7/5 最新全米ヒットチャート解説 / 佐藤直人の今週の洋楽この1曲!(第54回)

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7/5付。今週の全米アルバムチャートから。

 

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今週の第1位はUKでも第1位、1986年6月21日ニュー・ヨーク生まれの28歳、ラナ・デル・レイのセカンド・アルバム『Ultraviolence』です。182,000枚のセールス。2012年に発売されたデビュー・アルバム『Born To Die』は最高位2位でした。こちらは今年100万枚を突破しています。デビュー・アルバム発売直後に『アメリカン・アイドル』にゲスト出演して以来のTV出演で今回プロモーションしました。女性アーティストのファースト・ウィーク・セールスとしては今年最高の売り上げでした。

 

 
今週のTOP10内初登場はあと5枚あります。

 

 

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第2位がUKではすでに1位、シングル「Stay With Me」がHOT100で5位上昇中のサム・スミスのデビュー・アルバム『In The Lonely Hour』です。166,000枚売れました。こちらもTV出演をこなし、また、アポロ・シアターでもライブを行いました。「Stay With Me」ではメアリー・J.ブライジとコラボしたそうです。

 

 

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第3位が6枚目のスタジオ・アルバムとなったリンキン・パークの『The Hunting Party』。11万枚のセールス。ということで今週はTOP3が10万枚以上のセールスを記録したのですが、CD、ダウンロードともにアルバムが売れない昨今でTOP3すべて10万枚以上のセールスを記録したのは、クリスマス・シーズンを除くと昨年の10/6付以来とのことです。このアルバムはロック・アルバム・チャートでは『[Hybrid Theory]』(2000年)、『Meteola』(2003年)、『Living Things』(2012年)に続いて4枚目の1位となりました。また今回のプロデューサーは2003年以来のリック・ルービンではなく、メンバー自らが手がけています。アルバムにはラップ・アーティストのラキムや、レイジ・アゲインスト・ザ・マシンのトム・モレロ、システム・オブ・ア・ダウンのダロン・マラキアン、ヘルメットのペイジ・ハミルトンが参加しています。

 

 

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第5位にはカントリー・アルバム・チャートで12枚目の1位となった、ウィリー・ネルソンの『Band Of Brothers』です。カントリー・アルバム・チャートでは1986年5月31日付の『The Promiseland』以来なんと28年ぶりの1位でした。この次の1位までの期間が28年というのは、カントリー・アルバム・チャートでは歴代2位の記録だそうで、1位は、1971年に『Man In Black』が1位になって以来、生前では再び1位になることがなく、死後3年たって2006年に発売されたアルバム『American V: A Hundred Highway』が35年ぶりに1位になったジョニー・キャッシュだそうです。ウィリー・ネルソンとしてはビルボード200では前作『To All The Girls』(2013年9位)に続いて3枚目のTOP10入りとなりました。今回も前回と同様、また、つい最近ソロでは初めてポップでTOP10に入ったドリー・パートン同様、ショッピング・チャンネルのQVCの強力なサポートで売り上げを伸ばしました。

 

 

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第8位に初登場したのが、ジェニファー・ロペスの『A.K.A.』。33,000枚のセールスなんですが、ちょっと少ないですね。ジェニファー・ロペスとしては発売第1週のセールスの最低記録となってしまいました。これまでは2007年に発売されたスペイン語アルバムの『Como Ama Una Mujer』の48,000枚でした。しかし、R&Bヒップホップ・アルバムでは『J.Lo』(2001年)、『J To The L-O! The Remixes』(2002年)以来の3枚目の第1位です。HOT100では、ワールド・カップの公式テーマソング「We Are One (Ole Ola)」をピットブルとブラジル人シンガー、クライディア・レイチとコラボしてヒット中(最高位59位)ですが、このアルバムからのシングル「First Love」も今週87位に初登場しました。

 

 

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もう1枚の初登場はデッドマウス(表記はDeadmau5)のアルバム『While (1<2) 』です。3万枚のセールスですが、これはすべてダウンロードでのセールスです。CDは1週間遅れで発売されましたので、こちらの分は来週カウントされます。ダンス/エレクトロニック・アルバム・チャートで初登場第1位です。

 

 

