11/12付
★「Closer」落ちない!
★ドレイク、あと3曲で...
★独走!37曲連続TOP10入り
★史上初!2枚のアルバムからそれぞれ5曲のNo.1ヒット
★2010年代女性初4枚のNo.1アルバム
★ペンタトニックス、今シーズンもホリデイ・アルバム第1位
★コーン、ロック・バンド歴代6位のTOP10アルバム枚数に
★レナード・コーエン、4年で3枚連続第1位
★訃報:レナード・コーエン
★UKではエルヴィス、単独1位に
★ドレイク、26週間連続TOP5は史上7枚目
★第50回CMA結果
11/12付。今週のビルボード・シングル・チャートから。
今週の第1位は1位週数今年最長単独1位となったチェインスモーカーズ・フィーチャリング・ホールジーの「Closer」。11週連続第1位です。HOT100で11週以上の1位を記録した曲は21曲目となりました。デジタル・セールスは毎週減っていますがそれでも84,000ダウンロードで12週目の第1位。第1位のダウンロード数としては2006年10月28日付の第1位ヒンダーの「Lips Of An Angel」の75,000ダウンロード以来のレベルとのことです。ストリーミングは11週連続第1位。10/24にオフィシャルのビデオがリリースされています。ラジオ・ソングスは5週連続第1位。ただオンデマンドが2位にダウンしたため、4冠とはなりませんでしたが、HOT100の集計要素3部門での1位独占は5週目となりました。ダンス/エレクトロニック・ソングス・チャートでも11週目の第1位となっています。
第2位はこれで4週連続の第2位となったザ・ウィークエンド・フィーチャリング・ダフト・パンクの「Starboy」です。じわじわと「Closer」に迫っています。デジタル・セールスは2位変わらず、ストリーミングが3位から2位、ラジオ・ソングスが4位から3位になりました。そしてオンデマンドでは「Closer」に代わって第1位になっています。
アメリカではデジタル・セールスの時代は完全に終焉に入っています。早かったですね。2015年のセールスは前年比13%ダウン。今年もここまで25%のマイナスとのことです。一方ストリーミングは2015年で前年比+93%と絶好調です。HOT100で上位にある曲は、セールスではストリーミングが強い曲が伸びて、それからダウンロードも強い曲がさらに上にいくという構造に変わりました。ダウンロードが多くてもストリーミングが弱ければ上位には行けなくなりつつあります。
今週ドレイクが2曲同時にHOT100に初登場しました。12月にリリースが予定されているミックステープ『More Life』に収録されている2曲で、「Fake Love」が24位、21サヴェージをフィーチャリングした「Sneakin’」が38位に初登場。これでHOT100登場曲数は合計129曲となり、ソロ・アーティスト歴代1位、オール・アーティスト歴代2位のリル・ウェインにあと3曲と迫っています。オール・アーティストではグリー・キャストがHOT100に207曲をエントリーさせて歴代1位の曲数です。
カントリーのヒット曲を2曲ご紹介します。
まずHOT100では最高位40位から今週42位へダウンしているのがキース・アーバンの「Blue Ain’t Your Color」です。今年5月にリリースした8枚目のスタジオ・アルバム『Ripcord』に収録されています。カントリー・エアプレイ・チャートでは今週11位から10位へアップしてTOP10に入りました。これでホリデー・ソングやプロモ・シングルを除いて2000年の「Everything」(カントリー・シングルス&トラックス・チャートで最高位4位)から37曲連続TOP10入りを果たしました。これは歴代1位の記録で、次がデビューから24曲連続TOP10入りのキャリー・アンダーウッドなんです。
http://item.rakuten.co.jp/americanpie/capb002281302
もう1曲は53位から今週最高位となる51位にアップしたルーク・ブライアンの「Move」です。こちらは昨年の8月にリリースされたアルバム『Kill The Lights』からの5曲目となるカントリー・エアプレイ・チャート第1位となりました。1位の曲数としては通算16曲目です。(1位曲数歴代1位は28曲でティム・マックグロウが記録しています。)ルーク・ブライアンは2013年にリリースされた『Crash My Party』からもカントリー・エアプレイ・チャートで5曲のNo.1を記録していて、史上初の5曲のNo.1を記録したアルバムを2枚記録したアーティストとなりました。カントリー・エアプレイ・チャートでは1枚のアルバムから5曲のNo.1を記録したアルバムはあと2枚あります。2013年から14年にかけて記録したブレイク・シェルトンの『Based On A True Story…』と2007年から8年にかけて記録したブラッド・ペイズリーの『5th Gear』です。
http://item.rakuten.co.jp/americanpie/sny518517
第100位にはジェームス・アーサーの「Say You Won’t Let Go」が初登場しました。オーストラリアでは今週第1位です。UKでは10月に3週間第1位を記録しています。2012年イギリスの『Xファクター』で優勝しました。この曲はセカンド・アルバム『Back From The Edge』に収録されています。
HOT100には入っていないのですが、ジャンル別のチャートから注目曲を3曲ご紹介します。
