佐藤直人の今週の洋楽この1曲!(第6回)
私が独断と偏見で毎週1曲ずつご紹介します。
今回はキッスです。おそらくこのグループが今デビューしたら表記は「キス」だったでしょうね。チャート・デビューは1974年の「Kissin’ Time」。当時よく読んでいたFMファンや週間FMでもベイ・シティ・ローラーズ、クイーンと並んでよく取り上げられていました。元祖ビジュアル系?のあのメイク。そのおかげで日本盤のLPタイトルには『地獄からの使者』(74年)、『地獄のさけび』(74年)、『地獄への接吻』(75年)、『地獄の軍団』(76年)、『地獄のロックファイアー』(76年)と『地獄』シリーズが続いたのです。
http://item.rakuten.co.jp/americanpie/a0105009116
面白かったのはこの中の『地獄のさけび』にはアメリカ盤LPのジャケットにふんだんに日本語が散りばめられていて、「力」とか「キッス」とか「地獄のさけび」とか印刷されています。さらに4人のメンバーもカタカナ表記されていて、Gene Simmons「ジイン・シモンズ」、Paul Stanley「ポール・スタンリィ」、Peter Criss「ピータ・クリース」、さらにはAce Frehleyは「エース・フューリ」と。エース・フューリ?苗字が変わっちゃってる。フレーリーでしょって当時思ってました。
チャート的にはHOT100チャートでスタジオとライブで同じ曲が2曲もHOT100に入っているという珍しい記録もあります(「Rock And Roll All Nite」スタジオ=75年68位、ライブ=76年12位、「Shout It Out Loud」スタジオ=76年31位、ライブ=78年54位)が、私が好きなのは「Shout It Out Loud」、日本語タイトルは「狂気の叫び」です。
毎週聞いていた小島一慶さんのTBS今週のポップス・ベストテンでもよくかかっていましたねえ。当時はまだ全米TOP40を知らなかったので日本でヒットした曲はみんなアメリカでもヒットしていると思っていましたが、この曲はHOT100では最高位31位ですから大きなヒットではなかったんですね。でもストレートなロックという感じで、出だしのギターから最後のドラムまで一気に体に入ってきました。
後にメルボルン・シンフォニー・オーケストラとキッスのコラボを見たときにオーケストラ団員がすべて4人の誰かメイクをして演奏していたのには笑いました。今年10月に7年ぶりに来日するそうです。ジーン・シモンズ、ポール・スタンレーとトミー・セイヤー、エリック・シンガーというラインアップ。ジーン・シモンズは今でも火を吹いているのでしょうか。
それでは今週の「佐藤直人の今週の洋楽この1曲!」、キッスで「Shout It Out Loud」狂気のさけび です。
キッスのベスト盤です。
Very Best Of Kiss
続いてライブ!「Alive!」
ボックス・セット!!
30曲の未発表テイクを含む全94曲収録。120ページの豪華カラー・ブックレット付。