6/27付。今週のビルボード・アルバム・チャートから。
今週の第1位はUKのロック・バンド、ミューズの7枚目のスタジオ・アルバム『Drones』です。セールス枚数は10万枚を切って84,000EAU(換算枚数)でした。(実売は79,000枚)
1994年結成でこれまでBILLBOARD 200では8枚がチャートインしていました。過去最高順位は2002年の前作『The 2nd Law』の2位でしたので初のNo.1アルバムなんです。UKでは2003年『Absolution』、2006年『Black Holes & Revelations』、2009年『The Resistance』、2012年『The 2nd Law』に続いて5枚目のNo.1になりました。
先週もUK出身のフローレンス&ザ・マシンが1位でした。UK出身アーティストがBILLBOARD 200で連続1位になったのは、バンドなら、1985年8月24日のティアーズ・フォー・フィアーズ『Songs From The Big Chair』と31日のダイアー・ストレイツ『Brothers In Arms』。グループなら1979年7月12日スパイス・ガールズ『Spice』と19日プロディジー『The Fat Of The World』。アーティストとしては2011年11月5日アデル『21』と12日コールドプレイ『Xyloto』がありました。もちろん他にもまだあると思います。
今週のTOP10内初登場はあと1枚です。
第3位に初登場したのが、オブ・モンスターズ&メンの『Beneath The Skin』です。前作のデビュー・アルバムの『My Head Is An Animal』(2012年)の最高位6位を上回りました。2010年アイスランドで結成された5人組ロック・バンドです。デビュー・アルバムから発表された「Little Talks」はHOT100で最高位20位ながら息の長い大ヒットとなって2013年年間65位にランキングされました。
今週はローリング・ストーンズの再発盤がTOP10内に再登場しました。2010年『Exile On Main St.』(72年1位、10年2位に再登場)、2011年『Some Girls』(78年1位、11年46位に再登場)に続く第3弾『Sticky Fingers』です。最高位は71年第1位。今回は2枚組のデラックス・エディションとスーパー・デラックス・エディションが発売されました。スーパー・デラックス・エディションには2枚組のデラックス・エディションに1971年のライブCD(1曲を除いて未発表バージョン)、ライブDVD、「Brown Sugar」の7インチシングル、実物ジッパー付120ページ・ハードバック・ブック、ポストカード4枚、ポスター、ミニ・レプリカなどが入っていて、こちらは今週65位に初登場しました。9000セット売れたそうです。
今週も2位にランクされているのがテイラー・スウィフトの『1989』なんですが、一般のニュース番組でも取り上げられたとおり、21日に自身のブログで、アップルが6/30からスタートするストリーミング配信サービス『Apple Music』で、当初3ヶ月の無料トライアル期間中にはアーティストに楽曲使用料(ロイヤルティー)を支払わないとしている方針は不当だと抗議したのです。テイラー自身は『1989』をこの配信サービスに提供しないとのことです。これに対してアップルでは即日、無料トライアル期間中もアーティストにロイヤルティーを支払うと方針転換を発表しました。これまでもクレームをつけたアーティストはいたそうですが、テイラー・スウィフトの発言の影響力を考えて即日方針転換の発表をしたようです。
http://item.rakuten.co.jp/americanpie/umeb002334102
下の方では22位に初登場したのが、『NOW That’s What I Call Country, Volume 8』です。シリーズ通算105枚目のエントリー。カントリー・アルバム・チャートではこのシリーズ『1』以来の第1位を記録しました。カントリーでのオムニバス・アルバム(サウンドトラックを除く)の1位は6枚目です。
Common Thread: The Songs of the Eagles (1993)
Rhythm Country & Blues (1994)
Totally Country Vol. 4 (2005)
Totally Country 6 (2007)
Now That’s What I Call Country (2008)
Now That’s What I Call Country, Volume 8 (2015)
90年代に活躍したアーティストの9時間に及ぶフェスティバルが行われるようです。9/12にニューヨーク・ブルックリンのウィリアムズバーグで、スマッシュ・マウス、クーリオ、リサ・ローブ、ノーティ・バイ・ネイチャー、トニック、ブラインド・メロンなどの出演が決定しています。