まずアダルト・コンテンポラリー・チャートでは、ボン・ジョヴィの14枚目のスタジオ・アルバム『This House Is Not For Sale』タイトル・ソングが先週の11位から今週第10位にアップしました。2011年の「What Do You Get?」以来の5曲目のTOP10入りです。このアルバムはその楽曲のほとんどが、1983年のファースト・アルバム『Bon Jovi』をレコーディングしたスタジオと同じスタジオの、アヴァター(ニュー・ヨーク)でレコーディングされたそうです。そういえば11/7にジョン・ボン・ジョヴィがギターを弾いて、ヒラリー・クリントンの応援のため、レディ・ガガと一緒にノースカロライナ州ローリーの支援集会で「Livin’ On A Prayer」を歌っていましたね。
次はダンス・クラブプレイ・チャートです。今週の第1位はクリスティーナ・アギレラ・フィーチャリング・ナイル・ロジャースの「Telepathy」です。ネットフリックで8月から配信が始まった『Get Down』のサウンドトラックに収録されています。このドラマ、70年代後半に起きたヒップホップ誕生を描いていて、非常に興味深い作品です。クリスティーナ・アギレラは2014年のグレイト・ビッグ・ワールドとの「Say Something」以来通算9曲目の第1位です。ナイル・ロジャースは4曲目の第1位とのことです。なお、このアルバムにはTOP40=2週、最高位36位ながら1977年の年間チャート100位に入ったCJ&カンパニーの「Devil’s Gun」が収録されています。
もう1曲はロック・チャートから。オルタナティヴ・ソングス・チャートで今週第1位になったのが10/29付でアルバム『Revolution Radio』がビルボード200で第1位に初登場したグリーン・デイの「Bang Bang」です。このチャートでは10曲目の第1位となりました。No.1ソング10曲はフー・ファイターズと並んで歴代3位。1位はレッド・ホット・チリ・ペッパーズの13曲。2位が11曲でリンキン・パークとなっています。ところで、このチャートは1988年9月10日に“モダン・ロック・チャート”としてスタートしましたが、グリーン・デイはこの曲で90年代、00年代、10年代と3ディケードで第1位を記録しました。このパターンではレッド・ホット・チリ・ペッパーズ、フー・ファイターズとブリンク182が達成していて、U2は80年代、90年代、00年代で達成。2010年代に1位を記録すると史上初の4ディケードでのNo.1ソング達成となります。また、「Bang Bang」はメイン・ストリーム・ロック・ソングス・チャートではすでに7週間の第1位を記録。ロック・エアプレイ・チャートでも第1位となっています。
というわけで3曲をご紹介しましたが、ちょっと前のチャートだったらおそらくこの3曲ともHOT100に入っていたでしょうね。今のHOT100ではやはりストリーミングでどれだけアピールできるかなんですね。
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11/12付。今週のビルボード・アルバム・チャートから。
今週の第1位はレディ・ガガの『Joanne』です。2011年『Born This Way』、2013年『ArtPop』、2014年トニー・ベネットとの『Cheek To Cheek』に続く4枚目の第1位です。201,000EAU、実売17万枚のセールスでした。換算枚数であるEAUでのファースト・ウィーク・セールスとしては、ドレイクの『Views』(104万)、ビヨンセ『Lemonade』(65万3000)、フランク・オーシャン『Blonde』(27万6000)に次ぐ今年4番目のセールスとなりました。NBCーTV『Saturday Night Live』、シリアスXMの『Howard Stern』でのインタビュー、CBSでは『The Late Late Show』などに出演してアピールしていました。その後にプロモーションのため来日したのですね。2010年代での4枚目の第1位となったわけで、女性アーティストではビヨンセとテイラー・スウィフトの3枚から一歩リードして単独1位になりました。オール・アーティストではジャスティン・ビーバーとドレイクが6枚、ワン・ダイレクションとカニエ・ウエストが4枚の1位を記録しています。
アルバムチャートは実売のセールスに加えて収録曲のダウンロードやストリーミング回数も加味してランキングされています。EAUは換算枚数をあらわしています。
今週のTOP10内初登場はあと6枚です。
第2位に初登場したのが、マイケル・ブーブレの『Nobody But Me』です。91,000EAU、実売85,000枚のセールスでした。7枚目のTOP10入りです。収録されている「Someday」のソングライターはワン・ダイレクションのハリー・スタイルスとメーガン・トレーナーで、メーガン・トレーナーはマイケル・ブーブレと一緒に歌っています。
第3位はペンタトニックスの『A Pentatonix Christmas』です。6万EAU、52,000枚の実売です。この時期から来年1月第2週まで発表されるホリデー・アルバム・チャートで初登場1位。今週のビルボード200では上位100枚にクリスマス・アルバムが5枚初登場しています。2013年『PTXmas EP』(最高位7位)、2014年『That’s Christmas To Me』(最高位2位)に続いてなんと3枚目のクリスマス・アルバムです。
http://item.rakuten.co.jp/americanpie/rrd174712
第4位にはコーンの『The Serenity Of Suffering』が初登場しました。13枚目のTOP10入りです。ロック・バンドではTOP10アルバム枚数で歴代6位タイとなりました。以下のとおりです。ハード・ロック・バンドでは歴代1位ということですね。
1位 36枚 ローリング・ストーンズ
2位 32枚 ビートルズ
3位 15枚 デイヴ・マシューズ・バンド
4位 14枚 サンタナ
4位 14枚 ヴァン・ヘイレン
6位 13枚 レッド・ツェッペリン
6位 13枚 コーン
