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共同通信社刊 あめりかん☆ぱい佐藤直人編・著『ビルボード年間チャート60年の記録 1955-2014』は、4月上旬発売予定です。表紙画像や中身についてはすでに決定していて、現在最終チェックの段階ですので正式発売日が決まり次第ご紹介します。
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2/28付。今週のビルボード・アルバム・チャートから。
今週の第1位は、初登場でドレイクの『If You’re Reading This It’s Too Late』です。535,000EAU(換算枚数)で、実売は495,000枚でした。といっても実売は100%ダウンロードです。CD発売はいずれされるでしょうが、まだ発売日の発表はありません。これで2010年の『Thank Me Later』、2011年『Take Care』、2013年『Nothing Was The Same』とデビューから4枚連続初登場1位を記録しました。ラッパーではこの記録を持っているのは他にDMX(5枚連続)しかいません。2/12にリリースされたので集計期限の2/15までの4日間でのセールスで初登場1位でした。
今週のTOP10内初登場はあと1枚です。
http://item.rakuten.co.jp/americanpie/rpblb002259502
それが第2位に初登場したサウンドトラック『Fifty Shades Of Grey』です。258,000EAUのセールスでした。エリー・ゴールディングやアニー・レノックス、ビヨンセ、ローリング・ストーンズなどオムニバス形式のサウンドトラックで、このようなサウンドトラックとしては2005年1位の『Get Rich Or Die Tryin’』以来のハイポジションでした。ちなみに、こちらには50セント、ロイド・バンクス、モブ・ディープなどが参加していました。
今週はグラミー賞授賞式後の1週間のセールスが集計されましたのでチャートにもはっきりと効果が現れています。
4部門受賞のサム・スミス『In The Lonely Hour』は前週比91%増のセールスでした。順位は4位から3位に上がっています。UKでは1位に返り咲きました。最優秀アルバム受賞のベック『Morning Phase』は先週集計期間何時間だけのグラミー効果で39位に再登場して、今週は前週比483%増のセールスで一気に8位にアップしています。パフォーマンスしたアニー・レノックスは『Nostalgia』が40位に再登場しました。
グラミーとは関係ありませんが、52位にマーヴィン・ゲイの『Let’s Get It On』が再登場しました。これはグーグル・プレイでの99セント・セールのおかげ。11,000ダウンロードあったそうです。ちなみに前週は推定0枚のセールスだったとか。1984年以来のチャートインです。1973年最高位2位。74年の年間アルバム・チャート46位でした。
ところで、チャートでよくレーベル名に[Starbucks]の表記がありました。全米で21,000店以上の店舗を展開しているスターバックスでは、HEAR MUSIC を買収してから1999年より店舗でCDの販売をしておりました。またスターバックス独自のコンピレーションなども企画発売し、チャートにも入っていました。それが3月末をもって全店舗でCDの販売を終了するとのことです。CD市場の縮小によって採算が合わなくなってきたようです。オンラインでの販売は継続するとのことです。
今度は製作の方のニュースですが、ファンドを作って一般から資金を募って事業に充てるという方法はいろいろな事業で見られますが、クラウドファンディングサービスのキックスターターを使って、アルバム製作の資金集めをおこなったアーティストがいます。TLCです。5枚目にして最後のアルバムとなるニュー・アルバムの製作費を集めるため、この手法を使いました。当初は15万ドルを目標にしていたのですが、結果は4201の申し込みで43万ドルを集めました。アルバムにはダラス・オースティン、おそらくプロデューサーでしょうね、それにニーヨが参加するようです。この資金提供者には特典があって、ニュー・アルバムがもらえることはもちろん、一緒に映画に行けるとか、リスニング・パーティ参加権とか、留守番電話のメッセージとかユニークな特典が付いているようです。
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2/28付。今週のビルボード・シングル・チャートから。
なんと今週も第1位はマーク・ロンソン・フィーチャリング・ブルーノ・マーズの「Uptown Funk!」、7週連続第1位です。ストリーミング、オンデマンドともに5週連続第1位、ラジオ・ソングスでも4週連続第1位ですが、デジタル・セールスでは2位に落ちました。ただ301,000ダウンロードを記録してこれで30万以上のダウンロードが8週連続となっています。最近ではロビン・シック・フィーチャリング・ファレル&T.I.の「Blurred Lines」が30万以上のダウンロードを10週間記録していました。
2位、3位は動きません。2位はグラミー効果もあってエド・シーランの「Thinking Out Loud」が5週連続で第2位。でもデジタル・セールスで1位となり、ストリーミング、ラジオ・ソングスともに2位とHOT100での1位を伺っております。
