10/7付
★女性ラッパー5人目のNo.1
★女性ラッパーのオールタイムTOP25ソング
★ストリーミング・ソングス・チャートは単純にストリームス数のランキングではなかった
★21曲目の初登場2位
★ロック・ソング今年のTOP10入りは何曲?
★今週のあめりかん☆ぱいHOT100ヒット・オールタイム・ランキングは60年間のオールタイムでもTOP5に入るあの曲をヒットさせたあの人
★8枚連続TOP10入りで6年ぶりのNo.1
★BTS7位初登場!
★ハリケーン被害者支援コンサート
★ラス・ヴェガス銃乱射事件
10/7付。今週のビルボード・シングル・チャートから。
今週の第1位は2週続いた2位からアップしたカーディ・Bの「Bodak Yellow (Money Moves)」です。ラップ・ソングス・チャートでは6週連続で第1位となっております。デジタル・セールスではiTUNESでの69セントセールが効いて12位から3位、ストリーミングは4640万ストリームスとストリームス数では1位ですがストリーミング・チャートでは2位へダウン、この理由はのちほど。ラジオ・ソングスでは16位から13位とアップしましましたが、今週も3部門で1位なしにHOT100で1位となりました。2週連続でのこの記録は5回目ですが、先週の1位はテーラー・スウィフトの「Look What You Made Me Do」でしたので違う曲が続いたのは初めてです。
女性ラッパーの第1位は5人目です。以下のとおりです。
* Lauryn Hill: Doo Wop (That Thing) (98/11/14-21)
* Lil Kim: Lady Marmalade / Christina Aguilera, Lil Kim, Mya And Pink (01/6/2-6/30)
* Shawnna: Stand Up / Ludacris Featuring Shawnna (03/12/6)
* Iggy Azalea: Fancy (Featuring Charli XCX) (14/6/7-7/19)
* Cardi B: Bodak Yellow (Money Moves) (17/10/7)
単独で1位になったのはローリン・ヒル以来およそ19年ぶり2人目なんですね。また女性アーティストのデビュー・ソングの第1位はメーガン・トレーナー「All About That Bass」(2014/9/20-11/8)以来。
ここでビルボードが発表した女性ラッパーのHOT100チャートでのオールタイムTOP25ソングスをご紹介します。カッコ内は年/最高位です。
25. Let’s Talk About Sex / Salt-N-Pepa (91/13)
24. Push It / Salt-N-Pepa (88/19)
23. Romeo and Juliet / Sylk-E. Fyne feat. Chill (98/6)
22. Do You Want Me / Salt-N-Pepa (91/22)
21. Bodak Yellow (Money Moves) / Cardi B (17/1)
20. Not Tonight / Lil’ Kim feat. Da Brat, Lisa “Left Eye” Lopes, Missy Elliott & Angie Martinez (97/6)
19. Gossip Folks / Missy “Misdemeanor” Elliott feat. Ludacris (03/8)
18. Anaconda / Nicki Minaj (14/2)
17. Funkdafied / Da Brat (94/6)
16. Get Ur Freak On / Missy “Misdemeanor” Elliott (01/7)
15. Paper Planes / M.I.A. (08/4)
14. Hot Boyz / Missy “Misdemeanor” Elliott feat. NAS, EVE & Q-Tip (00/5)
13. Shoop / Salt-N-Pepa (93/4)
12. Black Widow / Iggy Azalea feat. Rita Ora (14/3)
11. Doo Wop (That Thing) / Lauryn Hill (98/1)
10. Lose Control / Missy Elliott feat. Ciara & Fatman Scoop (05/3)
9. Whatta Man / Salt-N-Pepa feat. En Vogue (94/3)
8. Magic Stick / Lil’ Kim feat. 50 Cent (03/2)
7. Gangsta Lovin’ / Eve feat. Alicia Keys (02/2)
