でした。
クリフ・リチャードといえば、『サンダーバード』ファンの私にとって、忘れられないシーンがあります。リアルタイムでは見ていませんが、1966年に公開された映画『サンダーバード』で、クリフ・リチャードが出てくるんです。
もちろん人形劇ですから人形で出てくるんですが、クリフ・リチャードJrという役名でシャドウズを従えて、2曲披露していました。「シューティング・スター」とインストゥルメンタルの「レディ・ペネロープ」。サンダーバードのメンバーのペネロープの声を日本語吹き替えしたのが黒柳徹子さんでしたね。
これを見て、国民的映画に国民的歌手が出てくるなんてすごい!って思ったんです。
クリフ・リチャードといえば、イギリスでは「Sir」の称号をもつ国民的歌手です。昨年通算100枚目のアルバムをリリースしたとか。1940年10月14日生まれで現在73歳。「ヤング・ワン」、「コングラチュレーションズ」、「しあわせの朝」など50年代後半から60年代にイギリスを中心としてヒット曲を連発していました。70年代にようやくアメリカでも「デヴィル・ウーマン」や「恋はこれっきり」、「ドリーミン」などがヒット。イギリスでの長年にわたっての功績を称えられて1995年にミュージシャンとしては最初にエリザベス女王からナイトの称号をもらっています。
思い出すのは、1996年のウィンブルドン・テニス女子準決勝です。ナイトの称号をもらった翌年でした。この試合は世界ランク1位のグラフ対13位の伊達公子という好試合。試合が雨で中断したおかげでこの日に決着がつかず、翌日に持ち越して結局グラフが勝ったという結果だったんですが、この試合をNHKで中継していました。
テニスにそんなに興味がなかった私も、伊達がどこまでいくのかという興味があって、さらにこの年の4月に有明で伊達がグラフに勝っていることもあって、この試合でもという期待があって、見てみようと思ったのかもしれません。
でも中継が始まると、試合は行われてなくて、雨なんです。これで中止なのかと思ったら、なんと観客席の上の方で一人の男性が立ち上がって、アカペラで歌を歌い始めたのです。知っている歌でした。アメリカではヒットしなかったけれど、FMでこの人の特集をやっていてテープに録音して何度も聴いていました。
クリフ・リチャードだったんです。彼が立ち上がって「サマー・ホリデイ」を歌い始めると、観客は最初はびっくりしていましたが、そのうち一緒に歌い始めるんです。
これには感動しました。すごい得した感じがしました。クリフ・リチャードの生歌が聴けたということだけじゃなくて、イギリスではこういうことが起こるんだ、日本にはありえないことが、と当時思ったのです。これを生で見れたことがとてもうれしくて、それを今でも覚えています。
これが本当の国民的歌手なんだって。
ということで「佐藤直人の今週の洋楽この1曲!」は、クリフ・リチャードの「Summer Holiday」です。
Cliff Richard / Private Collection
Cliff Richard / The Whole Story – His Greatest Hits
http://item.rakuten.co.jp/americanpie/emdi5293222
クリフ・リチャード関連アルバムはこちらです。
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