★「Closer」史上2曲目の2週連続4冠達成
★バラード!25週かかって新人デュオがTOP10へ
★ACとカントリーで同時1位
★2016 Woman of the Year決定
★ブルーノ・マーズ、オールタイムTOP10ヒット
★ピコ太郎 快挙!
★姉妹でアルバム第1位
★レッチリとレディオヘッド、急上昇の謎
★宇多田今週は?
10/22付。今週のビルボード・シングル・チャートから。
さあ、とうとう8週連続の第1位となりました。今週も第1位はチェインスモーカーズ・フィーチャリング・ホールジーの「Closer」です。デジタル・セールスで9週目、ストリーミングで8週連続第1位。そしてラジオ・ソングスで2週連続第1位でオンデマンド・ソングス・チャートでも9週連続第1位と2週目の4冠達成となりました。4冠達成を2週以上記録したのは、昨年2/7から2/21と3/7から4/4までの合計8週間記録したマーク・ロンソン・フィーチャリング・ブルーノ・マーズの「Uptown Funk!」しかありません。どこまで1位を続けられるか?年間TOP5に入るか?
先週40位から一気に第3位に上がったザ・ウィークエンド・フィーチャリング・ダフト・パンクの「Starboy」ですが、今週は第2位へアップしました。デジタル・セールス、ストリーミングともに2位変わらず。ラジオ・ソングスは16位から8位へアップ。好調です。週間ダウンロード数は「Closer」が下がってきているので、この調子でラジオ・ソングスがアップしていけば十分1位を狙えます。R&Bヒップホップ・ソングス・チャートでは2週連続第1位です。アルバム『Starboy』は11/25発売予定。
今週10位には先週の13位からナッシュ・フィーチャリング・オリビア・オブライエンの「I Hate U I Love U」がアップしました。ナッシュは1993年6月16日ロス・アンゼルス生まれの23歳。本名はギャレット・チャールズ・ナッシュ。昨年来EPを3枚(「u」、「me」、「us」=最高位46位)リリースしています。この曲は「us」からのカットで、今年の2月にリリースされました。オリビア・オブライエンとの共作で、ナッシュ、オリビアともにHOT100で初ヒットです。オリビア・オブライエンは1999年11月26日カリフォルニア州サウザンド・オークス生まれの16歳です。この曲は今年の4月にオーストラリアのシングル・チャートで第1位になっています。HOT100では25週かかってTOP10入りを果たしました。美しいピアノバラードで、詞が泣かせる、PVが自然の中で美しいなどと評判は上々です。PVは1億3000万回以上の視聴回数だとか。25週かかってのTOP10入りは2013年11月9日付で登場27週目にTOP10に入ったイマジン・ドラゴンズの「Demons」以来のスロー記録。ちなみに最も時間がかかってTOP10に入ったのは2006年9月16日に初登場して38週かかって翌年の6月2日にTOP10に入ったキャリー・アンダーウッドの「Before He Cheats」(最高位8位)でしょう。
25位には先週の初登場63位からアップしたナイル・ホーランの「This Town」です。1993年9月13日アイルランド・マリンガー生まれの23歳です。ワン・ダイレクションのメンバーでこの曲でソロ・デビューを果たしました。9/29にリリースされたため、先々週40位に初登場した「Starboy」同様、デジタルとストリーミングは1日だけ、エアプレイは4日間の集計で先週63位に初登場しました。今週はデジタル・セールスで6位から4位、ストリーミングは33位に初登場しました。ワン・ダイレクションからはすでにゼインが「Pillowtalk」で今年の2/20に1位(初登場)を記録しています。グループから複数のアーティストがソロ・デビューした例は結構ありますが、ソロ・デビューしたアーティストすべてが1位を獲ったのはビートルズ、ブラック・アイド・ピーズ、ジェネシスです。