『The Serenity Of Suffering』はロック・アルバム、ハード・ロック・アルバム、オルタナティヴ・アルバムの各チャートで初登場1位でした。収録されている「Rotting In Vain」は今週メインストリーム・ロック・チャートでTOP10に入りました。16曲目のTOP10入りです。
第6位にはクリス・トムリンの『Never Lose Sight』が初登場。6枚目のTOP10入りです。1972年5月4日テキサス州グランド・サーライン生まれの44歳。クリスチャン・アルバム・チャートでは2006年の『See The Morning』からスタジオ・アルバムで5枚連続第1位の後、昨年のクリスマス・アルバム『Adore: Christmas Songs of Worship』も第1位となり、このアルバムで通算7枚目の第1位となりました。クリスチャン・ミュージックでは押しも押されぬ第一人者です。
第9位はホリデー・アルバム・チャートで初登場2位、トランス・シベリアン・オーケストラの『The Ghosts Of Christmas Eve』です。ロック・アルバム・チャートでも第2位に初登場しました。2009年の『Night Castle』から5枚連続TOP10入りです。
http://item.rakuten.co.jp/americanpie/sny536507
第10位は、御年82歳、レナード・コーエンの『You Want It Darker』が初登場です。プロデュースは息子でミュージシャンのアダム・コーエンです。詩人、小説家でもあって最初の詩集は1956年に発表されています。以来50年以上わたって活躍を続け、2008年にロックの殿堂入りを果たしています。今作は通算14枚目のアルバムです。2012年『Old Ideas』、2014年『Popular Problems』とこの4年で3枚のアルバムを発表。この3枚がすべてアメリカーナ/フォーク・アルバム・チャートで第1位を記録しています。
★ここで訃報が入ってきました。このレナード・コーエンが亡くなったとのことです。11/10に発表されましたが、詳しい死因や日時などは発表されていません。10/13にロス・アンゼルスのカナダ大使館でニュー・アルバムのリスニング・イベントに、プロデューサーの息子のアダム・コーエンとともに会見に臨んでいました。ボブ・ディランのノーベル賞受賞について「エベレストの頂上にメダルを飾るようなもの」と語っていたのに突然の訃報に驚きました。ご冥福をお祈りいたします。
47位にはエルヴィス・プレスリーの『The Wonder Of You』が初登場しました。2015年にロイヤル・フィルハーモニック・オーケストラとのコラボ『If I Can Dream』(最高位9位)を発表しましたが、その続編ともいうべきアルバムで、エルヴィスのヴォーカル・トラックにロイヤル・フィルの演奏をかぶせて録音されました。UKではともに初登場1位でした。UK・アルバム・チャートでは13枚目の第1位となり、ソロ・アーティストではこれまでマドンナと並んでいましたが、これで単独1位の1位獲得枚数となりました。オール・アーティストでは歴代1位はビートルズで15枚のNo.1アルバムを記録しています。
ところで、今週第5位はドレイクの『Views』が入っていますが、このアルバムは5/21の初登場1位以来連続26週間TOP5をキープしています。モノとステレオに分かれて発表されていたアルバム・チャートが統一された1963年8月17日付から初登場以来26週間以上連続でTOP5に入ったアルバムはこれで7枚目となりました。以下のとおりです。カッコ内は初登場日です。
1位 39週 Adele / 21 (2011/3/12)
2位 38週 Michael Jackson / Bad (1987/9/26)
3位 32週 Stevie Wonder / Songs in the Key of Life (1976/10/16)
4位 30週 Soundtrack (Whitney Houston) / The Bodyguard (1992/12/12)
5位 29週 Garth Brooks / Ropin’ the Wind (1991/9/28)
6位 26週 Drake / Views (2016/5/21)
6位 26週 Eagles / Hotel California (1977/1/15)
最後に11/4に授賞式が行われた第50回CMAアワードの受賞作品・受賞者をご紹介します。
* Entertainer of the Year: Garth Brooks
* Male Vocalist of the Year: Chris Stapleton
* Female Vocalist of the Year: Carrie Underwood
* Vocal Group of the Year: Little Big Town
* Vocal Duo of the Year: Brothers Osborne
* New Artist of the Year: Maren Morris
* Album of the Year: Mr. Misunderstood / Eric Church
* Song of the Year: Humble and Kind / Lori McKenna
* Single of the Year: Die a Happy Man / Thomas Rhett
* Musical Event of the Year: Different For Girls / Dierks Bentley featuring Elle King
* Musician of the Year: Dann Huff (guitar)
* Music Video of the Year: Fire Away / Chris Stapleton; directed by Tim Mattia