3/25付
★今週の1位は2位の2倍以上のポイント。過去最大格差は?
★初登場10曲すべて同一アーティストは史上初
★TOP5ヒット曲数ランキング
★「Closer」遂に大記録達成!
★100位からのジャンプアップ・ソング
★スターゲート・プロデュース・オールタイムTOP20
★訃報:チャック・ベリー
★エド・シーラン、今年のセールス第1位で初登場
★メタリカ急上昇の謎
★AP集計ダイアナ・ロス
3/25付。今週のビルボード・シングル・チャートから。
今週も第1位、エド・シーラン「Shape Of You」。7週目の第1位です。デジタル・セールス7週目、ラジオ・ソングス5週目の第1位。そしてストリーミングでも5080万ストリームスとなって遂に初の第1位となりました。アルバム『÷(Divide)』リリースで今週はストリーミングが一気に増えています。デジタル・セールス、ラジオ・ソングス、ストリーミングの3部門ですべて1位はチェインスモーカーズ・フィーチャリング・ホールジーの「Closer」(2016/11/19)以来7曲目、オンデマンドも今週3週目の第1位でこれを加えた4冠となるとやはり「Closer」(2016/11/5)以来5曲目となりました。
今週は珍しい記録が達成されました。今週のHOT100の初登場は10曲なんですが、これがすべてエド・シーランなんです。初登場が10曲あってすべて同じアーティストで他のアーティストの初登場がないというのは史上初の出来事です。また、1位の「Shape Of You」、最高位6位で先週の75位から39位にアップした「Castle On The Hill」、最高位41位で84位に再登場した「How Would You Feel (Paean)」を加えてエド・シーランは13曲が同時にランクインしています。デラックス・エディション収録の16曲中13曲が、通常盤では12曲すべてがHOT100に同時に入りました。UKではTOP20に16曲、オーストラリアではTOP40に16曲同時にランクインしています。「Shape Of You」はそれぞれの国で9週連続第1位です。
今週の第2位はこれで通算7週目の第2位となったNo.1ソング、ミーゴス・フィーチャリング・リル・ウージー・ヴァートの「Bad And Boujee」です。ところで今週は1位のポイントが2位の2倍以上あったそうです。こういうケースは1991年のサウンドスキャン集計になってから1位の曲数でカウントすると18曲目とのことです。最大格差はエルトン・ジョンの「Candle in the Wind 1997/Something About the Way You Look Tonight」が初登場1位の週の1997年10月11日付で、2位のボーイズ・トゥー・メンの「4 Seasons of Loneliness」になんと17倍のポイント差をつけたとのことです。ダイアナ妃追悼で発売されたこのシングルが1週間で340万枚も売れたためなんですね。ビルボードのHOT100チャートではその週にいきなり▲8のマークがついていました。これはRIAAが800万枚のセールス認定をしたということなんですが、こちらはレコード会社からの出荷枚数レポートに基づいての認定です。ちなみにその後1100万枚のセールスが認定されています。
5位には6位からリアーナの「Love On The Brain」が上がりました。リアーナ22曲目のTOP5入りです。HOT100チャートでのTOP5曲数となると以下のとおりですが、エルヴィス・プレスリーはTOP100時代に12曲のTOP5ヒットがあります。またポール・マッカートニーは16曲のTOP5ヒットがあるのですが、最後のTOP5ヒットは「FourFiveSeconds」(最高位4位 2015/2/28)でカニエ・ウエストとこのリアーナとのコラボでした。リアーナはこの曲が19曲目のTOP5ヒットでした。
1位 29曲 Beatles
2位 28曲 Madonna
3位 26曲 Mariah Carey
4位 24曲 Janet Jackson
5位 22曲 Rihanna
6位 21曲 Elvis Presley
7位 20曲 Michael Jackson
7位 20曲 Stevie Wonder
9位 19曲 Elton John
9位 19曲 Whitney Houston
先週までの3週間を異なる3曲でダンス/エレクトロニック・ソングス・チャートで1位を独占していたチェインスモーカーズに代わって今週1位になったのがクリーン・バンディット・フィーチャリング・ショーン・ポール&アン・マリーの「Rockabye」です。HOT100では先週の24位から今週第9位にアップしてきました。デジタル・セールスで17位から一気に第3位、ラジオ・ソングスは23位から19位、ストリーミングは32位から34位となっています。iTUNESストアでの69セント・セールが効きました。この曲は昨年から今年にかけてヨーロッパで大ヒット。UKでは11/26から今年の1/21まで9週連続第1位を記録しています。「Rockabye」はイギリスで1765年に出版されたマザーグースの子守歌「Rock-a-bye Baby」をフレーズに取り入れています。クリーン・バンディットは「Rather Be」(フィーチャリング・ジェス・グリン、2014年最高位10位)に続いて2曲目、ショーン・ポールは10曲目、アン・マリーは初のTOP10ヒットです。
さて今週の「Closer」。先週はTOP10の第10位まで下がりましたが、今週は、なんと第10位に留まりました。ということはTOP10=32週!遂にリアン・ライムスが「How Do I Live」で記録したTOP10週数歴代1位に並んじゃいました。すごい!すでにダンス/エレクトロニック・ソングス・チャートで27週1位、HOT100のTOP5で27週、初登場以来連続TOP10週数=32週(これはまだ継続中)はビルボード記録の歴代1位です。オールタイムで歴代何位に入るか楽しみだなあ。TOP10週数記録は以下のとおりです。
1位 32週 Closer / Chainsmokers feat. Halsey (16/1)
1位 32週 How Do I Live / LeAnn Rimes (97/2)
