佐藤直人の今週の洋楽この1曲!(第21回)
私が独断と偏見で毎週1曲ずつご紹介します。
きのうもこのグループのメンバーの一人と日暮里で飲みました。楽しかった。私は大学3年から4年の間の春休みにアメリカで24日間のホーム・ステイをしたことがあります。生まれて初めて乗った飛行機がロス・アンゼルス行きでした。学生ばかり30人が参加したツアーでしたが、日本とは全然違うカルチャーに本当にショックを受けました。アナハイムに住んだのですが、まず、道が広い、人が歩いていない、行っている間結果的に雨はたった半日しか降らず、しかもショッピングモールの広い駐車場では誰も傘をさしていない、家には車が2台あってプール付。これで中流の家庭。隣の家との境は芝生で塀なんかない。ラジオ局がいっぱいあって専門チャネルになっているのも驚きでした。
そんなツアーのある日、私のホスト・ファミリーのお父さんが他の家で遊んでいた私ともう一人を仕事帰りにトラックで迎えに来てくれました。助手席に2人は乗れないので私たちはトラックの荷台に乗って帰ったのです。
道路は家路へ向かう車でけっこう混んでいました。ちょっと離れたところに貨物列車が走っていてタンク車に夕陽が当たって、オレンジ色につつまれてとてもきれいでした。荷台に乗っていると信号待ちで隣のレーンの車から陽気なアメリカ人に「Hey!」とか声をかけられたりして。荷台から写真も撮りました。
私がアメリカへ行ったのが81年3月。日本へ帰ってきてからのある日、ふとその写真を見返したときにこの曲が頭の中で流れたのです。ロスの田舎のフィールドの中、夕陽の照り返しでオレンジ色につつまれていたあの光景。この曲を聴くと今でもその光景が浮かぶのです。楽しかった。ちなみにこのグループのメンバーとは毎年飲み会を開いていて、たった24日間の旅行で知り合ったのに今でも交流が続いています。そのうちの2人の男にはお嫁さんを紹介しました。
さて、この曲は歌っている彼女にとって生きている間に録音された最後のアルバムからのサード・シングルです。アルバムの最高位は52位。このシングルも最高位63位で実はアメリカでは全然ヒットしませんでした。リチャード・カーペンターとジョン・ベティスの作品。アルバム『メイド・イン・アメリカ』から「タッチ・ミー」、「バック・イン・マイ・ライフ」に続いて発表されたこの曲、カーペンターズの「Those Good Old Dreams」。日本語のタイトルは「遠い想い出」。今週の「佐藤直人の今週の洋楽この1曲!」です。
オリジナル・アルバム Carpenters / Made In America です。
輸入盤は廃盤なので日本盤をご紹介します。
ベスト盤はこちらをお勧めします。
Carpenters / 40/40