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共同通信社刊 あめりかん☆ぱい佐藤直人編・著『ビルボード年間チャート60年の記録 1955-2014』は、4月下旬までに発売予定です。こちら(http://item.rakuten.co.jp/americanpie/5514ye)でご予約受付中です 。(大変光栄でもったいない「帯」を付けていただきました。)
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3/21付。今週のビルボード・アルバム・チャートから。
http://item.rakuten.co.jp/americanpie/rca507086
今週の第1位は、TOP3入りが実に7枚目というケリー・クラークソンの『Piece By Piece』です。実売83,000枚、換算枚数では97,000EAUのセールスでした。2003年のデビュー・アルバム『Thankful』、2009年の『All I Ever Wanted』に続いて3枚目の第1位です。
今週のTOP10内初登場はもう1枚。
9位に初登場したのが、ブランディ・カーライルの2枚目のTOP10アルバムとなった『The Firewatcher’s Daughter』です。5枚目のスタジオ・アルバムで今回はATOレコードというインディ・レーベルからの発売でしたが、ロック・アルバム・チャートでは初の第1位となりました。1981年6月1日ワシントン州レイブンズデール生まれ。2006年ごろにはザ・フレイ、トーリ・エイモス、ショーン・コルヴィンなどのツアーに参加しました。2008年の北京オリンピック開催中のCMで、彼女の「The Story」がトヨタのCMに使われてその名が広まりました。アルバム『The Story』はビルボード200で41位を記録。その後も人気TVドラマ『グレイズ・アナトミー』で3曲が使われるなど人気を集め、2012年の前作『Bear Creek』は初のTOP10入り(最高位10位、ロック・アルバム第3位)となりました。
ところで、先週の5位から3位に再上昇したのがテイラー・スウィフトの『1989』ですが、今週44,000枚のセールスでリリースしてからの合計セールスが450万5000枚に達しました。リリースしてからまだ19週間でのスピードは今後500万、600万枚のセールスも伺う勢いです。彼女のこれまでの5枚のスタジオ・アルバムのセールスは以下のとおりです。
1位 690.9万枚 Fearless (2008)
2位 549.2 Taylor Swift (2006)
3位 450.5 1989 (2014)
4位 448.0 Speak Now (2010)
5位 416.0 Red (2012)
ライブやクリスマス・アルバム、EPも加えた全アルバム・セールスは全米だけで2767万枚となり、1991年以降で女性アーティストでは歴代7位となっています。
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3/21付。今週のビルボード・シングル・チャートから。
今週も第1位はマーク・ロンソン・フィーチャリング・ブルーノ・マーズの「Uptown Funk!」です。これで遂に10週連続第1位となりました。そして今週もデジタル、ストリーミング。ラジオ・ソングス1位で3冠達成です。3冠達成は6週目。デジタル・セールスで10週目、ストリーミング、オンデマンドで8週連続、エアプレイで7週連続第1位です。この曲はHOT100では1041曲目の第1位なんですが、10週間以上の1位になった曲はこの曲が29曲目となりました。最初に10週1位を記録したのは1977年のでデビー・ブーン「You Light Up My Life」です。この曲、早くも年間1位の声も!