3位はホージアの「Take Me To Church」。これで9週目の第3位となりました。最高位は2位です。
さて先週15位から6位に上がって数々の記録を塗り替えたポール・マッカートニーですが、今週リアーナ&カニエ・ウエスト&ポール・マッカートニーの「FourFiveSeconds」は4位にアップしました。岩盤のTOP3に割って入ることができるでしょうか。デジタル・セールス3位、ラジオ・ソングスで22位から13位、ストリーミングでは34位から26位とちょっとまだ離れているようです。
この曲がTOP5に入ったことでまた記録が塗り替えられました。ポール・マッカートニーが前回TOP5に入ったのが1983年マイケル・ジャクソンとの「Say Say Say」です。31年ぶりのTOP5になったわけですが、これが記録でした。これまでの次のTOP5ヒットまでに要した期間の最長はサンタナの28年8ヶ月1週間でした。今週はTOP5のギャップ記録を塗り替えましたが、次のTOP10ヒットまでに要した期間が長いTOP5アーティストをご紹介します。
1位 29年2週間 ポール・マッカートニー
「Spies Like Us」(1986/2/8)~「FourFiveSeconds」(2015/2/21)
2位 28年7ヶ月2週間 サンタナ
「Black Magic Woman」(1971/1/23)~「Smooth」(1999/9/4)
3位 24年5ヵ月2週間 ロイ・オービソン
「Oh, Pretty Woman」(1964/10/31)~「You Got It」(1989/4/15)
4位 22年9ヵ月1週間 アーロン・ネヴィル
「Tell It Like It Is」(1967/2/18)~「Don’t Know Much」(1989/11/25)
5位 19年4ヵ月3週間 ビートルズ
「Got to Get You Into My Life」(1976/8/7)~「Free as a Bird」(1995/12/30)
今週のHOT100、第10位はテイラー・スウィフトの「Style」が18位から上がってきました。「Blank Space」は7位にいるのですが、「Shake It Off」が15位に下がったため3曲同時TOP10はなりませんでしたが、これで17曲目のTOP10ヒットとなって女性アーティストでは歴代6位タイとなるTOP10曲数となりました。
1位 38曲 マドンナ
2位 27曲 マライア・キャリー、ジャネット・ジャクソン
4位 26曲 リアーナ
5位 23曲 ホイットニー・ヒューストン
6位 17曲 アレサ・フランクリン、テイラー・スウィフト
ところで、ドレイクがデジタル・セールスのみでアルバム『If You’re Reading This It’s Too Late』が初登場1位になりましたが、当然収録曲も個別にダウンロードができるわけで、そのため今週この中から5曲がHOT100に初登場しました。最も高い順位に登場したのが「Energy」の49位でした。これでHOT100登場が合計80曲となりこれは歴代6位のHOT100登場曲数となりました。
1位 207曲 グリー・キャスト
2位 125曲 リル・ウェイン
3位 108曲 エルヴィス・プレスリー
4位 91曲 ジェームス・ブラウン
5位 83曲 ジェイ・Z
6位 80曲 ドレイク
HOT100では5曲の初登場でしたが、これがR&Bヒップホップ・ソングス・チャートではなんと10曲が初登場しました。そしてすでに他のアーティストのフィーチャリングでチャートインしていた曲を含めると今週ドレイクは14曲が同時にチャートに登場しているのです。R&Bヒップホップ・ソングス・チャートでの同一アーティストの最多同時登場曲数はこれまで14曲でしたから、歴代1位タイとなりました。それではもう1人は誰か?前回の14曲同時チャートインは2013年10月12日付でアルバム『Nothing Was The Same』が発売されたのと同時に一斉にチャートインしたドレイクでした。
訃報です。
レスリー・ゴアが2/16に肺がんのためニューヨーク・マンハッタンの病院で亡くなりました。68歳でした。60年代に活躍した女性アーティストは今と比べると本当に少ないのですが、その数少ない一人でした。10代前半からジャズを歌っていたところをマーキュリー・レコードにスカウトされ、副社長のクインシー・ジョーンズのプロデュースでデビューしました。17歳の時のデビュー・シングル「It’s My Party (涙のバースデイ・パーティ)」はHOT100で1位を記録。他にも「You Don’t Own Me(恋と涙の17才)」や「That’s The Way Boys Are(恋を夢みる17才)」など日本でもヒットしました。ご冥福をお祈りします。ビルボードが発表したレスリー・ゴーアのオールタイムTOP10ヒットです。
10. My Town, My Guy and Me (65年最高位32位)
9. Look of Love (65/27)
8. Maybe I Know (64/14)
7. Sunshine, Lollipops and Rainbows (65/13)
6. That’s the Way Boys Are (64/12)
5. California Nights (67/16)
4. Judy’s Turn To Cry (63/5)
3. She’s a Fool (63/5)
2. You Don’t Own Me (64/2)
1. It’s My Party (63/1)