6. Buffalo Stance / Neneh Cherry (89/3)
5. Starships / Nicki Minaj (12/5)
4. Let Me Blow Ya Mind / Eve feat. Gwen Stefani (01/2)
3. Work It / Missy “Misdemeanor” Elliott (02/2)
2. Super Bass / Nicki Minaj (11/3)
1. Fancy / Iggy Azalea feat. Charli XCX (14/1)
2位はHOT100にいきなり初登場したポスト・マローン・フィーチャリング・21サヴェージの「Rockstar」です。ポスト・マローンは1995年7月4日ニュー・ヨーク生まれの22歳のラッパーです。2015年のデビュー・シングル「White Iverson」はHOT100で最高位14位で、YouTubeでは3億5000万回以上の再生を記録しています。さらに今年クアヴォをフィーチャリングした「Congratulations」は第8位。そして今回は第2位と順調です。オーストラリア、UKではすでに第1位となっています。21サヴェージは今年「Bank Account」が8/26から5週間12位を記録しました。今週は17位にランクインしています。92年10月22日ドミニカ生まれの24歳のラッパーです。デビュー・アルバム『Issa Album』は最高位2位。
今人気急上昇中のラッパー2人によるコラボとしても注目を集めています。ラジオ・ソングス・チャートにはまだ登場していませんがデジタル・セールスでは80,000ダウンロードで初登場1位。ストリーミングは4410万ストリームスですが、ストリームス数でこれを上回っているカーディBの「Bodak Yellow (Money Moves)」の4640万を抑えてストリーミング・ソングス・チャートで1位に初登場しました。
そうなんです。ストリーミング・ソングス・チャートは単純にストリームス数のランキングではなかったんですね。「Rockstar」は有料のオンデマンドのストリームス数が3960万ストリームスと多かったという説明です。オンデマンドのストリームス数とそれ以外のプログラム・ストリームス数は集計時に同じウエイトではなく、オンデマンドの方がウエイトが高いんですね。そのため、オンデマンドが多いとこのようなことが起こるわけです。珍しいことです。
ちなみにHOT100で2位初登場は96年にマライア・キャリーの「Always Be My Baby」が初めて2位に初登場してからこの曲で21曲目です。当初は2位初登場曲は5曲連続で1位になっていましたが、これまでの20曲中では9曲が1位になっています。今年はケンドリック・ラマーの「Humble.」が4/22に2位に初登場しています。1位にはなりませんでした。
今週はロック・ソングがTOP10に2曲ランクされています。
まず第7位が最高位4位で今週33週目のチャートインとなったイマジン・ドラゴンズの「Believer」です。TOP10は13週目です。ロック・ソングス・チャートでは歴代2位となる29週目の第1位を連続で記録しています。ちなみにこの曲がロック・ソングス・チャートで1位になったのが今年の3/25。この曲の前に1位だったのがトゥエンティ・ワン・パイロッツの「Heathern」でした。この曲は昨年の8/27に1位になって30週連続第1位の記録を作りました。つまりこの1年でたった2曲しかこのチャートでは1位がないのです。多くの曲がこの2曲に跳ね返されたのですが、現在の集計方法ではどのチャートでもこの傾向が強いですね。
そしてロック・ソングス・チャートで「Believer」の下で11週間第2位なのが、ポルトガル・ザ・マンの「Feel It Still」なんです。マーヴェレッツのデビュー曲「Please Mr. Postman」(61年第1位)を使っています。この曲がHOT100では先週の14位から今週第10位にアップしました。ラジオ・ソングス・チャートで8位から5位、デジタル・セールスでも7位から5位。昔の集計方法ではこの2要素だけでHOT100チャートは集計されていましたから、もう5位以上になっていた可能性がありますね。しかし現在は違います。これにストリーミングが加わり、これが大きく影響しています。この曲はストリーミングでは39位から36位なんです。ストリーミングが上がらなければさらに上に行くのは難しいですね。ロック・ソングス・チャートでは2位ですが、オルタナティヴ・ソングス・チャートでは14週連続第1位です。
