6/16付
★初登場以来連続15週間TOP10入り。ようやく今週第1位へ
★ラップソング20週連続第1位は新記録更新中
★またもやカーディB効果で90ポイントアップ!
★HOT100登場曲数ランク
★TOP40登場曲数ランク
★TOP10登場曲数ランク:ヒップホップ・アーティスト
★R&Bヒップ・ホップ・ソングス・チャートTOP40ヒット曲数ランク
★史上5組目のカントリー・ソングス・チャート同一アーティスト3曲同時TOP10入り
★今週途絶えたHOT100連続チャートイン記録とは
★ビルボードNo.1アルバム獲得枚数ランキング
★今週あのアルバムが1月からのセールスで100万枚突破
6/16付。今週のビルボード・シングル・チャートから。
今週の第1位はドレイクの「Nice For What」に代わって、登場15週目でついにこの曲が第1位に。ポスト・マローンの「Psycho」です。昨年10/28から8週連続第1位になった「Rockstar」(フィーチャリング・21サヴェージ)に続いて2曲目の第1位です。今回はフィーチャリング・アーティストがタイ・ダラ・サイン。彼にとっては初の第1位となりました。通算2曲目のTOP10ヒットですが前回もフィーチャリング・アーティストとしてのTOP10入りで、フィフス・ハーモニーの「Work From Home」に参加して2016年最高位4位を記録しています。
「Psycho」は3/10にHOT100初登場第2位以来今週まで連続15週TOP5入りを果たしています。年間順位は結構高いですね。HOT100で1位になりましたが、ストリーミングは4位から10位、デジタル・セールスは1位から2位、ラジオ・ソングスは4位から2位と集計3部門での1位なしでのHOT100チャート1位となりました。ストリーミングは3030万ストリームスで2014年4/12付第1位ファレル・ウィリアムスの「Happy」以来の低水準でした。ただ、今週はストリーミングが分散していて、ストリーミング・チャート第1位のカニエ・ウエスト「All Mine」(HOT100で11位初登場)が3630万ストリームスでしたので1位とたった600万ストリームスの差しかありませんでした。
気がつけば今週でHOT100チャートはラップ・ソングが20週連続で1位を独占しています。ドレイクが2曲、チャイルディッシュ・ガンビーノとこの曲。この記録はこれまでは2003年の16週連続が記録で、この時は50セント「In Da Club」(9週1位)、ショーン・ポール「Get Busy」(3週)、50セント・フィーチャリング・ネイト・ドッグ「21 Questioins」(4週)で1位を独占しました。
第3位には先々週19位、先週7位から順調にアップした「I Like It」。カーディB、バッド・バニー&Jバルヴィンです。5/29にオフィシャル・ビデオがリリースされてアップに拍車がかかりました。カーディBは4曲目のTOP5、バッド・バニーは初めて、Jバルヴィンはビヨンセをフィーチャリングした「Mi Gente」(17年3位)に続いて2曲目のTOP5入りとなりました。
第4位はなんと先週の94位から90ポイントアップの大ジャンプアップを見せてくれたマルーン5・フィーチャリング・カーディBの「Girls Like You」です。マルーン5の14曲目のTOP10ヒットとなりました。カーディBは6曲目です。アルバム『Red Pill Blues』にはマルーン5のソロ・バージョンが収録されています。5/30にカーディBバージョンがリリースされてデジタル・セールスで12位から1位となって、HOT100で一気に4位にあがりました。カーディBが加わってのヒットといえばブルーノ・マーズの「Finesse」。オリジナル・アルバムには収録されていないリミックスでの大ヒットとなりました。「Finesse」が1/20付で第3位の時の第5位がGイージー・フィーチャリング・カーディB&エイサップ・ロッキーの「No Limit」でカーディBはその時以来のTOP5=2曲同時エントリーとなりました。
HOT100内ジャンプ・アップ・ポイント・ランキング
1位 96ポイント 97位→1位 My Life Would Suck Without You / Kelly Clarkson (2009/2/7)
2位 95ポイント 96位→1位 Womanizer / Britney Spears (2008/10/25)
3位 91ポイント 94位→3位 Beautiful Liar / Beyonce & Shakira (2007/4/7)
