9/19付。今週のビルボード・アルバム・チャートから。
今週の第1位は今年2番目のファースト・ウィーク・セールスを記録したザ・ウィークエンドの『Beauty Behind The Madness』です。412,000EAU(換算枚数)のセールスでした。実売は326,000枚です。アルバム・チャートは実売のセールスに加えて収録曲のダウンロードやストリーミング回数も加味してランキングされています。EAUは換算枚数をあらわしています。今年のファースト・ウィーク・セールス第1位はドレイクの『If You’re Reading This It’s Too Late』(535,000EAU、実売495,000枚)です。またザ・ウィークエンドはこれで『Trilogy』(2012年4位)、『Kiss Land』(2013年2位)に続いて3作連続でTOP10入りとなりました。8/30に放送されたMTVヴィデオ・ミュージック・アワードでのパフォーマンスもセールスに貢献しています。
今週のTOP10内初登場はあと4枚あります。
第2位に初登場したのは本名アシュリー・フランジペイン、1994年9月29日ニュー・ジャージー州ワシントン生まれ、20歳のシンガー・ソングライター、ホルジーのデビュー・アルバム『Badlands』です。115,000枚のセールスでオルタナティヴ・アルバム・チャートで初登場1位でした。ニュー・ヨークの地下鉄の駅名”Halsey Streey”と本名の”Ashley”の文字位置を変えて”Haley”という名前をアーティスト名にしたそうです。昨年発売されたEP『Room 93』はアルバム・チャートで159位を記録しました。
http://item.rakuten.co.jp/americanpie/dtrsb002317202
第7位に初登場したのがカントリー女性デュオ、マディ&ティーのデビュー・アルバム『Start Here』です。「Girl In A Country Song」はカントリー・エアプレイ・チャートで第1位を記録。「Fly」もTOP10に入りました。本名マディ・マーロウ(リード・ヴォーカル)とテイラー・エリザベス・ダイ(ヴォーカル&ギター)の2人組です。アルバム収録曲11曲すべての作品を彼女たち自身で作詞作曲しています。プロデューサーはアーロン・シュルツとダン・ハフ。アーロン・シュルツはアルバムの5曲にソングライターとしても参加しました。カントリー・アルバム・チャートでは初登場2位でした。女性デュオのアルバムとしては2006年最高位4位のレッカーズ(ミッシェル・ブランチ&ジェシカ・ハープ)の『Stand Still, Look Pretty』以来のハイ・ポジションです。カントリー・アルバム・チャートで女性デュオのNo.1アルバムはジャッズの『Greatest Hits』(1988/10/29)以来出ていません。
第8位はビーチ・ハウスの『Depression Cherry』です。彼らはフランス生まれのヴィクトリア・ルグランとボルティモア生まれのアレックス・スカリーのデュオで2004年に結成されました。今作は5枚目のスタジオ・アルバムで、ロック・アルバム・チャートで初登場1位です。
第9位は1986年11月6日オクラホマ州タルサ生まれのベン・レクターの6枚目のスタジオ・アルバム『Brand New』です。2006年アーカンサス大学1年の時に初EPを製作。その中に収録されている「Conversation」が同年『ジョン・レノン・ソングライティング・コンテスト』で優勝して、2007年『Twenty Tomorrow』でデビューしました。
17位には53位からトリー・ケリーの『Unbreakable Smile』が急上昇。MTVヴィデオ・ミュージック・アワードでニッキー・ミナージュとコラボして「Should’ve Been Us」がデジタル・セールスで49位から19位へ急上昇。それに伴ってアルバム・セールスもアップしました。
63位にはジミ・ヘンドリックスの『Freedom: Atlanta Pop Festival』が初登場。46枚目のチャートインです。1970年7月4日に30-40万人を集めたといわれている伝説のライブ、第2回アトランタ・インターナショナル・ポップ・フェスティヴァルでの収録です。このライブのドキュメンタリーが9/4にアメリカのTV局ショータイムで放送されました。映画館での一般公開は10/30とのことです。
11/4にナッシュヴィルのブリジストン・アリーナで授賞式が行われる2015CMAアワードのノミネートが発表されました。司会は8年連続でキャリー・アンダーウッドとブラッド・ペイズリー。11/4東部時間午後8時からABCで全米生中継されます。
Entertainer of the Year:
Garth Brooks
Luke Bryan
Kenny Chesney
Eric Church
Miranda Lambert
Single of the Year:
American Kids Kenny Chesney
Girl Crush / Little Big Town
I Don’t Dance / Lee Brice
Take Your Time / Sam Hunt
Talladega / Eric Church
Album of the Year:
Old Boots, New Dirt / Jason Aldean
Pageant Material / Kacey Musgraves
Pain Killer / Little Big Town
The Big Revival / Kenny Chesney
Traveller / Chris Stapleton
Female Vocalist of the Year:
Miranda Lambert
Kacey Musgraves
Carrie Underwood
Lee Ann Womack
Kelsea Ballerini
Male Vocalist of the Year:
Dierks Bentley
Luke Bryan
Eric Church
Blake Shelton
Chris Stapleton
New Artist of the Year:
Sam Hunt
Maddie & Tae
Thomas Rhett
Chris Stapleton
Kelsea Ballerini
Vocal Duo of the Year:
Brothers Osborne
Dan + Shay
Florida Georgia Line
Maddie & Tae
Thompson Square
Vocal Group of the Year:
Lady Antebellum
Little Big Town
Rascal Flatts
The Band Perry
Zac Brown Band
Music Video of the Year
Biscuits / Kacey Musgraves
Girl Crush / Little Big Town
Girl In A Country Song / Maddie & Tae