3位 31週 Uptown Funk! / Mark Ronson feat. Bruno Mars (15/1)
4位 30週 Smooth / Santana feat. Rob Thomas (99/1)
5位 29週 Party Rock Anthem / LMFAO feat. Lauren Bennett and GoonRock (11/1)
6位 28週 You Were Meant for Me/Foolish Games / Jewel (97/2)
7位 26週 Truly Madly Deeply / Savage Garden (98/1)
8位 25週 Trap Queen / Fetty Wap (15/2)
8位 25週 All About That Bass / Meghan Trainor (14/1)
8位 25週 Counting Stars / OneRepublic (14/2)
8位 25週 Apologize / Timbaland feat. OneRepublic (07/2)
8位 25週 Un-Break My Heart / Toni Braxton (96/1)
8位 25週 The Twist / Chubby Checker (60/1)
またチェインスモーカーズは昨年の5/21に「Don’t Let Me Down」(フィーチャリング・デイヤ)が14位から7位にアップしてから今週まで45週間連続でTOP10入りを続けています。これは歴代5位の記録です。こちらの記録、歴代2位まで狙えるでしょうか。「Paris」が7位変わらず、コールドプレイとのコラボ「Something Just Like This」は5位から11位へダウンですがこちらはまだ登場3週目。あと6週。この2曲に期待しましょう。
1位 69週 Katy Perry (2010-11)
2位 51週 Drake (2015-16)
3位 48週 Ace of Base (1993-94)
4位 46週 Rihanna (2010-11)
5位 45週 Chainsmokers (2016-17) 継続中
5位 45週 The Weeknd (2015)
さて、今週の19位ですが何と先週の100位からアップしました。ロードの「Green Light」です。ロードといえば、2013年のデビュー・アルバム『Pure Heroine』は最高位3位で400万枚のセールスを記録して、シングル「Royals」は2013年10/12から12/7まで9週連続第1位、集計期間の関係で2013年年間15位、2014年年間20位と分かれましたが大ヒットを記録しました。第56回グラミー賞では最優秀ソング、最優秀ポップ・ソロ・パフォーマンスを受賞しています。1996年11月7日ニュー・ジーランド生まれのまだ20歳。待望のニュー・アルバム『Melodram』が6/16にリリースされます。そのファースト・シングルが「Green Light」です。今年で20周年を迎え7/28から3日間開催されるフジロックにも出演が決定しています。
100位から翌週TOP40入りした曲:
09-3-14 100 → 15 Jai Ho! (You Are My Destiny) / A R Rahman & The Pussycat Dolls Featuring Nicole Scherzinger
17-3-25 100 → 19 Green Light / Lorde
10-6-12 100 → 20 Poker Face / Glee Cast
06-2-11 100 → 23 Get’cha Head In The Game / Zac Efron
08-3-8 100 → 28 Elevator / Flo Rida Featuring Timbaland
19位へのジャンプアップ:
17-3-25 100 → 19 Green Light / Lorde
08-3-29 92 → 19 Shawty Get Loose / Lil Mama Featuring Chris Brown & T-Pain
08-7-12 91 → 19 All I Want To Do / Sugarland
14-7-12 84 → 19 Somethin’ Bad / Miranda Lambert Duet With Carrie Underwood
09-12-12 80 → 19 Hard / Rihanna Featuring Jeezy
56-11-3 72 → 19 Singing The Blues / Guy Mitchell (TOP100)
63-9-28 65 → 19 Sugar Shack / Jimmy Gilmer And The Fireballs
08-9-6 65 → 19 All Summer Long / Hit Masters
63-11-16 64 → 19 Dominique / Singing Nun
41位には59位からアップしたイマジン・ドラゴンズの「Believer」が入りました。発売日やタイトルはまだ決まっていませんがサード・アルバムからのカットで、今週遂にロック・ソングス・チャートで1位になりました。イマジン・ドラゴンズの1位は2曲目で23週間1位を記録した「Radioactive」(2013年)以来。ということで昨年5/21から44週間にわたって3曲で1位を独占してきたトゥエンティ・ワン・パイロッツが2位へダウンしました。2位へ落ちた「Heathens」は30週間第1位でした。
ところでビルボードではスターゲートのTOP20ヒットを発表していました。スターゲートはともに1972年生まれのミッケル・ストリアー・エリクセンとトール・エリック・ハーマセンのプロデューサー・チームです。今回ピンク&シーアの「Waterfall」がリリースされ、これが彼らのプロデュースということで今回の発表になったようです。スターゲート・プロデュース作品のHOT100オールタイムTOP20ヒットです。
1. Irreplaceable / Beyonce (06/1)
2. Firework / Katy Perry (10/1)
