1/23付。今週のビルボード・アルバム・チャートから。
今週から2016年カレンダー・イヤーの集計がスタートです。その第1週目の第1位はアデルの『25』でした。7週連続第1位です。194,000EAU(実売164,000枚)のセールスでした。実売ではこれで合計760万枚となりました。女性アーティストで初登場から7週連続第1位は1987年リリース、ホイットニー・ヒューストンのセカンド・アルバム『Whitney』が記録した11週連続第1位以来です。アデルはUKでも7週連続第1位。UKではデビュー・アルバム『19』(1週間)、『21』(23週間)も1位で1位獲得週数が3枚のアルバムで合計31週となり、12枚のアルバムで30週間1位を記録したマドンナを抜いて女性アーティストとして歴代1位になりました。ちなみに3位は19週でバーブラ・ストライサンド、4位が18週でセリーヌ・ディオン、5位が17週でダイドとのことです。
アルバムチャートは実売のセールスに加えて収録曲のダウンロードやストリーミング回数も加味してランキングされています。EAUは換算枚数をあらわしています。
今週のTOP10内初登場は1枚です。
5位に初登場したのが、シングル「Fight Song」が昨年HOT100では最高位6位、アダルト・コンテポラリー・チャートでは9週連続第1位、UKでも1位を記録したレイチェル・プラッテンのデビュー・アルバム『Wildfire』です。1981年5月20日ニュー・ヨーク生まれの34歳。2003年にインディ・レーベルから発売されたアルバム『Trust In Me』でデビュー。10年間の下積み生活を経て、その間に映画やTVドラマなどで曲が使われたりしていましたが、2014年にリリースされた「Fight Song」が昨年大ヒットして、このアルバムでメジャー・デビューを果たしました。
音楽界では今週もデヴィッド・ボウイのニュースがたくさん流れていましたが、ラスト・アルバムとなった『★ (Blackstar)』が来週のチャートではアメリカでは初の、UKでは10枚目のNo.1アルバムになったようです。
UKでは1/21までの1週間の集計で発表された1/30付で『★ (Blackstar)』が初登場1位の他、デヴィッド・ボウイのアルバムがTOP100に合計19枚入りました。シングルもTOP100に13曲ランクインしています。アメリカでは、これまで39枚のアルバムがチャートインして、そのうちの7枚がTOP10に入りましたが、過去最高順位は前作である2013年リリースの『The Next Day』の2位でした。UKで彼の人気を決定づけた1972年リリースの『The Rise And Fall Of Ziggy Stardust And The Spiders From Mars』はアメリカでは最高位75位、1973年にリリースされUKでは初のNo.1となった『Aladdin Sane』は最高位17位でした。
1/10に肝臓がんのため69歳でこの世を去ったデヴィッド・ボウイ。『★ (Blackstar)』プロデューサーのトニー・ヴィスコンティによると、ボウイはこのアルバムを製作中の1年前に自ら癌であることを告白しましたが、化学療法により一時は体調も回復したそうです。しかし昨年11月に医師から末期であることを告げられました。亡くなる1週間前には、ヴィスコンティに電話で「まだ時間はある。もう1作作りたい。」と伝えてきたそうです。ヴィスコンティはこのアルバムをボウイからの「お別れの贈り物」と語っています。改めてご冥福をお祈りします。
ところで、クリス・ロックの司会でロス・アンゼルス・ドルビー・シアターで2/28に授賞式が行われる第88回アカデミー賞ですが、その作曲賞に今週アルバムチャートで26位に入っている『Star Wars: The Force Awakens』でジョン・ウィリアムスがノミネートされています。これでアカデミー賞には50回目のノミネートだとか。そのうち5回受賞しています。以下の5作品です。
1971 Fiddler On The Roof 『屋根の上のバイオリン弾き』編曲・歌曲賞
1975 Jaws 『ジョーズ』作曲賞
1977 Star Wars Episode IV: A New Hope 『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』作曲賞
1982 E.T. 『E.T.』作曲賞
1993 Schindler’s List 『シンドラーのリスト』作曲賞
現在83歳。映画音楽の歴史そのものと言っても過言ではありません。受賞を期待します。
http://item.rakuten.co.jp/americanpie/rpblb002263202
ここで2/24にロンドン・02アリーナで授賞式が行われるブリット・アワードのノミネートをご紹介します。ジェームス・ベイとイヤーズ&イヤーズが4部門で最多ノミネートとなっています。
* British Male Solo Artist
Aphex Twin
Calvin Harris
James Bay
Jamie XX
Mark Ronson
* British Female Solo Artist
Adele
Amy Winehouse
Florence & the Machine
Jess Glynne
Laura Marling
* British Group
Blur
Coldplay
Foals
One Direction
Years & Years