4位 90ポイント 94位→4位 Girls Like You / Maroon 5 Featuring Cardi B (2018/6/16)
今週はカニエ・ウエストのアルバム『Ye』のリリースでHOT100にアルバム収録曲7曲すべてが同時エントリーしました。第8位に初登場したのが「Yikes」です。カニエ・ウエストとしては2015年最高位4位の「FourFiveSeconds」(リアーナ&カニエ・ウエスト&ポール・マッカートニー)以来16曲目のTOP10ヒットです。ヒップ・ホップ・アーティストでは歴代6位タイ。
11位に「All Mine」が初登場しているのですが、こちらが3630万ストリームスで今週ストリーミング・チャート第1位でした。この曲を含めHOT100では今週7曲初登場で合計91曲の登場曲数(歴代6位タイ)となりました。すべてTOP40内に初登場したのですがTOP40には48曲の登場となりこちらは歴代10位タイ。TOP40内7曲以上同時エントリーは11人目。最多は14曲で5/12付にアルバム『beerbongs & bentleys』がリリースされたポスト・マローンです。他にカーディB、ケンドリック・ラマー、J.コール、ドレイク、ビヨンセ、プリンス、テイラー・スウィフト、リル・ウェイン、ビートルズが記録しています。
R&Bヒップ・ホップ・ソングス・チャートでも7曲すべてがTOP40に初登場。TOP40ヒット曲数が81曲となってアレサ・フランクリンの80曲を抜いて歴代5位となりました。
HOT100登場曲数
1位 207曲 Glee Cast
2位 164曲 Drake
3位 137曲 Lil Wayne
4位 108曲 Elvis Presley
5位 97曲 JAY-Z
6位 91曲 Kanye West
6位 91曲 James Brown
TOP40登場曲数
1位 80曲 Elvis Presley
2位 74曲 Drake
3位 71曲 Lil Wayne
4位 57曲 Elton John
5位 56曲 Taylor Swift
6位 51曲 Glee Cast
7位 50曲 Beatles
7位 50曲 Rihanna
9位 49曲 Madonna
10位 48曲 JAY-Z
10位 48曲 Kanye West
TOP10登場曲数:ヒップホップ・アーティスト
1位 26曲 Drake
2位 21曲 JAY-Z
3位 20曲 Lil Wayne
4位 18曲 Ludacris
5位 17曲 Eminem
6位 16曲 Kanye West
R&Bヒップ・ホップ・ソングス・チャートTOP40ヒット曲数
1位 156曲 Drake
2位 97曲 Lil Wayen
3位 96曲 JAY-Z
4位 91曲 James Brown
5位 81曲 Kanye West
6位 80曲 Aretha Franklin
55位にはフロリダ・ジョージア・ラインの「Simple」が初登場しました。ニュー・アルバムが待たれますね。この曲はHOT100では19曲目の初登場となりました。カントリー・ソングス・チャートでは46位から5位に上がりTOP10内に3曲同時エントリーとなりました。1位がビービー・レクサとのコラボレーション「Meant To Be」(28週連続第1位、HOT100では9位→12位)、5位にこの曲で、7位には6位からダウンした「Uptown」(モーガン・ウォーレン・フィーチャリング・フロリダ・ジョージア・ライン、HOT100では54位→58位)が入りました。3曲同時はグループ/デュオでは初めてでオール・アーティストでは5組目です。ジョニー・キャッシュ(58年)、ファーロン・ヤング(60年)、バック・オーウェンズ(61年)、テイラー・スウィフト(12年)が記録しています。
今週のカントリー・エアプレイ・チャートの第1位はダークス・ベントリーの「Woman, Amen」です。16曲目の第1位は1位獲得曲数で歴代13位。1位はティム・マックグロウの29曲です。カントリー・ソングス・チャートでは最高位8位から9位へダウン、HOT100では最高位67位から69位へダウンしています。エル・キングをフィーチャリングした「Different For Girls」(2016/10/1)以来の第1位。6/8にリリースされた9枚目のアルバム『The Mountain』からのファースト・シングルです。
https://item.rakuten.co.jp/americanpie/capnb002828502