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さて、昨年9月に日本公演が予定されていたのが延期になって、今年1月に実現。アンコールも含め26曲の彼の歌唱を堪能された方は幸せです。フランキー・ヴァリ。この延期の理由が、フランキー・ヴァリ&フォー・シーズンズの結成、その後の成功、そして解散までのストーリーの大ヒット・ミュージカル『Jersey Boys』が、クリント・イーストウッド監督で映画化されることになり、監督自らの要請でフランキー・ヴァリ本人に撮影に立ち会って欲しいとのことでした。その時期が来日公演と重なっての延期でした。その映画が完成して6/20に公開されました。6/22までの3日間で週間興行成績第4位。このヒットで、アルバム・チャートには2003年に発売された『The Very Best Of Frankie Valli & The Four Seasons』が41位に初登場。さらにすでにミュージカル・アルバムのチャートであるキャスト・アルバム・チャートでは78週間1位を記録している『Jersey Boys』が149位に再登場しました。

 

 

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訃報です。R&Bアーティストのボビー・ウーマックが6/27に亡くなりました。70歳でした。1944年クリーヴランド生まれで、10歳の時に兄弟でゴスペル・グループを結成してデビュー。その後サム・クックに認められてバックバンドに入り、ギタリストとして活躍しました。1964年の作品「It’s All Over Now」はローリング・ストーンズのUKでの最初のNo.1ソングになりました。R&Bシングル・チャートには45曲が登場し、72年の「Woman’s Gotta Have It」と、74年に発表された62年のデビュー・シングル「Lookin’ For A Love」のニュー・バージョンが第1位になっています。また、ストーンズの86年第5位の大ヒット曲「Harlem Shuffle」ではバック・ヴォーカルで参加。2010年にはゴリラズとコラボした「Stylo」がオルタナティヴ・ソングス・チャートで24位、2012年に18年ぶりに発表されたアルバム『The Bravest Man In The Universe』はダンス/エレクトロニック・アルバム・チャートで6位を記録するなど、幅広いジャンルで活躍しました。2009年にロックの殿堂入りを果たした後、前立腺がんやアルツハイマーとの闘病を自ら告白していました。ご冥福をお祈りします。

 

ボビー・ウーマックのオールタイムTOP10ヒットです。

 

1. Lookin’ For A Love (HOT100:1974年最高位10位/R&B:1位)
2. Nobody Wants You When You’re Down And Out (73/29, 73/2)
3. That’s The Way I Feel About Cha (72/27, 72/2)
4. Harry Hippie (73/31, 73/8)
5. Fly Me To The Moon (68/52, 68/16)
6. California Dreamin’ (69/43, 69/20)
7. Sweet Caroline (Good Times Never Seemed So Good) (72/51, 72/16)
8. Woman’s Gotta Have It (72/60, 72/1)
9. Across 110th Street (73/56, 73/19)
10. You’re Welcome Stop On By (74/59, 74/5)

 

 

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7/5付。今週の全米シングルチャートから。

 

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今週の第1位は、これで5週連続第1位となったイギー・アザリア・フィーチャリング・チャーリーXCXの「Fancy」です。そして2位もまた5週連続、通算6週目の「Problem」、アリアナ・グランデ・フィーチャリング・イギー・アザリアです。

 
同一アーティストによる1位2位独占という記録で5週間以上それが続いたというケースになりましたが、女性ではアシャンティが2002年に「Foolish」とファット・ジョーのフィーチャリングで参加した「What’s Luv」で5週間連続で記録していました。この連続記録の最長はビートルズの10週間(1964年)ですが、他にはアウトキャスト(8週間、2003年)、ビー・ジーズ(5週間、1978年)、T.I.(5週間、2008年)、ファーレル・ウィリアムス(5週間、2013年)などがあります。

 
2位のアリアナ・グランデは早くも次のシングルが決まりました。「Break Free」という曲で「Clarity」が大ヒットしたゼッドとのコラボだそうです。アルバム『My Everything』は8/25発売予定です。

 

 

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3位にはカナダのレゲエ4人組MAGIC!の「Rude」が入っています。順位は先週と変わりませんが、デジタル・ソングスで2位から1位、ストリーミングで9位から4位、ラジオ・ソングスで8位から5位とポイントを増やして、上位2曲に迫ってきました。デジタル・ソングス・チャートは2005年2月12日付から今週まで163曲が1位になっているそうですが、レゲエが1位になったのは、2007年のショーン・キングストン「Beautiful Girls」以来2曲目です。