Little Red Wagon / Miranda Lambert
Something In The Water / Carrie Underwood
Song of the Year:
American Kids / Kenny Chesney
Girl Crush / Little Big Town
Like A Cowboy / Randy Houser
Like A Wrecking Ball / Eric Church
Take Your Time / Sam Hunt
Musical Event of the Year:
Django and Jimmie / Willie Nelson & Merle Haggard
Lonely Tonight / Blake Shelton & Ashley Monroe
Raise ‘Em Up / Keith Urban & Eric Church
Smokin’ And Drinkin’ / Miranda Lambert & Little Big Town
Wild Child / Kenny Chesney & Grace Potter
Musician of the Year:
Sam Bush: Mandolin
Jerry Douglas: Dobro
Paul Franklin: Steel Guitar
Dann Huff: Guitar
Mac McAnally: Guitar
(アルバムチャートは実売のセールスに加えて収録曲のダウンロードやストリーミング回数も加味してランキングされています。EAUは換算枚数をあらわしています。)
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9/19付。今週のビルボード・シングル・チャートから。
今週の第1位はなんと初登場です。ジャスティン・ビーバーの「What Do You Mean?」がいきなり飛び込んできました。デジタル・セールスで337,000ダウンロードを記録してこちらも初登場1位。ストリーミングでは2位、ラジオ・ソングスでは28位に初登場しました。デジタルは「Boyfriend」以来2曲目の1位でしたが、HOT100では意外にも初めてのNo.1となりました。チャートイン曲数では47曲目にして初の第1位となったのですが、47曲目にしての初の第1位は、No.1ヒットを出したアーティストの中で、1位になるまでにエントリーした最多曲数なんです。これまでの記録、46曲目で初めて第1位になったアーティストはテイラー・スウィフト(「We Are Never Ever Getting Back Together」2012年)でした。ともにデジタル時代でアルバム発売とともに多くの曲がHOT100にエントリーしてしまうためですね。ちなみに47曲以上のエントリーがありながらNo.1がまだないアーティストは207曲チャートインのグリー・キャストをはじめ、ジェームス・ブラウン、ニッキー・ミナージュ、ジャッキー・ウィルソン、ティム・マックグロウ、ブルック・ベントン、ケニー・チェズニーです。これでいくと、この記録もニッキー・ミナージュが更新しそうですね。
初登場1位はHOT100史上24曲目です。ビルボードでは1998年12月5日付のチャート・ルール改正時に1位になった「I’m Your Angel」(R.ケリー&セリーヌ・ディオン)を初登場1位と認めていません。理由はその週のチャートの前週、前々週の順位に46位、53位と記録されているからです。しかし、この順位はテスト・チャートの順位で前週の11月28日までのHOT100には「I’m Your Angel」はチャートインしていないのでこの曲が初登場1位と認められないのはおかしいと思っています。そのためここではあえて24曲目の初登場1位としました。1994年3月1日生まれのジャスティンは現在21歳。21歳6ヶ月での初登場1位は男性ソロでは史上最年少記録となりました。女性では2004年7月に「I Believe」で初登場1位を記録したファンテイジアの20歳0ヶ月が最年少記録となっています。またHOT100での前回の初登場1位はテイラー・スウィフトの「Shake It Off」(2014/9/6)、男性ソロではバウアーの「Harlem Shake」(2013/3/2)です。これで2009年のブリトニー・スピアーズ「3」に始まってHOT100では毎年初登場1位を記録しています。
第2位はザ・ウィークエンドの「Can’t Feel My Love」が1位からダウンしました。また先週第4位だったザ・ウィークエンドの「The Hills」が3位にアップ。これでTOP3にザ・ウィークエンドの曲が2曲入りました。TOP3に2曲同時は昨年11月29日付で「Blank Space」(13位→1位)、「Shake It Off」(1位→3位)の2曲がTOP3に入ったテイラー・スウィフト以来です。また、アルバム『Beauty Behind The Madness』の発売でザ・ウィークエンドの他の曲もHOT100に初登場しました。アルバムからはすでに「Often」、「Earned It」(今週37位)の2曲がチャートインしましたが、それに加えて2位、3位の曲がすでにエントリーしています。今週は、アルバム収録曲全14曲の残りの10曲のうち8曲が同時に初登場したのです。R&Bヒップホップ・シングル・チャートでは残り10曲すべてが初登場しました。HOT100ではザ・ウィークエンドが今週11曲同時にエントリーしています。
先週記録のことを言ったらそこで途切れてしまうかもと懸念したウォーク・ザ・ムーンですが今週見事に新記録を樹立しました。HOT100では最高位4位で今週17位の「Shut Up And Dance」ですが、ロック・ソングス・チャートで先週までホージアの「Take Me To Church」、イマジン・ドラゴンズの「Radioactive」と並んでいた23週第1位を塗り替え、今週24週目の第1位を記録しました。
今週オルタナティヴ・ソングス・チャートで第1位になったのがエル・キングの「Ex’s And Oh’s」です。HOT100では57位から50位へアップ。1989年7月3日ロス・アンゼルス生まれ。2012年にデビューEP『The Elle King EP』をリリース。チャートには入りませんでしたが、複数の雑誌で2012年注目アーティストに選ばれていました。その後もオブ・モンスターズ&メン、トレイン、ドロップキック・マーフィーズ、ジェームズ・ベイ、エド・シーランなどのツアーに参加してじわじわと人気を増してきました。この曲は待望のデビュー・アルバム『Love Stuff』(最高位37位)からのカットです。そしてこの曲はオルタナティヴ・ソングス・チャートの330曲の歴代のNo.1の中で11曲目の女性ソロ・アーティストによるNo.1ソングとなりました。
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