そのカントリー・エアプレイ・チャートで11位から10位にアップしたのがキース・アーバンの「Coming Home」です。39曲目のTOP10ヒットとなりました。ちなみにそのうち21曲が1位になっています。TOP10曲数では歴代7位。1位はジョージ・ストレイトの61曲。キース・アーバンはセカンド・シングル「Your Everything」(2000年4位)からキャリー・アンダーウッドをフィーチャリングした2017年最高位2位の「The Fighter」まで38曲連続TOP10入りという大記録を作りました。この記録にはシーズンもの、プロモ・シングルがチャートに入った場合は含まれません。39曲連続をめざしたシングルが「Female」だったのですが最高位が12位でとまり、連続記録は途絶えました。この記録、現在継続中なのがキャリー・アンダーウッドで26曲連続TOP10入りを続けています。しかもデビュー・シングルからの記録で、カントリー・エアプレイ・チャートではデビュー・シングルからの連続TOP10ヒットの歴代1位を更新中です。
HOT100でも連続記録が途絶えました。フューチャーです。2015年4/18に「Commas」が98位に初登場して以来、先週までHOT100に連続166週間チャートインしていました。歴代5位の記録です。先週68位に「King’s Dead」(フィーチャリング・ジェイ・ロック、ケンドリック・ラマー&ジェームス・ブレイク)が入っていました。これが先週登場20週目だったため、エントリー・ルールにより今週HOT100入りできるポイントがあってもポイントが前週より上昇しない限り21週目のチャートインはできません。そのため今週はランク入りできませんでした。またフューチャーの別の曲のエントリーもなかったため記録がストップしました。2015年から実に6枚のアルバムがリリースされ、自身通算68曲のHOT100ヒットのうちこの間に53曲がHOT100に入って166週間連続HOT100入りの記録を作りました。昨年はアルバム『FUTURE』と『HNDRXX』が2週連続でビルボード200で初登場1位になり、同一アーティストの異なるアルバムでの2週連続初登場1位という快挙を達成しています。
HOT100連続チャートイン記録
1位 431週 Drake
2位 326週 Lil Wayne
3位 216週 Rihanna
4位 207週 Nicki Minaj
5位 166週 Future
6位 161週 Chris Brown
7位 159週 JAY-Z
8位 152週 Nelly
9位 150週 Justin Bieber
https://item.rakuten.co.jp/americanpie/wb572304
85位にはゴリラズの「Humility」が初登場しました。6/29にリリースされるアルバム『The Now Now』に収録されています。すでに6枚のスタジオ・アルバムを発表していますがまだ1位はありません。2017年の『Humanz』と2010年の『Plastic Beach』の2位が過去最高順位です。HOT100では2006年最高位87位の「Dare」以来のチャートイン。ところでこの曲はジョージ・ベンソンがギターで参加していて、クレジットでもフィーチャリング・ジョージ・ベンソンと表記されました。そのためジョージ・ベンソンにとって1985年以来33年ぶり、15曲目のHOT100ヒットとなりました。
ロックをもう1曲。ロック、もっとチャートでは評価されてもいいと思うんだけどなあ。今週の89位初登場。ソングライターがデヴィッド・ペイチ、ジェフ・ポーカロといったらTOTOです。そう、TOTOのカバー「Africa」が初登場しました。カバーしたのはウィーザーです。「Africa」は83年2/5に1週間だけ第1位でしたが年間24位の大ヒットとなりました。この曲は15歳のウィーザー・ファンの女の子が是非この曲をカバーしてほしいとツイッターのアカウントを作ってバンドやリヴァース・クオモに送り続けたところ、実現したとのことです。ウィーザーはもう1曲やはりTOTOの「Rosanna」(82年2位・年間14位)をカバーして先週ロック・ソングス・チャートで29位にエントリーしていました。「Africa」はオルタナティヴ・ソングス・チャートでは通算31曲目の登場となる31位に初登場しています。このチャートではウィーザーはTOP10=14曲、そのうちNo.1=3曲を記録しています。今年の秋にリリース予定の12枚目のスタジオ・アルバム『Weezer (Black Alum)』に収録される予定です。
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6/16付。今週のビルボード・アルバム・チャートから。