 

 

14位にはマルーン5の新曲「Maps」が初登場。デジタル・ソングスで6位、ラジオ・ソングスでは32位に初登場しました。5枚目のスタジオ・アルバム『V』は9/2発売です。

 
「Dark Horse」が11位、「Birthday」が19位に入っているケイティ・ペリーですが、このほど、デジタル・セールス+オンデマンド・ストリームスの合計が7200万となり、RIAAから表彰されました。オンデマンド・ストリームスは100ストリームスで、デジタル・セールス1回と数えるようです。また、ゴールド・シングル18枚、プラチナ・シングル16枚、マルチ・プラチナ・シングル56枚を記録しているそうです。通常ゴールド=50万枚、プラチナ=100万枚、マルチ・プラチナ=200万枚以上なんですが、それですと7200万と計算が合いません。実はデジタル・セールスではゴールド=10万、プラチナ=20万という時代が続いていました。デジタル・セールスにオンデマンド・ストリームスを加えるようになった2013年9月からゴールド=50万、プラチナ=100万にしたようです。

今週の47位にはイマジン・ドラゴンズの「Demons」が入っています。最高位6位で今週登場からなんと61週目。HOT100で60週間以上チャートインした全13曲をご紹介しますが、1枚のアルバムに60週以上チャートインした曲が2曲入っているのはイマジン・ドラゴンズだけです。

 
1位 87週 Radioactive / Imagine Dragons (13/3)
2位 79週 Sail / AWOLNATION (13/17)
3位 76週 I’m Yours / Jason Mraz (08/6)
4位 69週 How Do I Live / LeAnn Rimes (97/2)
5位 68週 Party Rock Anthem / LMFAO featuring Lauren Bennett & GoonRock (11/1)
6位 65週 Rolling in the Deep / Adele (11/1)
6位 65週 You Were Meant for Me/Foolish Games / Jewel (97/2)
8位 64週 Before He Cheats / Carrie Underwood (07/8)
9位 62週 Ho Hey / Lumineers (12/3)
9位 62週 You and Me / Lifehouse (05/5)
11位 61週 Demon / Imagine Dragons (13/6)
12位 60週 Need You Now / Lady Antebellum (10/2)
12位 60週 Macarena / Los Del Rio (96/1)

 
96年に「Macarena」がリエントリーして1位になって消えるまで60週を超えるなんて考えられなかったんですね。その後も90年代は2曲だけ。13曲中7曲がまだ4年半しかたっていない2010年代ということを考えると、今の集計方法の場合、これからもけっこう登場しそうです。

 

 

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さて、マイケル・ジャクソンが亡くなったのが2009年6月25日。あれから5年がたちました。ビルボードではジャクソン5、ジャクソンズ、ソロ、コラボをすべて含めたマイケル・ジャクソンのオールタイム・シングルTOP50を発表していましたのでご紹介します。

 
50 Lookin’ Through The Windows / The Jackson 5 (72/16)
49 Torture / The Jacksons (84/17)
48 Get It Together / The Jackson 5 (73/28)
47 You Rock My World / Michael Jackson (01/10)
46 Heartbreak Hotel / The Jacksons (81/22)
45 Corner Of The Sky / The Jackson 5 (82/18)
44 Little Bitty Pretty One / The Jackson 5 (72/13)
43 I Want To Be Where You Are / Michael Jackson (72/16)
42 Butterflies / Michael Jackson (02/14)
41 I Am Love (Parts I & II) / The Jackson 5 (75/15)

 

40 Lovely One / The Jacksons (80/12)
39 Another Part Of Me / Michael Jackson (88/11)
38 P.Y.T. (Pretty Young Thing) / Michael Jackson (83/10)
37 Sugar Daddy / The Jackson 5 (72/10)
36 In The Closet / Michael Jackson (92/6)
35 Off The Wall / Michael Jackson (80/10)
34 She’s Out Of My Life / Michael Jackson (80/10)
33 Scream/Childhood / Michael Jackson & Janet Jackson (95/5)
32 Will You Be There / Michael Jackson (93/7)
31 Human Nature / Michael Jackson (83/7)