3. With You / Chris Brown (08/2)
4. Take a Bow / Rihanna (08/1)
5. Rude Boy / Rihanna (10/1)
6. Diamonds / Rihanna (12/1)
7. Only Girl (In The World) / Rihanna (10/1)
8. What’s My Name? / Rihanna featuring Drake (10/1)
9. So Sick / Ne-Yo (06/1)
10. Don’t Stop The Music / Rihanna (08/3)
11. Black Widow / Iggy Azalea featuring Rita Ora (14/3)
12. Closer / Ne-Yo (08/7)
13. Black and Yellow / Wiz Khalifa (11/1)
14. Miss Independent / Ne-Yo (08/7)
15. Hate That I Love You / Rihanna featuring Ne-Yo (07/7)
16. Unfaithful / Rihanna (06/6)
17. Tattoo / Jordin Sparks (07/8)
18. Same Old Love / Selena Gomez (16/5)
19. Come & Get It / Selena Gomez (13/6)
20. Let Me Love You (Until You Learn to Love Yourself) / Ne-Yo (12/6)
★訃報です。チャック・ベリーが3/18に亡くなりました。ミズーリ州セントチャールズの自宅で18日に倒れ、その後病院で死亡が確認されたとのことです。90歳でした。数多くのロック、R&Bなどのアーティストに強い影響を与え、多くの曲が多くのアーティストによってカバーされました。今回も多くのアーティストから追悼の言葉が寄せられています。昨年10/18に90歳の誕生日を迎えた際に、今年、1979年リリース『Rock It』以来の通算20枚目のスタジオ・アルバム『Chuck』をリリースすると発表していました。このアルバム、リリースしてほしいです。どの程度完成しているのでしょうか。「Maybellene」、「Roll Over Beethoven」、「Rock & Roll Music」、「Johnny B. Goode」、「My Ding-a-Ling」などチャック・ベリーのオールタイム・ヒット(AP集計)は来週ご紹介します。ご冥福をお祈りします。
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3/25付。今週のビルボード・アルバム・チャートから。
今週の第1位はエド・シーランのサード・アルバム『÷(Divide)』です。451,000EAU、実売は322,000枚のセールスでした。この322,000枚という枚数はなんと今年の通算セールス・ランキングで1位とのこと。1週間の売り上げで今年のすべてのアルバム・セールスの1位になってしまいました。2位はブルーノ・マーズ『24K Magic』の23万枚です。このアルバムは昨年の11月にリリースされましたので通算では70万9000枚のセールスとのことです。『÷』のリリースで、デビュー・アルバム『+』(最高位5位、202週目、200万枚のセールス)が136位から57位、セカンド・アルバム『x』(最高位1位、142週、400万枚)が49位から21位へアップしています。
アルバムチャートは実売のセールスに加えて収録曲のダウンロードやストリーミング回数も加味してランキングされています。EAUは換算枚数をあらわしています。
今週はTOP10内にあと1枚が初登場しました。
第9位に初登場したのが、1998年2月11日テキサス州エル・パソ生まれの19歳のR&Bシンガー、キャリドのデビュー・アルバム『American Teen』です。デビュー・シングル「Location」はHOT100で51位から38位へアップしています。
http://item.rakuten.co.jp/americanpie/bkrgnd031d
今週のアルバム・チャートで目立ったのはメタリカです。アルバム『Hardwired…To Self-Destruct』が3週間前が35位、先々週37位だったのが、先週14位、そして今週は第2位へ急上昇です。81,000EAU、実売は79,000枚でした。何が起きたか?メタリカは昨年8/20のミネアポリス・USバンク・スタジアムでのライブを皮切りに『WorldWired Tour』中です。5/20から全米ツアーが始まるのですが、それまでに南米、中国、デンマーク、ロンドンなどでコンサートをしています。この5/20からのツアー・チケットにCD購入権が付いているのです。CD1枚か1枚分のダウンロードができます。これが2/17にチケット販売が始まり、その後このCD購入権が行使されてチャートを駆けあがったとのことです。この購入権を無料の付録ではなく、有料としているためチャートに反映されています。メタリカは5/20からの全米25公演ツアーの後、9/4から来年の5/11まで38公演のヨーロッパ・ツアーが決まっています。ちなみに今年の1/11のソウル公演のオープニング・アクトはベビーメタルでした。
59位には127位からサウンドトラック『Sing』が上がりました。日本でも3/17から映画が公開されています。今回は3/3にアメリカでデジタルHDビデオが発売されて、サウンドトラックも売れたようです。DVDやブルーレイは3/21にリリースされますのでその影響がチャートに反映される4/8付でまた再上昇が期待できます。
http://item.rakuten.co.jp/americanpie/a0116338099