もうひとつ、ディクシー・チックスが再結成します。2016年のヨーロッパ・ツアーのスケジュールが発表されました。アムステルダムからスタートして、バーミンガム、マンチェスター、ロンドン、グラスゴー、ダブリンなどを回る予定とのことです。2003年に当時のアメリカ大統領ブッシュのイラク戦争を批判して一時カントリー・ステーションから曲をかけてもらえないなどバッシングに遭いました。来年はアメリカ大統領選挙の年。共和党候補として、2003年に批判されたブッシュ大統領の次男ジェブ・ブッシュ氏が上がっています。これも何かの因縁?ちなみにまだ全米ツアーの日程は発表されていません。やるかどうかも決まっていないようです。さらにちなみにですがジェブ氏の父がジョージ(・ハーバート・ウォーカー)・ブッシュ氏、兄もジョージ(・ウォーカー)・ブッシュ氏。ともに大統領になりました。さらにジェブ氏の長男もジョージ(・プレスコット)・ブッシュ氏(テキサス州土地管理局長官)というお名前だとか。
(アルバムチャートは実売のセールスに加えて収録曲のダウンロードやストリーミング回数も加味してランキングされています。EAUは換算枚数をあらわしています。)
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6/27付。今週のビルボード・シングル・チャートから。
今週の第1位はこれで通算9週目の第1位となったウィズ・カリファ・フィーチャリング・チャーリー・プースの「See You Again」です。ラジオ・ソングスで4週目の第1位。ストリーミングとデジタル・セールスは2位です。R&Bヒップ・ホップ・ソングス、ラップ・ソングス・チャートではともに10週連続第1位となっています。
一方、ロック・ソングス・チャートで12週連続第1位なのがHOT100では今週5週連続4位のウォーク・ザ・ムーンの「Shut Up And Dance」です。日本でもじわじわと人気が出てきているようですね。
今週は1位から6位までが先週と変わりませんでした。
ところで人気急上昇中でひょっとするとTOP3まで行きそうなのがOMI(オーミー)の「Cheerleader」です。フェリックス・イェーンのリミックス・バージョンがうけて、今週11位から7位にアップしました。デジタルで5位から3位、ストリーミングで16位から10位、ラジオ・ソングスで23位から18位にアップしています。本名 Omar Samuel Pasley。UKシングルチャートではすでに4週間1位になっています。レゲエ・ナンバーのTOP10ヒットって意外と少なくHOT100ではこの曲で11曲目なんだそうです。
Johnny Nash / I Can See Clearly Now (72/1)
Eric Clapton / I Shot the Sheriff (74/1)
UB40 / Red Red Wine (88/1)
UB40 / Can’t Help Falling in Love (93/1)
Inner Circle / Bad Boys (93/8)
Big Mountain / Baby, I Love Your Way (94/6)
Shaggy / It Wasn’t Me (01/1)
Shaggy / Angel (01/1)
Sean Paul / Get Busy (03/1)
MAGIC! / Rude (14/1)
26位にはリアーナの「B**** Better Have My Money」(最高位17位)が入っています。今週ダンス・クラブプレイ・ソングス・チャートで1位になりました。これで23曲目の第1位は、マドンナ(45曲)に次いで歴代単独2位です。3位は22曲でビヨンセです。リアーナは2005年の「Pon De Replay」から2009年を除いて今年まで毎年No.1ヒットを出しています。
57位にはケニー・チェズニーの「Wild Child」(最高位56位)が入っていますが、こちらは今週カントリー・エアプレイ・チャート(1990年1月20日スタート)で1位になりました。アルバム『The Big Revival』から3曲目の1位ですが通算25曲目の1位となり歴代4位となっています。
1位 27曲 Tim McGraw
2位 26曲 Alan Jackson, George Strait
4位 25曲 Kenny Chesney
5位 20曲 Brooks & Dunn, Toby Keith
7位 19曲 Brad Paisley, Blake Shelton
9位 18曲 Garth Brooks, Keith Urban
キース・アーバンといえば今週HOT100の86位に「John Cougar, John Deere, John 3:16」が初登場しています。歌の中身は成長する中で影響を受けたり、見たり聴いたりしたアメリカの有名人や商品などの名前が出てきます。John Cougar は説明するまでもないジョン・メレンキャンプのこと。John Deere はアメリカで人気のトラクター。John 3:16 はアメリカにも江頭がいるのかと思いきや、聖書のヨハネの福音書3章16節のことだそうです。ニュー・アルバムからの先行シングルで、カントリー・ソングス・チャートでは47位から24位へ急上昇しています。
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