34位は先週の37位からあがったケニー・チェズニー・フィーチャリング・ピンクの「Setting The World On Fire」です。最高位は29位です。今週カントリー・ソングス・チャートで1位になりました。10/28にリリースされるケニー・チェズニー17枚目のスタジオ・アルバム『Some Town Somewhere』に収録されています。ケニー・チェズニーとしては23曲目、ピンクは初の第1位です。ピンクはカナダのフォーク・シンガー、ダラス・グリーンとのプロジェクト、ユー+ミーでアルバム『Rose Ave.』が2014年にフォーク・アルバム・チャートで1位になっています。全くカントリーに縁がなかったわけではないのですね。
http://item.rakuten.co.jp/americanpie/dsnd002227102
そのピンクの「Just Like Fire」ですが今週は38位から43位にダウン。最高位は第10位です。サウンドトラック『Alice Through The Looking Glass』に収録されていますが、今週アダルト・コンテンポラリー・チャートで3週目の第1位なんです。カントリー・ソングス・チャートとACチャートで同時に1位になったのは、ACで「Need You Now」、カントリーで「American Honey」が同時に1位になったレディ・アンテベラム(2010/4/24 – 5/1)以来です。このような例はほかにラスカル・フラッツ、ディクシー・チックス、フェイス・ヒルなどがありました。
ところで、12月9日ニュー・ヨークで授賞式が行われる第11回 Billboard Women In Music の 2016 Woman of the Year にマドンナが選ばれました。今年3月まで行っていた「Rebel Heart Tour」では100万人以上を動員し、1億7000万ドル以上の興行成績を上げました。90年からの集計では、ソロ・アーティストのツアー総収入で13億1000万ドルと歴代1位だそうです。マドンナといえばNo.1アルバム8枚、TOP10入り21枚。シングルでは12曲の第1位。そして38曲のTOP10ヒット曲数は歴代1位です。ダンス・クラブプレイ・ソングス・チャートでは歴代2位の曲数を大きく引き離す46曲のNo.1を記録。グラミー賞は7回受賞と輝かしい記録をもっています。
ところで、11/18に待望のサード・アルバム『24K Magic』(読みはトゥエンティ・フォー・カラット・マジック)がリリースされるブルーノ・マーズですが、それを記念してビルボードがブルーノ・マーズのオールタイムTOP10ヒットを発表しましたのでご紹介します。どれも大ヒットばかり。
1. Uptown Funk! / Mark Ronson featuring Bruno Mars (2015年最高位1位)
2. Just The Way You Are (10/1)
3. Locked Out of Heaven (12/1)
4. Grenade (11/1)
5. Nothin’ On You / B.o.B. featuring Bruno Mars (10/1)
6. When I Was Your Man (13/1)
7. It Will Rain (11/3)
8. Billionaire / Travie McCoy featuring Bruno Mars (10/4)
9. The Lazy Song (11/4)
10. Lighters / Bad Meets Evil featuring Bruno Mars (11/4)
★速報:
10/29付で日本人アーティストがHOT100の77位に初登場しました。日本でも話題沸騰のピコ太郎「PPAP (Pen-Pineapple-Apple-Pen)」です。アーティスト名はPiko-Taroとなっています。10/7に世界134ヶ国で同時配信をスタートして、ジャスティン・ビーバーがツイッターで「お気に入りの動画」とつぶやいて一気に火がつきました。全世界で3億回以上の視聴回数を記録しているとのことです。ストリーミングにデジタル・セールスも加わって、HOT100の77位に初登場しました。日本人のHOT100登場は、松田聖子の「ザ・ライト・コンビネイション」(1990年最高位54位)以来です。ある番組で「目指せ、グラミーですね!」と言っていたのがどこかで現実になるか?