ところで、ニッケルバックは6/9の予定で9枚目のスタジオ・アルバム『Feed The Machine』をりリースして、その後6/23から10/1までの北米ツアーを発表しています。そのニッケルバックですが、このほど5枚目のスタジオ・アルバム『All the Right Reasons』(2005年最高位1位)がRIAAから1000万枚のセールス認定を受けました。実売は796万枚なのですが、現在の認定はトラック・ダウンロード数やストリーミング数をアルバム・セールスに換算してその合計で認定されているため、この度の認定となりました。10月22日に初登場1位だったため、2005年の年間チャートは63位でしたが、2006年3位、2007年6位、2008年48位とロングラン・ヒットとなりました。アルバムからは「Photograh」(2005年HOT100で2位)、「Far away」(06年8位)、「Rockstar」(07年6位)と3曲のTOP10ヒットが生まれています。
http://item.rakuten.co.jp/americanpie/a0114009107
http://item.rakuten.co.jp/americanpie/a0114008114
最後に3/26に73歳になるダイアナ・ロス。現在もラス・ヴェガスでコンサートを行ったり、7月にもテキサス州やボストンでのライブも決まっています。そういえば日本にも2年前の1月に19年ぶりの単独来日を果たして武道館でコンサートを行いました。今回のAP(あめりかん☆ぱい)集計はダイアナ・ロスとダイアナ・ロスが所属していた時代のシュープリームスのヒット曲のオールタイムTOP40です。
1. Endless Love / Diana Ross & Lionel Richie (81/1)
2. Where Did Our Love Go / Supremes (64/1)
3. Come See About Me / Supremes (64/1)
4. Upside Down / Diana Ross (80/1)
5. Love Child / Diana Ross & The Supremes (68/1)
6. Stop! In The Name Of Love / Supremes (64/1)
7. Ain’t No Mountain High Enough / Diana Ross (70/1)
8. Someday We’ll Be Together / Diana Ross & The Supremes (69/1)
9. Baby Love / Supremes (64/1)
10. You Can’t Hurry Love / Supremes (66/1)
11. I Hear A Symphony / Supremes (65/1)
12. You Keep Me Hangin’ On / Supremes (66/1)
13. Love Hangover / Diana Ross (76/1)
14. Love Is Here And Now You’re Gone / Supremes (67/1)
15. The Happening / Supremes (67/1)
16. I’m Gonna Make You Love Me / Diana Ross & The Supremes & The Temptations (69/2)
17. Theme From Mahogany (Do You Know Where You’re Going To) / Diana Ross (76/1)
18. Touch Me In The Morning / Diana Ross (73/1)
19. Reflections / Diana Ross & The Supremes (67/2)
20. Back In My Arms Again / Supremes (64/1)
21. I’m Coming Out / Diana Ross (80/5)
22. My World Is Empty Without You / Supremes (66/5)
23. It’s My Turn / Diana Ross (81/9)
24. Why Do Fools Fall In Love / Diana Ross (81/7)
25. Missing You / Diana Ross (85/10)
26. Muscles / Diana Ross (82/10)
27. In And Out Of Love / Diana Ross & The Supremes (67/9)
28. Love Is Like An Itching In My Heart / Supremes (66/9)
29. I’m Livin’ In Shame / Diana Ross & The Supremes (69/10)
30. Mirror, Mirror / Diana Ross (82/8)
31. Nothing But Heartaches / Supremes (65/11)
32. You’re A Special Part Of Me / Diana Ross & Marvin Gaye (73/12)
33. Last Time I Saw Him / Diana Ross (74/14)
34. Remember Me / Diana Ross (71/16)
35. My Mistake (Was To Love You) / Diana Ross & Marvin Gaye (74/19)
36. The Boss / Diana Ross (79/19)
37. When The Lovelight Starts Shining Through His Eyes / Supremes (64/23)
38. All Of You / Julio Iglesias & Diana Ross (84/19)
39. Reach Out And Touch (Somebody’s Hand) / Diana Ross (70/20)
40. One Love In My Lifetime / Diana Ross (76/25)
ちなみに「Pops, We Love You」(Diana Ross, Marvin Gaye, Smokey Robinson & Stevie Wonder (79/59))は60位でした。