6/23付
★ドレイク、史上7曲目の2度目の1位返り咲き
★42位は57年ぶりにHOT100にチャートイン
★訃報:エックスエックスエックステンタシオン
★エックスエックスエックステンタシオンの訃報を受けて「Sad!」が1日のストリーミング最高記録を更新
★グループでは初のビルボード200でスタジオ・アルバム7枚連続第1位
★キッズ・シー・ゴーストのジャケットはカニエお気に入りのあの人がまた
★ロイヤル・フィルハーモニック・オーケストラのコラボ・シリーズ、今度はビーチ・ボーイズ
6/23付。今週のビルボード・シングル・チャートから。
https://item.rakuten.co.jp/americanpie/rpblb002882802
今週の第1位は先週ポスト・マローンの「Psycho」に取って代わられたドレイクの「Nice For What」が2位から再び1位に返り咲きました。通算7週目の第1位です。これでドレイクの1位週数が合計38週となりマイケル・ジャクソンの37週を抜いて男性ソロ・アーティストで歴代単独2位になりました。1位はアッシャーの47週、オール・アーティストの歴代1位はマライア・キャリーの79週です。「Nice For What」はストリーミングが3160万で4位から3位、デジタル・セールスが10位から7位、ラジオ・ソングスが6位から4位と3部門で1位なしでのHOT100=第1位です。またこの曲は4/21から5/12、6/2から6/9、そして6/23と1位に2回返り咲きました。1位に2回返り咲いたのは2015年ザ・ウィークエンドの「Can’t Feel My Face」以来で通算7曲目です。
13位から9位とTOP10に返り咲いたのがアリアナ・グランデの「No Tears Left To Cry」です。今週ダンス・クラブプレイ・チャートで通算2曲目の第1位となりました。初めての1位は2016年2/27付で「Over And Over Again」。UKの5人組ボーイズ・グループ、ザ・ウォンテッドのネイサン・サイクスです。アリアナ・グランデはフィーチャリング・アーティストとして参加しました。
42位にはキッズ・シー・ゴースト・フィーチャリング・ルイ・プリマの「4th Dimension」が初登場。キッズ・シー・ゴーストはカニエ・ウエストとキッド・カディのコラボレーションでアルバム『Kids See Ghosts』は今週ビルボード200で第2位に初登場しました。その中からHOT100に今週7曲同時にエントリーしました。「4th Dimension」は39位に初登場した「Reborn」に次ぐ順位での初登場です。気になるのはフィーチャリング・アーティストのルイ・プリマ。ルイ・プリマは1910年12月7日ルイジアナ州ニュー・オーリーンズ生まれ。1978年8/24に脳腫瘍で67歳で亡くなりました。兄のジャズ・バンドに入ったのをきっかけにトランぺッター、コンポーザー、シンガー、バンド・リーダーとして活躍。56年にリリースされた代表曲「Jump, Jive an’ Wail」はブライアン・セッツァーやビッグ・バッド・ヴードゥー・ダディなどがカバーしています。今回は1936年にリリースされた「What Will Santa Claus Say (When He Finds Everybody Swinging)」をサンプリングしているためアーティスト名にクレジットされました。ルイ・プリマが最後にHOT100に登場したのが1961年2/23付。最高位9位の「Wonderland By Night」が89位にランキングされました。それ以来、実に57年4ヶ月2週間ぶりのHOT100登場で、HOT100登場ブランク期間で最長となりました。
HOT100登場ブランク期間
1位 57年4ヶ月2週間 Louis Prima
Last: 1961/2/13 Wonderland By Night
New: 2018/6/23 4th Dimension (Kids See Ghost Featuring Louis Prima)
2位 54年11ヶ月2週間 Bobby Helms
Last: 1962/12/29 Jingle Bell Rock
New: 2016/1/9 Jingle Bell Rock
別の曲では 2位 54年3ヶ月3週間 Burl Ives
Last: 1964/10/17 Pearly Shells (Popo O Eva)
New: 2017/1/7 A Holly Jolly Christmas
ニュー・リリースでは 45年0ヶ月1週間 Chipmunks
Last: 1962/12/29 The Chipmunk Song (Christmas Don’t Be Late)
New: 2008/1/5 The Chipmunk Song (Christmas Don’t Be Late) (2007)
リメイクを除くと 43年10ヶ月1週間 Tony Bennett
Last: 1967/11/25 For Once In My Life
New: 2011/10/1 Body And Soul (Featuring Amy Winehouse)