昨年はTOP10ヒット45曲中5曲がロック・ソングスでした。プリンスの2曲も入っています。今年はロックのTOP10ヒットはまだこの2曲だけなんです。ロック・ソングが同時に2曲TOP10に入ったのは、2015年2/7から2週間記録したとき以来です。この時はホージア「Take Me To Church」(3位)とフォール・アウト・ボーイ「Centuries」(10位)が同時にTOP10に入りました。
さて、今週のあめりかん☆ぱいHOT100ヒット・オールタイム・ランキングです。今から58年前の10/5から断続的に9週間HOT100で1位になりました。この曲は当店が集計している55年から17年までのオールタイム・ランキングでTOP5に入るほどの大ヒット曲なんです。もとは1928年初演の「三文オペラ」の劇中歌「Moritat」というタイトルで、その後ジャズのスタンダード・ナンバーになりました。彼のバージョンは59年年間第2位。邦題は「匕首マッキー」。ということで今週はボビー・ダーリンのオールタイム・ヒットです。彼は心臓に持病があって人工心臓弁の手術後の73年12月20日に37歳の若さで亡くなりました。
1. Mack The Knife (59/1)
2. Dream Lover (59/2)
3. You’re The Reason I’m Living (63/3)
4. Things (62/3)
5. Splish Splash (58/3)
6. Queen Of The Hop (58/9)
7. Beyond The Sea (60/6)
8. If I Were A Carpenter (66/8)
9. You Must Have Been A Beautiful Baby (61/5)
10. Irresistible You (62/15)
11. 18 Yellow Roses (63/10)
12. Artificial Flowers (60/12)
13. Lazy River (61/14)
14. Won’t You Come Home Bill Bailey (60/19)
15. Multiplication (62/30)
16. Clementine (60/21)
17. What’d I Say (Part 1) (62/24)
18. Lovin’ You (67/32)
19. Treat My Baby Good (63/43)
20. Milord (64/45)
21. If A Man Answers (62/32)
22. Early In The Morning (58/24)
23. Plain Jane (59/38)
24. Somebody To Love (60/45)
25. Baby Face (62/42)
26. Mame (66/53)
27. Be Mad Little Girl (63/64)
28. Nature Boy (61/40)
29. Happy (73/67)
30. The Lady Came From Baltimore (67/62)
31. The Girl That Stood Beside Me (66/66)
32. Hello, Dolly! (65/79)
33. The Things In This House (64/86)
34. Long Line Rider (69/79)
35. Christmas Auld Lang Syne (60/51)
36. I Wonder Who’s Kissing Her Now (64/93)
37. Darling Be Home Soon (67/93)
38. I’ll Be There (60/79)
39. I Found A New Baby (62/90)
40. Child Of God (60/95)
41. Beachcomber (60/100)
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10/7付。今週のビルボード・アルバム・チャートから。
今週の第1位は2011年の『Wasting Light』以来2枚目の第1位となったフー・ファイターズの『Concrete And Gold』です。127,000EAU、実売は12万枚のセールスでした。アルバム・チャートには12枚目のエントリー、そのうち8枚がTOP10に入りました。オリジナル・アルバムは9枚すべてがチャートインしていて95年のデビュー・アルバム『Foo Fighters』こそ最高位23位でしたが、セカンド・アルバムから連続8枚がTOP10に入っています。もう20年以上活躍しているんですね。アルバムからのファースト・シングル「Run」はHOT100には入りませんでしたが、オルタナティヴ・ソングス・チャートでは最高位9位を記録してこのチャートでは23曲目のTOP10入りとなりました。
