佐藤直人の今週の洋楽この１曲！（第３９回）

私が独断と偏見で毎週１曲ずつご紹介します。

今回は２／７に５２歳の誕生日を迎えた、ガース・ブルックスです。

先週ご紹介したニール・ダイアモンドとともに、日米での人気、認知度が極端に違うスーパースターです。

全米アルバム・セールスをアーティスト別に見るとＴＯＰ１０は以下の通りです。(2014/2/7現在　２枚組のアルバムの場合、２枚とカウントされています。）

１位　１億７７００万枚　ビートルズ
２位　１億３４５０万枚　エルヴィス・プレスリー
３位　１億２８００万枚　ガース・ブルックス
４位　１億１１５０万枚　レッド・ツェッペリン
５位　１億枚　　　　　　イーグルス
６位　　　８１５０万枚　ビリー・ジョエル
７位　　　７５５０万枚　マイケル・ジャクソン
８位　　　７４５０万枚　ピンク・フロイド
９位　　　７２００万枚　エルトン・ジョン
１０位　　　７１５０万枚　ＡＣ／ＤＣ
１０位　　　７１５０万枚　バーブラ・ストライサンド

マイケル・ジャクソンよりもビリー・ジョエルよりも上で、この上にはビートルズとエルヴィスしかいない。それなのに日本では知らないですね。日本盤は出たのでしょうが、どれだけ売れたんでしょう。

アメリカでは、アルバムを発売するたびに長い間１位をつづけ、あっという間に３００万、４００万枚のセールスを記録。ポップ・アルバム・チャートでは最高位３位ながら「No Fences」（９０年発売）は１７００万枚も売れたんです。１０００万枚以上売れたアルバムは実に６枚！！

このガース・ブルックスですが、１９９０年『Garth Brooks』でデビュー。カントリー・アルバム・チャートでは８週間２位を記録しました。次の『No Fences』はカントリーでは４１週間、その次の『Ropin’ The Wind』は３３週間も１位を記録したんです。

最後のオリジナル・アルバム『Scarecrow』が発売されたのが２００１年。ですからほとんど１０年ぐらいでアメリカだけで１億枚以上売っちゃったんですね。まさしくアメリカを代表するアーティストです。

それが２００１年に離婚をきっかけに、子供ともっと過ごす時間を増やしたいとの理由で突如引退。それ以来オリジナル・アルバムは制作されていません。ベスト盤はその後新しく発売されており、『Ultimate Collection』は２００７年に最高位３位（カントリーではもちろん１位）を記録。さらに昨年この『Ultimate Collection』(2CD+DVD)にライブＤＶＤと新しく発表されたＣＤ４枚を加えた８枚組のボックスセット『Blame It All On My Roots: Five Decades Of Influences』を発表。ポップ・チャート、カントリー・チャートで１位を記録しました。

私がガース・ブルックスで一番印象的だったのが、ニュー・ヨーク・セントラル・パークでのフリー・コンサートです。

１９９７年８月７日。これ日本でも放送したんですね。その時のビデオがあります。
アンコールで「American Pie」を歌ったんです。そしてドン・マクリーンもステージに現れた。一緒に歌ってました。

また、ガース・ブルックスのカントリー・ソングス・チャートでの９１年のＮｏ．１ヒット「Shameless」は、オリジナルはビリー・ジョエルです。これも歌いました。そしてその後にビリー・ジョエルがステージに登場。９３年カントリーで第１位の「Ain’t Goin’ Down (‘Til the Sun Comes Up)」とビリー・ジョエルの名曲「New York State of Mind」（邦題：ニューヨークの想い）を一緒にパフォーマンスしました。２度目のアンコールでこの夜の２０曲目ではまたビリー・ジョエルが登場してビリー・ジョエルの８０年（最高位７位）のヒット曲「You May Be Right」（邦題：ガラスのニューヨーク）をやりました。このコンサートはすごかった。

２００８年にビリー・ジョエルが、取り壊される前のニュー・ヨーク・シェイ・スタジアムでこの曲をやる時に、今度はゲストでガース・ブルックスが現れて一緒に歌いました。このビリー・ジョエルのライブ・アルバムには他にもジョン・メイヤーやポール・マッカートニー、トニー・ベネットなども登場してこのライブもすごかった。

ガース・ブルックス、日本では知る人ぞ知るアーティストではもったいない。

ということで「佐藤直人の今週の洋楽この１曲！」は、ガース・ブルックスの「Shameless」です。

Garth Brooks / Blame It All On My Roots: Five Decades Of Influences

http://item.rakuten.co.jp/americanpie/garth2013/