http://item.rakuten.co.jp/americanpie/atl543295
2位はエド・シーランの「Thinking Out Loud」です。これで8週連続第2位。ポップ・ソングス、アダルト・コンテンポラリー、アダルト・ポップ・ソングス・チャートで今週同時に1位になりました。この20年間でこの3つのチャートで同時に1位になったのは、他にセリーヌ・ディオン「Because You Loved Me」(1996年5週間)、アデル「Rolling in the Deep」(2011年2週間)、サム・スミス「Stay With Me」(2014年2週間)とたった4曲しかありません。
また1位と2位が同じ曲で8週間続きました。これを7週間以上同じ曲で1位2位を続けたのは以下のとおりです。ただし、最高位1位&最高位2位での組み合わせです。ともに最高位1位で1位と2位が同じ曲で最も長く続いたのは11週間で、その時の1位がマライア・キャリー&ボーイズ II メン「One Sweet Day」、2位がホイットニー・ヒューストン「Exhale」(1995-96年)でした。
10週間:
1位 Lose Yourself / Eminem
2位 Work It / Missy “Misdemeanor” Elliott
2002-03年
9週間:
1位 Macarena (Bayside Boys Mix) / Los Del Rio
2位 I Love You Always Forever / Donna Lewis
1996年
1位 Physical / Olivia Newton-John
2位 Waiting for a Girl Like You / Foreigner
1981-82年
8週間:
1位 Uptown Funk! / Mark Ronson Featuring Bruno Mars
2位 Thinking Out Loud / Ed Sheeran
2015年
1位 Smooth / Santana Featuring Rob Thomas
2位 Back at One / Brian McKnight
1999-2000年
1位 The Boy Is Mine / Brandy & Monica
2位 You’re Still the One / Shania Twain
1998年
7週間:
1位 Candle in the Wind 1997/Something About the Way You Look Tonight / Elton John
2位 You Make Me Wanna… / Usher
1997年
1位 All for You / Janet Jackson
2位 Survivor / Destiny’s Child
2001年
1位 Let Me Love You / Mario
2位 1, 2 Step / Ciara
2005年
1位 One More Night / Maroon 5
2位 Gangnam Style / PSY
2012年
ちなみに最高位2位を8週間続けたマリオ・ワイナンズ・フィーチャリング・エンヤ&P.ディディの「I Don’t Wanna Know」(2004年)ですが、その時の1位は最初の4週間がアッシャー・フィーチャリング・リル・ジョン&リュダクリスの「Yeah!」、後の4週間がアッシャーの「Burn」でした。
6位から8位に下ったホージアの「Take Me To Church」ですが、今週もロック・ソングス・チャートで1位です。これで21週連続1位となり、このチャートで1位獲得週数が歴代単独2位となりました。1位はイマジン・ドラゴンズの「Radioactive」(23週、2013年)です。
アルバム『1989』がすごいスピードで売れ続けていますが、iTUNESで発売されたデジタル版『1989 (Deluxe Edition)』に追加収録された3曲はすべてHOT100入りしました。あと1曲チャート入りが残っていた「New Romantics」が71位に初登場。これでテイラー・スウィフトのHOT100登場曲数は69曲となりました。歴代9位のビートルズまであと2曲、女性アーティスト歴代1位、オール・アーティストで歴代8位のアレサ・フランクリンまであと4曲となりました。
ところで、2013年に12週連続第1位を記録したロビン・シック・フィーチャリング・T.I.&ファレルの「Blurred Lines」が、マーヴィン・ゲイのNo.1ソング「Got To Give It Up Part 1」(1977年)に似ているということで著作権侵害ではないかとマーヴィン・ゲイの遺族が訴えた裁判で、3/12に著作権侵害が認められる判決が言い渡されました。
過去の判例の「著作権者の権利は譜面上に書かれているものだけに限定される」ことをふまえてロビン・シックとファレル側は譜面上ではまったく違う曲であり、サウンドのフィーリングが似ていてもそれは著作権侵害には当たらないと主張しましたが、今回は認められず遺族側に9億円の損害(著作権の100%)があるとされたのです。ロビン・シック側は再審理請求をするようです。
同時にマーヴィン・ゲイの遺族は、ロビン・シックが2011年にリリースした「Love After War」もマーヴィン・ゲイの「After The Dance」(1976年)を無断で盗用していると裁判中に訴え、こちらも著作権侵害が認められました。さらにまだ訴えを起こしてはいませんが昨年10週連続第1位のファレルの「Happy」もマーヴィン・ゲイの「Ain’t That Peculiar」にそっくりとして訴えを起こすか検討中とのことです。
このようなケース、過去にもたくさんありました。訴えられた曲が最高位1位の曲では8曲あるそうですのでご紹介します。
盗用された曲(リリース年) : 訴えられた曲(リリース年)
Got to Give It Up / Marvin Gaye (1977) : Blurred Lines / Robin Thicke Fearturing T.I. + Pharrell (2013)
If I Could Fly / Joe Satriani (2004) : Viva la Vida / Coldplay (2008)
Under Pressure / Queen & David Bowie (1981) : Ice Ice Baby / Vanilla Ice (1990)
I Want a New Drug / Huey Lewis & The News (1984) : Ghostbusters / Ray Parker Jr. (1984)
Taj Mahal / Jorge Ben Jor (1976) / Do Ya Think I’m Sexy? / Rod Stewart (1979)
Let It End / Ronald Selle (1975) : How Deep Is Your Love / Bee Gees (1977)
He’s So Fine / Chiffons (1963) : My Sweet Lord / George Harrison (1970)
You Can’t Catch Me (1956) / Chuck Berry : Come Together / Beatles (1969)