このアルバムはアデル、シーアを手掛け、ロック・アルバムは初めてというグレッグ・カースティンをプロデューサーに起用。ゲスト・アーティストにはジャスティン・ティンバーレイクやショーン・ストックマン、デイヴ・コーズ、そしてポール・マッカートニーの名前もありました。ポール・マッカートニーは「Sunday Rain」でドラムスをたたいています。また、今週ロック、オルタナティヴ、ハードロックの各アルバム・チャートで初登場1位を記録しています。
アルバムチャートは実売のセールスに加えて収録曲のダウンロードやストリーミング回数も加味してランキングされています。EAUは換算枚数をあらわしています。
今週のTOP10内初登場はあと2枚あります。
第7位には驚きました。韓国の7人組ボーイ・バンド、BTSの5枚目のエントリーとなる『Love Yourself: Her』が初登場です。31,000EAU、実売は18,000枚でした。K-POPアーティストの過去最高順位と過去最高セールスを記録しました。これまでの記録もBTSで、昨年『Wings』が最高位26位、発売第1週セールスが実売で11,000枚を記録しています。今回もデジタル・セールスのみのリリースとなっています。BTSは実はアメリカで人気上昇中で、ビルボードのチャートでソーシャル50というアーティスト・ランキングのチャートがあるのですが、これで断続的に40週間1位にランキングされているのです。このチャートはフェイスブック、ツイッター、インスタグラム、YouTube、ウィキペディア、タンブラーでのアーティスト人気を指数化してランキングされたものです。
韓国人アーティストでアルバム・チャートに5枚エントリーしているのは彼らだけ。他にはGドラゴンが3枚、BIGBANGとEXOが2枚エントリーしています。
HOT100でも彼らの新曲「DNA」が85位に初登場。韓国人アーティストとしてはPSY、ワンダー・ガールズ、CLがHOT100に入っていますが、この曲は韓国語のみのバージョンで、韓国語でのチャートインはPSYの「Gangnum Style」(12年最高位2位)以来とのことです。
https://item.rakuten.co.jp/americanpie/bllc2
第9位に初登場したのがビッグ&リッチの『Did It For The Party』です。6枚目のスタジオ・アルバムでカントリーでは今週第2位。カントリーでは2枚のNo.1を含み、スタジオ・アルバムはすべてTOP10入りしていますが、ビルボード200では2007年の『Between Raising Hell and Amazing Grace』(6位)以来4枚目のTOP10入りとなりました。リード・シングルの「California」は2015年のティム・マックグロウのアルバム『Damn Country Music』に収録された曲で、この時はビッグ&リッチがバック・ヴォーカルで参加していました。
アメリカのテキサス州、フロリダ州、自治領プエルト・リコ、そしてカリブ海の島々を襲ったハリケーン「ハービー」、「アーマ」、「マリア」は莫大な被害をもたらしました。被災者支援の基金に多くのアーティストが賛同して、個人的に寄付をしたり、チャリティ・イベントやコンサートを行っています。11/12には『All Star Nashville Hurricane Benefit』が開催されます。このイベントの収益や寄付は Country Rising Fund に寄付され被災者支援に充てられます。参加アーティストはガース・ブルックス、キャリー・アンダーウッド、ジョージ・ストレイト、ジェイソン・アルディーン、リーバ・マッキンタイア、ダークス・ベントリー、サム・ハントが予定されているとのことです。
10/1、アメリカで最大の犠牲者が出てしまった銃乱射事件が起こってしまいました。58人の尊い命が奪われ、527人が負傷したと伝えられています。ラス・ヴェガスのマンダレイ・ベイ・ホテルの近くのラス・ヴェガス・ヴィレッジで9/29から3日間の予定で『The Route 91 Harvest Festival』が行われていて、事件当時には22,000人の観衆がいたそうです。このイヴェントは2014年から毎年行われていて、この日はジェイソン・アルディーン、ジェイク・オーウェン、ルーク・コムズ、ディラン・スコット、ビッグ&リッチが出演していました。時刻は夜の10時過ぎでこの日最後の出演者のジェイソン・アルディーンのステージももう最後にかかったあたり、「When She Says Baby」(『Night Train』に収録)を演奏中に事件が起きました。世界中の多くのアーティストが犠牲者、そしてその家族、友人に追悼の言葉を捧げています。このような形で貴重な命が奪われたことはどんな理由でも許されることではありません。ご冥福をお祈りいたします。