* British Breakthrough Act
Catfish & the Bottlemen
James Bay
Jess Glynne
Wolf Alice
Years & Years
* Critics’ Choice
Jack Garratt
Izzy Bizu
Frances
* British Single
Adele / Hello
Calvin Harris & Disciples / How Deep Is Your Love
Ed Sheeran & Rudimental / Bloodstream
Ellie Goulding / Love Me Like You Do
James Bay / Hold Back the River
Jess Glynne / Hold My Hand
Little Mix / Black Magic
Olly Murs Feat. Demi Lovato / Up
Philip George / Wish You Were Mine
Years & Years / King
* MasterCard British Album of the Year
Adele / 25
Coldplay / A Head Full of Dreams
Florence & the Machine / How Big How Blue How Beautiful
James Bay / Chaos & the Calm
Jamie XX / In Colour
* British Producer of the Year
Charlie Andrew
Mark Ronson
Mike Crossey
Tom Dalgety
* British Artist Video of the Year
Adele / Hello
Calvin Harris & Disciples / How Deep Is Your Love
Ellie Goulding / Love Me Like You Do
Jessie J / Flashlight
Little Mix / Black Magic
Naughty Boy Feat. Beyonce, Arrow Benjamin / Runnin (Lose It All)
One Direction / Drag Me Down
Sam Smith / Writing’s on the Wall
Years & Years / King
* International Male Solo Artist
Drake
Father John Misty
Justin Bieber
Kendrick Lamar
The Weeknd
* International Female Solo Artist
Ariana Grande
Bjork
Courtney Barnett
Lana Del Rey
Meghan Trainor
* International Group
Alabama Shakes
Eagles of Death Metal
Major Lazer
Tame Impala
U2
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1/23付。今週のビルボード・シングル・チャートから。
今週の第1位はなんとアデルの「Hello」を落として合計8週間の2位のあとジャスティン・ビーバーの「Sorry」が初の第1位に輝きました。ジャスティン・ビーバーとしてはアルバム『Purpose』から「What Do You Mean?」に続いて2曲連続第1位です。デジタル・セールスでは2位から3位、ラジオ・ソングスでは2位変わらず、ストリーミングでは4週目の第1位で、2位に落ちたアデルの「Hello」とは僅差での1位獲得となりました。この曲は1位になる前の最高位2位になんと8週間もとどまっていました。1位になる前に2位に滞在した週数ランキングでは歴代1位タイです。
1位 8週 Justin Bieber / Sorry (15/11/14, 12/5-16/1/16)
1位 8週 OutKast Featuring Sleepy Brown / The Way You Move (03/12/20-04/2/7)
3位 7週 LMFAO / Sexy And I Know It (11/11/19-12/31)
4位 6週 John Legend / All Of Me (14/4/5-5/10)
5位 5週 Silk / Freak Me (93/3/27-4/24)
5位 5週 Toni Braxton / You’re Makin’ Me High/Let It Flow (96/6/22-7/20)
5位 5週 Ludacris Featuring Shawnna / Stand Up (03/11/1-29)
さらにHOT100で「Sorry」という単語が入った曲が1位になったのは4曲目。
1960 Brenda Lee / I’m Sorry
1975 John Denver / I’m Sorry
1982 Chicago / Hard To Say I’m Sorry
2016 Justin Bieber / Sorry
「Love Yourself」が3位に留まっていますが、「What Do You Mean?」が8位に落ちたため、同一アーティストのTOP5=3曲同時ランクイン記録は5週でストップしましたが、UKでは1位「Love Yourself」、2位「Sorry」、3位「What Do You Mean?」と史上初のTOP3を同一アーティストで独占、しかもすべて同じアルバムからという大記録を打ち立てました。
