2/13付。今週のビルボード・シングル・チャートから。
今週も第1位はジャスティン・ビーバー。でも先週まで1位だった「Sorry」ではありません。なんと先週2位だった「Love Yourself」が1位になりました。ジャスティン・ビーバーを落としたのはジャスティン・ビーバーだった。このように2曲連続で1位を独占したのは12組目。全部ご紹介しましょう。
* Justin Bieber: Sorry, Love Yourself (2016)
* The Weeknd: Can’ Feel My Face, The Hills (2015)
* Taylor Swift: Shake It Off, Blank Space (2014)
* Black Eyed Peas: Boom Boom Pow, I Gotta Feeling (2009)
* T.I.: Whatever You Like, Live Your Life (2008)
* Usher: YEAH!, Burn (2004)
* Usher: Burn, Confessions Part II (2004) (“Burn”は間に1週だけFantasiaの”I Believe”が1位になっているので3曲連続にはなりませんでした。)
* OutKast: Hey YA!, The Way You Move (2004)
* Nelly: Hot In Herre, Dilemma
* Ja Rule: Always On Time, Ain’t It Funny (2002)
* Puff Daddy: I’ll Be Missing You, Mo Money Mo Problems (1997)
* Boyz II Men: I’ll Make Love To You, On Bended Knee (1994)
* Beatles: I Want To Hold Your Hand, She Loves You, Can’t Buy Me Love (1964)(3曲連続)
「Love Yourself」はUKでは6週間第1位でした。これでアルバム『Purpose』から3曲連続で1位とはすごいですね。1枚のアルバムから3曲以上のHOT100=1位を記録したのはテイラー・スウィフトの『1989』(2014-15年)以来ですが、男性ソロとなるとなんと10年ぶり。やはりジャスティンでした。2006-2007年にかけてジャスティン・ティンバーレイクのアルバム『FutureSex/LoveSounds』から「SexyBack」、「My Love」、「What Goes Around…Comes Around」が1位になっています。
この曲のソングライターは3人。エド・シーラン、ジャスティン・ビーバー、そしてベンジャミン・レヴィンです。エド・シーランは昨年「Thinking Out Loud」がレギュラー・チャートで最高位2位ながらHOT100年間第2位になりましたが、ソング・ライターとして1位は初めてです。ジャスティンはアルバム『Purpose』からの3曲。そしてベンジャミン“ベニー・ブランコ”レヴィンは7曲目なんです。彼は、リアーナの「Diamonds」とかケシャ、ケイティ・ペリー、マルーン5で1位を記録しています。
5位には12位からフロー・ライダーの「My House」が急上昇。11曲目のTOP10ヒットです。先週からの流れを今週も引き継いでストリーミング(29→19位)、ラジオ・ソングス(32→20位)で大幅に伸びました。デジタル・セールスは3位ら4位へダウンしています。
セレーナ・ゴメスの「Hands To Myself」も急上昇です。先々週37位、先週21位から一気に第7位へ躍進しました。アルバム『Revival』からは3曲目、通算5曲目のTOP10入りです。1/20にオフィシャルのビデオがリリースとなり、1/23にはNBC-TVの人気番組『Saturday Night Live』に出演したことも好影響を与えました。ストリーミングで19位から6位と大幅に伸びています。ラジオ・ソングスはまだ今週37位に初登場というレベルなので、まだ上昇余地はあるかもしれません。
http://item.rakuten.co.jp/americanpie/defb002466302
リアーナが久しぶりにアルバムを発売し、そのファースト・シングル「Work」が今週いきなり9位に初登場しました。50曲目のHOT100ヒットです。ドレイクがフィーチャリングされています。この曲はR&Bヒップホップ・ソングス・チャートでは初登場1位で、リアーナにとって5曲目、ドレイクにとっては14曲目の第1位となりました。またデジタル・セールスも初登場第1位。こちらは実に歴代1位独走中の14曲目の1位です。今週は1/28までの集計なんですが、この曲は1/27の夜9時にリリースされました。27時間でデジタル・セールス1位なんです。そして27といえば、この曲でTOP10入りが27曲目となりました。これは歴代5位タイです。
1位 38曲 マドンナ
2位 34曲 ビートルズ
3位 29曲 マイケル・ジャクソン
4位 28曲 スティーヴィー・ワンダー