最高位7位で先週の51位から52位へダウンしているのがエックスエックスエックステンタシオンの「Sad!」です。6/18に地元のフロリダ州ディアフィールド・ビーチで白昼バイク店から出てきたところを2人組強盗に遭い銃撃されて死亡したとのことです。彼らはエックスエックスエックステンタシオンが銀行からでてきたところから付け狙っていたそうです。彼は恋人、元妻などへのDVなどで裁判中でしたが、ラップの才能は認められてアルバムをリリースし、『?』は3/31付のビルボード200で初登場第1位を記録しています。多くのラッパーが彼の死を悼んでコメントを発表しています。まだ20歳。ご冥福をお祈りします。彼の死が伝えられるとスポティファイでは6/19の1日だけで「Sad!」が1040万ストリームスを記録したとのことです。これまでの24時間のストリーミング数記録は2017年8/25のテイラー・スウィフト「Look What You Make Me Do」の1010万でした。
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6/23付。今週のビルボード・アルバム・チャートから。
今週の第1位は初登場でデイヴ・マシューズ・バンドの『Come Tomorrow』です。292,000EAU、実売は285,000枚のセールスでした。売れましたね。285,000枚の実売セールスは発売第1週のセールスで今年最高です。7枚目の第1位ですが、スタジオ・アルバムで1998年の『Before These Crowded Streets』から7枚連続で第1位となっております。7枚連続第1位はグループでは初めて。ロック・アルバムで292,000EAUのセールスは2014年6/7のコールドプレイ『Ghost Stories』の383,000EAU以来。5/18からスタートしているツアーのチケットにこのアルバム購入権が付いていてそれが行使されて、セールスアップにつながりました。
アルバムチャートは実売のセールスに加えて収録曲のダウンロードやストリーミング回数も加味してランキングされています。EAUは換算枚数をあらわしています。
今週のTOP10内初登場はあと2枚あります。
第2位に初登場したのが、先ほどもご紹介しましたがキッズ・シー・ゴーストの『Kids See Ghosts』です。142,000EAU、実売は79,000枚のセールス。カニエ・ウェストは自身のレーベルG.O.O.D.ミュージックから5週連続でリリースすると発表しています。5/25にプッシャTの『Daytona』(最高位3位、今週30位)、先週自身の『Ye』(最高位1位、今週5位)、来週はNAS『Nasir』、6/22にはティヤーナ・テイラー『K.T.S.E.』がリリースされるとのことです。カニエ・ウエストはキッド・カディとともに昨年夏に来日していました。カニエ・ウエストが2007年にリリースしたアルバム『Graduation』のアルバム・アートワークを手掛けた現代美術家の村上隆氏を訪ねて、今回のアルバムのアートワークを依頼したとのことです。
第3位にはカントリー・アルバム・チャートで7枚目の1位となったダークス・ベントリーの『The Mountain』が初登場。102,000EAU、実売は94,000枚でした。ビルボード200では9枚目のTOP10入りとなりました。こちらもチケット/アルバム一括販売の恩恵を受けました。ファースト・シングル「Woman, Amen」はHOT100では先週の69位から今週は最高位となる53位へ上昇中。カントリー・ソングス・チャートでは9位から7位へ。カントリー・エアプレイ・チャートでは先週第1位に輝きました。
https://item.rakuten.co.jp/americanpie/bmchb002838102
第11位には久しぶりの登場です。シュガーランドの『Bigger』が初登場。30,000EAU、実売は26,000枚のセールスです。カントリー・アルバム・チャートでは第2位に初登場しました。こちらでは7枚目のTOP5入りです。2010年No.1アルバム『The Incredible Machine』以来のリリース。テイラー・スウィフトが参加して「Babe」が彼女自身の久々のカントリー・ヒット(カントリー・ソングス・チャートで5/5最高位8位)になったことも話題を呼びました。
165位にはビーチ・ボーイズが初登場です。ロイヤル・フィルハーモニック・オーケストラとのコラボで『The Beach Boys With The Royal Philharmonic Orchestra』が初登場しました。「California Girls」、「Kokomo」、「Good Vibrations」などのオリジナル音源にオーケストラをかぶせて収録されています。今週クラシカル・アルバム、コンテンポラリー・クラシカル・アルバム・チャートの両方で第1位に登場しました。ロイヤル・フィルハーモニック・オーケストラはこのパターンで、エルヴィス・プレスリー、ロイ・オービソン、アレサ・フランクリンとのコラボ盤をリリースして、すべてクラシックの両方のチャートでTOP5に入っています。