下の方では、DNCEというグループの「Cake By The Ocean」が41位から今週26位へ上昇。このグループはジョナス・ブラザーズのジョー・ジョナスを中心に結成された4人組なんですが、ジョー・ジョナスとしてはジョナス・ブラザーズで9曲、ソロで2曲、そして2つ目のグループとなる DNCE で1曲と12曲目のTOP40ヒットを記録しました。このようにソロと2つ以上のグループすべてでTOP40ヒットを記録したアーティストといえば、ポール・マッカートニー(ビートルズ、ウィングス)が思い浮かびますが他にも結構いるんですね。この記録にはUSAフォー・アフリカなどの継続的でないグループでのヒットは除きます。まだ他にもいるかもしれませんが、以下のとおりです。
Paul Carrack (Ace, Mike + The Mechanics)
Eric Clapton (Yardbirds, Cream, Derek & The Dominos)
Ice Cube (N.W.A., Westside Connection)
Johnny Gill (New Edition, LSG)
CeeLo Green (Goodie Mob, Gnarls Barkley)
Ted Nugent (Amboy Dukes, Damn Yankees)
Robert Plant (Led Zeppelin, Honeydrippers)
Donny Osmond (Osmonds, Donny & Marry Osmond)
Jimmy Page (Yardbirds, Led Zeppelin, Honeydrippers, Firm)
Tommy Shaw (Styx, Damn Yankees)
John Waite (Babys, Bad English)
ビルボードでは1/10に亡くなったデヴィッド・ボウイのHOT100オールタイムTOP20ヒットを載せていましたのでご紹介します。カッコ内は年/最高位です。
1. Let’s Dance (83/1)
2. Fame (75/1)
3. Golden Years (76/10)
4. Dancing in the Street / Mick Jagger & David Bowie (85/7)
5. Blue Jean (84/8)
6. China Girl (83/10)
7. Space Oddity (73/15)
8. Modern Love (83/14)
9. Day-In Day-Out (87/21)
10. Under Pressure / Queen & David Bowie (82/29)
11. Never Let Me Down (87/27)
12. This Is Not America / David Bowie/Pat Metheny (85/32)
13. Young Americans (75/28)
14. Changes (75/41)
15. Absolute Beginners (86/53)
16. Tonight (84/53)
17. Rebel Rebel (74/64)
18. I’m Afraid of Americans (97/70)
19. Fashion (81/70)
20. Starman (72/65)
★今日またTOP40ファンにはおなじみのアーティストの訃報が届きました。2016年に入ってまだ3週間もたっていないのに、こうも立て続けに訃報が続くとちょっとまいります。イーグルスの中心メンバー、グレン・フライが1/18、ニューヨークで亡くなりました。67歳でした。昨年12月にイーグルスとしてケネディ・センター名誉賞の受賞が決まっていて、パフォーマンスをする予定でしたが、グレン・フライが腸の手術のためパフォーマンスを1年延期していました。術後、容態が悪化して関節性リウマチ、重度の潰瘍性大腸炎、肺炎などの合併症を引き起こして亡くなったそうです。
グレン・フライは1948年デトロイト生まれ。バンド活動をしている時にボブ・シーガーと知り合い、ボブ・シーガーの「Ramblin’ Gamblin’ Man」(69年17位)ではバック・ヴォーカルで参加しました。その後、J.D.サウザーの紹介でリンダ・ロンシュタットのバック・バンドを結成。その時にドン・ヘンリーがいました。その後ランディ・マイズナーとバーニー・リードンとともにイーグルスを結成しました。誠に残念でたまりません。ご冥福をお祈りします。
グレン・フライ HOT100オールタイムTOP10ヒット
1. You Belong to the City (85/2)
2. The Heat Is On (85/2)
3. Smuggler’s Blues (85/12)
4. True Love (88/13)
5. The One You Love (82/15)
6. Sexy Girl (84/20)
7. I Found Somebody (82/31)
8. All Those Lies (83/41)
9. Part of Me, Part of You (91/55)
10. The Allnighter (84/54)
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