 

30 Smooth Criminal / Michael Jackson (89/7)
29 Mama’s Pearl / The Jackson 5 (71/2)
28 Thriller / Michael Jackson (84/4)
27 Enjoy Yourself / The Jacksons (77/6)
26 Shake Your Body (Down To The Ground) / The Jacksons (79/7)
25 Wanna Be Startin’ Somethin’ / Michael Jackson (83/5)
24 Remember The Time / Michael Jackson (92/3)
23 State Of Shock / The Jacksons (84/3)
22 You Are Not Alone / Michael Jackson (95/1)
21 Ben / Michael Jackson (72/1)

 

20 Never Can Say Goodbye / The Jackson 5 (71/2)
19 Rockin’ Robin / Michael Jackson (72/2)
18 Don’t Stop ‘Til You Get Enough / Michael Jackson (79/1)
17 Dirty Diana / Michael Jackson (88/1)
16 Got To Be There / Michael Jackson (71/4)
15 Bad / Michael Jackson (87/1)
14 I Just Can’t Stop Loving You / Michael Jackson with Siedah Garrett (87/1)
13 Black Or White / Michael Jackson (91/1)
12 The Way You Make Me Feel / Michael Jackson (88/1)
11 The Love You Save/I Found That Girl / The Jackson 5 (70/1)

 

10 The Girl Is Mine / Michael Jackson & Paul McCartney (83/2)
9 ABC / The Jackson 5 (70/1)
8 I Want You Back / The Jackson 5 (70/1)
7 Man In The Mirror / Michael Jackson (88/1)
6 Dancing Machine / The Jackson 5 (74/2)
5 Rock With You / Michael Jackson (80/1)
4 Beat It / Michael Jackson (83/1)
3 I’ll Be There / The Jackson 5 (70/1)
2 Billie Jean / Michael Jackson (83/1)
1 Say Say Say / Paul McCartney & Michael Jackson (83/1)

 

 

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佐藤直人の今週の洋楽この1曲!(第54回)

 
私が独断と偏見で毎週1曲ずつご紹介します。

 

 

まだCDというものが存在しない時代、私は部屋にLPのジャケットを飾っていました。

 

何枚か飾って、新しく気に入ったのが出ると入れ替えたりして。

 
でも買ってからずっと最後まで飾っていたLPがあります。

 
これがジャケットもよかったし、中身もよかった。

 
夜聴くのには最高だ!なんて当時思って、カセットに入れて、夜聴きながら首都高をブッ飛ばしていた時代もありました。

 
これを聴きながら一人で部屋で酒を飲んでいた時もありました。

 
今でもまたこれを聴きながら夜の首都高をブッ飛ばしたい、いや安全運転で。

 
グローヴァー・ワシントン・ジュニアのアルバム『Winelight』です。

 
珍しくジャズ・アルバムからシングル・ヒットが出て、このアルバムの中でビル・ウィザーズが歌っている「Just The Two Of Us」はHOT100で最高位2位、1981年年間18位を記録する大ヒットになりました。邦題が「クリスタルの恋人たち」。

 
でも私はアルバム1曲目のタイトル・ソング「Winelight」が好きだなあ。

 
グローヴァー・ワシントン・ジュニアのアルト・サックス、エリック・ゲイルのギター、リチャード・ティーのキーボード、ポール・グリフィン、レイモンド・チョウのクラビネット、マーカス・ミラーのベース、スティーヴ・ガッドのドラムス、そしてラルフ・マクドナルドのコンガ、パーカッション。一流のプレイヤーばかりです。

 
もっともこのアルバムを買ったきっかけは「Just The Two Of Us」のヒットでそのシングルを買いに行ったらそれがなくて、仕方なくアルバムを買ったというものでしたが、ジャケットは買った時からすごく気に入っていました。

 
そしてレコードの1曲目に針を落として、このLPを買ってよかったって思ったんです。

 
ということで「佐藤直人の今週の洋楽この1曲!」は、グローヴァー・ワシントン・ジュニアの「Winelight」です。

 
こちらに収録されています。

 

Grover Washington Jr. / Winelight

 

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