5位 27曲 リアーナ、マライア・キャリー、ジャネット・ジャクソン、エルトン・ジョン
しかし、これらのアーティストの中でソロでは最速で27曲目のTOP10ヒットを記録しました。これはHOT100に初めてチャートインしてからの期間での記録なんですが、リアーナは2005年の「Pon De Replay」が初チャートインしてから10年8ヶ月で27曲目のTOP10ヒットを記録しています。これまではマドンナの10年11ヶ月2週間(”Secret”まで)でした。オール・アーティストでは”Get Back”が27曲目のTOP10ヒットとなったビートルズの5年3ヶ月3週間というとてつもないスピード記録が歴代1位です。
★訃報です。また一人、一世を風靡したグループの中心メンバーがこの世を去りました。70年代から90年代にかけて活躍したソウル・グループ、アース・ウインド&ファイアーを結成したモーリス・ホワイトが、2/4、ロス・アンゼルスの自宅で亡くなりました。74歳でした。長年パーキンソン病を患っていたとのことです。また一人、逝ってしまいました。ご冥福をお祈りします。
アース・ウインド&ファイアーといえば、ディスコ全盛時代の日本では「宇宙のファンタジー」が大ヒットしておなじみになりましたが、75年に「Shining Star」が全米No.1になり、74年から79年まで毎年全米TOP40ヒットを記録しました。通算ではHOT100=32曲、TOP10=7曲、No.1=1曲を記録。アルバムは75年から81年まで8枚連続でTOP10入りを記録しています。
HOT100でのオールタイムTOP10ヒットは以下のとおりです。
1. Let’s Groove (81年最高位3位)
2. Shining Star (75/1)
3. After the Love Has Gone (79/2)
4. Sing a Song (76/5)
5. Boogie Wonderland (w/Emotions) (79/6)
6. September (79/8)
7. That’s the Way of the World (75/12)
8. Getaway (76/12)
9. Got To Get You Into My Life (78/9)
10. Serpentine Fire (78/13)
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2/13付。今週のビルボード・アルバム・チャートから。
今週の第1位は、アデルの『25』が3週間ぶりに1位に返り咲きました。通算8週目の第1位です。セールスは合計794万枚となり、来週はいよいよ800万枚突破です。
アルバムチャートは実売のセールスに加えて収録曲のダウンロードやストリーミング回数も加味してランキングされています。EAUは換算枚数をあらわしています。
今週のTOP10内初登場は2枚です。
第3位に入ったのは1983年結成のベテラン・ロック・バンド、メガデスの15枚目のスタジオ・アルバム『Dystopia』です。92年の『Countdown To Extinction』(最高位2位)以来のハイ・ポジション。ビルボード200(アルバム・チャート)ではまだ1位はないんですね。
そして第9位にはいよいよ2/15に授賞式(日本時間2/16)が迫った第58回グラミー賞にノミネートされている主な曲を収録したオムニバス・アルバム『2016 Grammy Nominees』です。
シングル「Work」が27時間でデジタル・セールス1位になったリアーナですが、8枚目のスタジオ・アルバムとなる『ANTI』はTIDALのストリーミングのみで1/27夜にリリースされて、ビルボード200の27位に初登場しました。なんか『27』がでてきますねえ。1/29からデジタル・セールスがスタートして2/5にCDが発売になりました。
UKではデヴィッド・ボウイのアルバム・セールスの勢いが衰えません。アメリカでは『Blackstar』は4位から6位に下りましたが、UKでは3週連続第1位。TOP10に5枚のアルバムが入っています。TOP40には12枚入り、1977年にエルヴィス・プレスリーが亡くなった直後に記録した枚数と並びました。
ところで、アメリカ・レコード協会(RIAA)はビルボードのアルバム・チャートの集計方法と同様に、ストリーミングやトラック・セールスも加えた総合セールスでゴールド、プラチナの認定を行うと発表しました。ポップ・フィールドでゴールド・アルバムは50万枚のセールスです。これまではCD、LPなどのフィジカル・セールスだけで認定していましたが、オン・デマンド・オーディオでは1500回で1枚、ビデオ・ストリームスでも1500回で1枚、トラック・セールスでは10回で1枚のアルバム・セールスに換算するとのことです。また、すでにデジタル・シングル・セールスに取り入れられているオン・デマンド・ストリームスは100回で1ダウンロードとしていたのを150回で1ダウンロードにすると変更されました。
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