今週の第1位は初登場でカニエ・ウエストの『Ye』です。208,000EAU、実売は85,000枚でした。8枚目のNo.1はヒップ・ホップ・アーティストではジェイZの14枚に次ぎ、エミネムとならんで歴代2位タイです。またカニエ・ウエストは2004年のデビュー・アルバム『The College Dropout』が最高位2位でしたが、2005年のセカンド・アルバム『Late Registration』から『Ye』まで8枚連続で第1位を記録しています。8枚連続第1位はビルボード記録で、他に65年から68年のビートルズと00年からエミネムが記録しています。カニエ・ウエストとともにエミネムも継続中です。
ビルボードNo.1アルバム獲得枚数ランキング
1位 19枚 Beatles
2位 14枚 JAY-Z
3位 11枚 Bruce Springsteen, Barbra Streisand
5位 10枚 Elvis Presley
6位 9枚 Garth Brooks, Rolling Stones
8位 8枚 Kenny Chesney, Eminem, Madonna, U2, Kanye West
13位 7枚 Drake, Janet Jackson, Elton John, Led Zeppelin, Paul McCartney/Wings
ケニー・チェズニーは7/27にニュー・アルバム『Songs for the Saints』がリリースされます。歴代6位タイの9枚目の第1位なるか?
アルバムチャートは実売のセールスに加えて収録曲のダウンロードやストリーミング回数も加味してランキングされています。EAUは換算枚数をあらわしています。
今週のTOP10内初登場はあと1枚あります。
第3位に初登場したのが、スウェーデンのへヴィ・メタル・バンド、ゴーストの4枚目のスタジオ・アルバム『Prequelle』です。2015年の前作『Meliora』(最高位8位)に続いて連続TOP10入りとなりました。スウェーデンでは3作連続第1位です。ゴーストはスタジオ・アルバム毎にキャラクターを設定しています。今回はゲスト・キャラクターに『PAPA 0世』という老人が登場しています。この老人に扮しているのが実はサックス・プレイヤーでステージではシスターに付き添われてよぼよぼと登場して椅子に座って自分の番を待ちます。自分のパートになると急にファンキーになって演奏し、終わるとまた老人に戻って椅子にすわるというものでこのギャップが観客にうけているとのことです。66,000EAU、実売は61,000枚のセールス。彼らのツアー・チケットにこのアルバム購入権が付いているとのことです。
39位からいきなり4位へ大ジャンプアップしてきたのがルーク・コムズの『This One’s For You』です。これまでの最高位5位も上回ってしまいした。55,000EAUのセールスは初登場週の43,000EAUをこちらも上回っています。何が起きたか?答えは簡単で、5曲追加されたデラックス・エディションがリリースされたためです。この5曲がすべて今週カントリー・ソングス・チャートに入りました。これでトラック・セールスも稼いでカントリー・アルバム・チャートでは昨年9/23以来通算4週目の第1位となりました。
先週の9位から7位にアップしたのがサウンドトラック『The Greatest Showman』です。1/13と1/20の2週間第1位になっています。このほど2018年1月第1週からのセールスでこのアルバムが実売で最初に100万枚を突破しました。昨年12月にリリースされていますので通算では108万枚のセールスです。UKでは今週も第1位で通算18週目の第1位という大ヒットになっています。今年のこのアルバムに次ぐ実売セールスはなんと39万9000枚でジャスティン・ティンバーレイクの『Man Of Woods』です。2番目がたったの39万9000枚です。ダウンロードがCDのセールス減少を上回る勢いで減っているためです。もっとも2017年はこの時期でもまだミリオン・セラーはありませんでした。2017年カレンダー・イヤーで初めてミリオンを記録したのは11/16までの1週間の集計週でテイラー・スウィフトの『Reputation』が発売第1週だけで120万枚のセールスを記録して1月からのセールス合計で全アルバムの中で初めてミリオン・セラーになりました。このアルバムは年末までに190万枚を売り上げました。また、エド・シーランの『÷』が2017年の年末までに110万枚のセールスを記録し、昨年はミリオン・セラー2枚という結果でした。今年は秋にこのようなアルバムがリリースされるでしょうか。