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10/22付。今週のビルボード・アルバム・チャートから。
http://item.rakuten.co.jp/americanpie/sny538746
今週の第1位はソランジュのニュー・アルバム『A Seat At The Table』です。72,000EAU、実売は46,000枚です。CD発売は11/18です。1986年6月24日テキサス州ヒューストン生まれの30歳。姉はビヨンセです。アルバムとしては2008年『Sol-Angel and the Hadley St. Dreams』が初めてTOP10入り(最高位8位)して以来のTOP10入りとなりました。14歳でデビュー。姉のビヨンセが所属していたデスティニーズ・チャイルドの公演でケリー・ローランドがけがで出られなかったときに代わりに出たこともあるそうです。私生活では17歳で結婚、出産。21歳の時に離婚。そして2年前に再婚したそうです。姉ビヨンセはすでに6枚のNo.1アルバムをもっていますが、このように兄弟姉妹でともにNo.1アルバムを記録したのは、有名なところではマイケル・ジャクソン(6枚)とジャネット・ジャクソン(7枚)。あとマスターPとシルク・ザ・ショッカー兄弟があります。
アルバムチャートは実売のセールスに加えて収録曲のダウンロードやストリーミング回数も加味してランキングされています。EAUは換算枚数をあらわしています。
今週のTOP10内初登場はあと2枚です。
第2位に初登場したのが、ウィスコンシン州オークレアで2006年に結成されたフォーク・ロック・バンド、ボン・イヴェールの待望のサード・アルバム『22, A Million』です。71,000EAU、実売58,000枚のセールスでした。2011年の大ヒットアルバム『Bon Iver』でグラミー賞ベスト・オルタナティヴ・アルバムを受賞。あわせて最優秀新人も受賞しています。今年の2月に来日して、東京と大阪でコンサートがありましたね。
第9位に初登場したのがヴァン・モリソンの『Keep Me Singing』です。なんと36枚目のスタジオ・アルバムで過去最高順位を記録しました。3枚目のTOP10とのこと。他の2枚(2012年『Born to Sing: No Plan B』、2008年『Keep It Simple』)は最高位10位なんですね。TOP40入りは20枚目だそうです。今回はケニー・ロジャースもカバーしてヒットした「Share Your Love With Me」が収録されています。ゼムのメンバーとしてデビュー。ソロとなって50周年なんですが、来日は1回もありません。飛行機が大嫌いだそうです。
今週のチャートで目立っていたのが2つ。
ひとつは登場16週目、最高位2位ながら、先々週119位、先週24位から今週第5位に急上昇しているレッド・ホット・チリ・ペッパーズの『The Getaway』です。今週は33,000枚売れました。一体何が起こったのかといいますと、これから行われるツアーのチケットが付いているそうです。過去にも別のアーティストでこういうケースはありましたね。
そしてもうひとつは登場16週目、最高位3位、すでに200位圏外でしたが、今週11位に再登場したのがレディオヘッドの『A Moon Shaped Pool』です。2枚組LP+2枚組CD(1枚はオリジナル・アルバム、もう1枚はオリジナル・アルバム未収録の2曲入りCD)+32ページブックレット付の商品が発売され、これがセールスに寄与したようです。6月にリリースされたCD、LPのセールに加えて今週実売で21,000枚のセールスをカウントしたのですが、そのうち19,000枚はLPでのセールスだそうです。
http://item.rakuten.co.jp/americanpie/snyl302953
ボブ・ディランが10/13にノーベル文学賞を受賞しましたが、スポティファイではその翌日の10/14、ボブ・ディランの全楽曲合計で、前日比約6倍のストリーミング数を記録したそうです。一番伸びたのが「Like A Rolling Stone」で約3.5倍とのことでした。アルバム・セールスなどどの程度チャートに影響してくるでしょうか。
ところで、先週ビルボード200には入りませんでしたが、ワールド・アルバム・チャートで初登場2位だった宇多田ヒカルの『Fantome』ですが、今週は1位になりました。これまでビルボード200では、2004年『Exodus』が10/23に最高位160位、『This Is The One』が2009年4月11日に最高位69位を記録していますが、このアルバムは今週もビルボード200には登場していません。ビルボードによれば、9/28発売で集計対象期間2日間で売り上げが推定1500枚、今週は1週間で2000枚のセールスだったそうです。2000枚だと200位に入らないのですね。